化学I

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 化学I
科目番号 0018 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子創造工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 化学基礎(第一学習社),スクエア最新図説(第一学習社),標準セミナー化学基礎(第一学習社)
担当教員 森下 佳代子

到達目標

1. 原子の構造および電子配置と周期律の関係を説明できる。
2. さまざまな化学結合の仕組みと性質を説明できる。
3. 物質量(モル)の概念や化学反応式を説明でき,化学反応式の量的関係から諸量を計算により求められる。
4. 酸・塩基や中和反応を説明でき,量的関係を計算により求められる。
5. 酸化還元反応を説明でき,量的関係を計算により求められる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子の構造および電子配置と周期律の関係を明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる。原子の構造および電子配置と周期律の関係を説明でき,これに関する演習問題を解くことができる。原子の構造および電子配置と周期律の関係を明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない。
評価項目2さまざまな化学結合の仕組みと性質を明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる。さまざまな化学結合の仕組みと性質を説明でき,これに関する演習問題を解くことができる。さまざまな化学結合の仕組みと性質を明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない。
評価項目3物質量(モル)の概念や化学反応式を明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる。物質量(モル)の概念や化学反応式を説明でき,これに関する演習問題を解くことができる。物質量(モル)の概念や化学反応式を明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない。
評価項目4酸・塩基や中和反応を明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる。酸・塩基や中和反応を説明でき,これに関する演習問題を解くことができる。酸・塩基や中和反応を明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない。
評価項目5酸化還元反応を明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる。酸化還元反応を説明でき,これに関する演習問題を解くことができる。酸化還元反応を明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この授業では化学が物質を対象とする科学であることや化学が人間生活に果たしている役割について学びます。また,化学の基本的な概念や原理・法則を理解し,科学的な見方や考え方を養います。具体的には次の事柄を学びます。
(1)化学結合と物質の性質との関係。
(2)化学反応式の量的関係,酸・塩基の反応,酸化還元反応
授業の進め方・方法:
この授業は「化学Ⅰ(授業)」と「理科演習(実験・演習)」から成り立っています。
〖持ち物〗教科書,自主学習ノート,図説,標準セミナーを持参してください。
〖授業前〗教科書を音読し,授業前日までに予習課題に取り組んでください。【要提出,評価に含む】
〖授業時〗授業毎に到達度を自己評価し,チェックシートに記入してください。【要提出,評価に用いる】
〖授業後〗授業等で誤答した問題は自主学習ノートに書き写し,必ず解きなおしてください。【要提出,評価に含む】
〖試験時〗講義資料,演習プリント,自主学習ノート等を,指定のA4バインダーにまとめて,指定期間に提出してください。【指定期間=試験期間初日から化学Ⅰの試験日の12:45までに要提出,評価に用いる】
〖その他〗実験終了後と長期休暇にレポートを課します。【実験や長期休暇後の最初の授業前に要提出,評価に含む】
注意点:
・オフィスアワーは【原則,火曜日 12~13時および15~17時】とします。
・授業や演習時の質問を大歓迎します。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(pp.4-12 序章化学と人間生活)
pp.14-20 Ⅰー1ー① 物質の成分
⓪ 授業の進め方について説明できる。/➀ 純物質と混合物を区別できる。/➁ 混合物の分離法について説明できる。/➂ 適切な分離操作を選択できる。
2週 pp.21-26 Ⅰー1ー② 物質の構成元素 ➀ 化合物と単体を区別できる。/➁ 同素体について説明できる。/➂ 構成元素の検出方法について説明できる。
3週 pp.27-30 Ⅰー1ー③ 状態変化と熱運動 ➀ 「熱運動」について説明できる。/➁ 水の状態変化について説明できる。/➂ 物質の三態とその状態変化を説明できる。
4週 pp.32-35 Ⅰー2ー① 原子の構造
➀ 原子の構造や元素記号について説明できる。/➁ 同位体について説明できる。/➂ 放射性同位体と代表的な用途について説明できる。
5週 pp.36-39 Ⅰー2ー① 原子の構造(つづき)
pp.40-43 Ⅰー2ー② 元素の相互関係
➀ 原子の電子配置について電子殻を用いて書き表すことができる。/➁ 価電子の働きについて説明できる。/➂ 原子番号から価電子の数を見積もることができ,価電子から原子の性質について考えることができる。/➃ 元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から説明できる。
6週 pp.46-51 Ⅰー3ー① イオン ➀ イオンの生成,分類について説明できる。/➁ イオン化エネルギー,電子親和力について説明できる。/➂ イオンの大きさについて説明できる。
7週 pp.52-56 Ⅰー3ー② イオン結合とイオン結晶 ➀ イオン結合について説明できる。/➁ 組成式が書ける。/➂ イオン結晶について説明できる。
8週 ★前期中間試験 (試験範囲;14-56ページ) ❶ 原子の構造および電子配置と周期律の関係を説明できる。/❷ イオン結合の仕組みとイオン結晶の性質を説明できる。
2ndQ
9週 ☆前期中間試験解説
pp.57-59 Ⅰー3ー③ 分子と共有結合 1⃣~4⃣
➀ 共有結合と分子の形成について説明できる。/➁ 分子の電子式や構造式が書ける。
10週 pp.60-67 Ⅰー3ー③ 分子と共有結合 5⃣~8⃣
pp.68-70 Ⅰー3ー➃ 分子間の結合(発展)
➀ 分子の形を説明できる。/➁ 配位結合と錯イオンについて説明できる。/➂ 電気陰性度と分子の極性について説明できる。/➃ 分子結晶について説明できる。
11週 pp.71-72 Ⅰー3ー⑤ 共有結合の結晶
pp.73-75 Ⅰー3ー⑥ 分子からなる物質の利用
➀ 共有結合の結晶について説明できる。/➁ 代表的なプラスチックなど有機材料について,その性質,用途について説明できる。
12週 pp.76-79 Ⅰー3ー➆ 金属と金属結合
pp.80-81 Ⅰー3ー➇ 結晶の比較
➀ 金属結合について説明できる。/➁ 代表的な金属について,その性質,用途について説明できる。/➂ 様々な結晶の性質や構造について比較し,説明できる。
13週 p.232 付録3 測定値と有効数字 ➀ 測定値と誤差について説明できる。/➁ 有効数字について説明できる。/➂ 有効数字の取り扱いに留意して四則演算ができる。
14週 pp.92-95 Ⅱー1ー① 原子量・分子量・式量 ➀ 原子の相対質量を算出できる。/➁ 原子量および同位体の天然存在比を相互に算出できる。/➂ 分子量・式量を算出できる。
15週 ◇総合演習
♣ 実験➀ 石灰石と塩酸の反応 (1-2Qの理科演習時)
16週 ★前期定期試験 (試験範囲;57-95, 232ページ) ❶ さまざまな化学結合の仕組みや特徴と結晶の性質を説明できる。/❷ 原子量・分子量・式量を有効数字に留意して算出できる。
後期
3rdQ
1週 ☆前期定期試験解説
pp.96-100 Ⅱー1ー➁ 物質量 1⃣,2⃣
➀ アボガドロ定数を理解し粒子の個数と物質量を互いに算出できる。/➁ 物質量と質量の関係を理解し,モル質量を用いて物質量と質量を互いに算出できる。
2週 pp.101-105 Ⅱー1ー➁ 物質量 3⃣,ドリル ➀ 物質量と気体の体積の関係を理解し,物質量と気体の体積を互いに算出できる。/➁ 気体の質量と体積,およびモル体積とモル質量から,気体の密度を算出できる。
3週 pp.106-111 Ⅱー1ー③ 溶解と濃度 ➀ 質量パーセント濃度とモル濃度を計算できる。/➁ 質量パーセント濃度とモル濃度を互いに換算できる。/➂ 固体の溶解度の問題を解くことができる。
4週 pp.112-115 Ⅱー1ー④ 化学変化と化学反応式
pp.120-121 Ⅱー1ー➅ 化学変化における諸法則
➀ 化学反応式の意味を説明できる。/➁ 化学の基本法則と原子説・分子説を説明できる。
5週 pp.116-119 Ⅱー1ー⑤ 化学反応の量的関係
➀ 化学反応式から諸量を計算できる。
6週 pp.124-129 Ⅱー2ー① 酸と塩基 ➀ 酸と塩基の定義を説明できる。/➁ 酸と塩基の価数について説明できる。/➂ 酸・塩基の強弱と電離度について説明できる。
7週 pp.130-135 Ⅱー2ー② 水素イオン濃度 ➀ 酸・塩基の水素イオン濃度を算出できる。/➁ 酸・塩基のpHを算出できる。/➂ pH 指示薬について説明できる。
8週 ★後期中間試験 (試験範囲;96-121ページ) ❶ 物質量(モル)の概念を理解し,諸量を相互に計算できる。/❷ 化学反応式を説明でき,化学反応式の量的関係から諸量を計算により求められる。
4thQ
9週 ☆後期中間試験解説
pp.136-139 Ⅱー2ー③ 中和と塩
➀ 中和反応について説明できる。/➁ 塩の種類を分類でき,正塩の水溶液の性質が説明できる。/➂ 塩の反応について説明できる。
10週 pp.140-151 Ⅱー2ー④ 中和滴定 ➀ 中和の量的関係に関する演習問題が解ける。/➁ 中和滴定の操作について説明できる。/➂ 中和滴定曲線を描くことができる。
11週 pp.140-151 Ⅱー2ー④ 中和滴定 ➀ 中和の量的関係に関する演習問題が解ける。/➁ 中和滴定の操作について説明できる。/➂ 中和滴定曲線を描くことができる。
12週 pp.154-159 Ⅱー3ー① 酸化と還元 ➀ 酸化還元反応について説明できる。/➁ 酸化数を求めることができる。/➂ 酸化数の増減から酸化・還元を判断できる。
13週 pp.160-166 Ⅱー3ー② 酸化剤と還元剤の反応 ➀ 酸化剤・還元剤について説明できる。/➁ 酸化剤・還元剤の半反応式を作れる。/➂ 酸化還元反応式を作ることができる。
14週 pp.167-171 Ⅱー3ー③ 酸化還元の量的関係 ➀ 酸化還元の量的関係について説明できる。/➁ 酸化還元滴定に関する問題を解くことができる。
15週 ◇総合演習
16週 ★学年末試験 (試験範囲;124-177ページ) ❶ 酸・塩基や中和反応を説明でき,量的関係を計算により求められる。/❷ さまざまな酸化還元反応を説明でき,量的関係を計算により求められる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前1,前11,前12
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前1
物質が原子からできていることを説明できる。3前4
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
純物質と混合物の区別が説明できる。3前1
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3前1
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前3,前4
水の状態変化が説明できる。2前3
物質の三態とその状態変化を説明できる。2前3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3前4
同位体について説明できる。3前4
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前4
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3前5
価電子の働きについて説明できる。3前5
原子のイオン化について説明できる。3前6
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前6
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3前5
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3前5
イオン式とイオンの名称を説明できる。3前6
イオン結合について説明できる。3前7
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前7
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前7
共有結合について説明できる。3前9,前10,前11
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前9,前10
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前12
金属の性質を説明できる。3前12
原子の相対質量が説明できる。3前14
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3前14
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3後1
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3前14,後1,後2
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3後2
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3後4
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3後5
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前6
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3後3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3後3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3後6
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3後6
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3後6
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3後7
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3後9
中和滴定の計算ができる。3後9,後10
酸化還元反応について説明できる。3後11,後12,後13
イオン化傾向について説明できる。2後14
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。2後14
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3前15,後15
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3前15,後15
測定と測定値の取り扱いができる。3前13
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3前13,前15
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3前15,後15
ガラス器具の取り扱いができる。3前15,後15
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3前15,後15
試薬の調製ができる。3前15,後15
代表的な気体発生の実験ができる。3前15,後15
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3後15

評価割合

試験予習課題授業時の取組小テスト復習(解き直し)合計
総合評価割合6010101010100
基礎的能力6010101010100
専門的能力000000
分野横断的能力000000