計測工学

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 計測工学
科目番号 0030 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子創造工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 前田ほか:計測工学、コロナ社
担当教員 久保 和良

到達目標

計測工学の基本と、基本量の計測、および工業計測について教授し、現場で応用可能な理解を涵養する。なお、電気電子計測分野は別科目で既習である故、その部分については割愛している。ただし、MCCとの関わりで、学生の負担が増えない状況で順次導入してゆく計画があり、これは授業中にインフォームドコンセントをはかる。また、最新の基準に準拠するように努めている。(例えば、国際規格では単位にカッコをつけてはいけない、とか、リットルにℓが使えないなど。)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
学んだ内容を応用可能な水準で習得できた学んだ内容の60%を熟知している学んだ内容の習熟が60%に満たない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ④ 説明 閉じる
JABEE (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
計測の基本と工夫を効果的に教授する。
授業の進め方・方法:
学生への問いかけを多く取り入れ、宿題も適宜与える。計測器の実物を多く見せ、教材を多用して、机上の座学にとどまらないように工夫する。
注意点:
計測工学は国際基準ISO、日本の基準JIS、その他SIなど、多くの基準にかかわり、日々更新されている。例えば質量標準は近々国際度量衡総会で国際キログラム原器から別の方法に代わる流れにある。担当講師の時代の常識が成り立たないほど世の中の流れは早い。radは補助単位ではなくなっているし、3(m)やy[m]などの書き方は不可となっている。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 計測、計装、度量衡などを説明できる
2週 計測法の分類と工夫 零位法などを説明でき、計測の工夫を理解
3週 国際単位系SIの基本 「SI単位系」と言う言葉が誤りであることから始まり、技術者の身に着ける基本を理解
4週 国際単位系SIの最先端 標準と国際度量衡総会、トレーサビリティの理解
5週 測定精度と測定誤差 測定誤差と測定の精密さ・性格さの理解
6週 測定誤差の取り扱いと工夫 最小二乗法などの理解
7週 先行授業で学んだことの再理解 電気量測定などの基礎
8週 復習および中間試験 試験準備を通じて計測工学の理解
4thQ
9週 基本量の計測1 長さの計測
10週 基本量の計測2
角度の計測
11週 基本量の計測3 質量の計測
12週 基本量の計測4 時間の計測
13週 工業計測1 流量・流速の計測
14週 工業計測2 圧力・温度の計測
15週 信号変換と信号処理 トランスデューサとセンサ及び周波数関数の理解
16週 期末試験 試験準備

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4前1,前2,後2
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4前6,前7,後5,後6
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4前3,前4,前5,後3,後4
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4前3,前4,前5,後4
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4後7
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4後7
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4後7
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4後7
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4後7
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4後7
電力量の測定原理を説明できる。4後7
オシロスコープの動作原理を説明できる。4後7

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力5000005
専門的能力450000045
分野横断的能力500000050