電子回路設計

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電子回路設計
科目番号 0047 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子創造工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 久保ほか:回路設計,近代科学社(2023)Ver1.1
前期に「電子回路」で使用したテキストを参考書として用います。
担当教員 久保 和良

到達目標

1.ダイオード接続を理解し,基本的な設計に応用できる。
2.トランジスタ接続を理解し,基本的な設計に応用できる。
3.オペアンプ回路を理解し,基本的な設計に応用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ダイオード接続の特徴が明確に説明でき、基本的回路を理解しながら設計できる。ダイオード接続の特徴が説明でき、基本的回路が設計できる。ダイオード接続の特徴が説明できない。基本的回路が設計できない。
評価項目2トランジスタ接続の特徴が明確に説明でき、基本的回路を理解しながら設計できる。トランジスタ接続の特徴が説明でき、基本的回路が設計できる。トランジスタ接続の特徴が説明できない。基本的回路が設計できない。
評価項目3オペアンプ接続の特徴が明確に説明でき、基本的回路を理解しながら設計できる。オペアンプ接続の特徴が説明でき、基本的回路が設計できる。オペアンプ接続の特徴が説明できない。基本的回路が設計できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ④ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子回路の設計ができるための基本を身につける。具体的にはダイオード,トランジスタ,オペアンプの基本回路を学び,設計へ応用可能な理解をする。
授業の進め方・方法:
1.授業方法は講義と演習を組み合わせて行う。
2.授業内容に応じて演習問題を課題として出し、回答の提出を求める。
注意点:
(講義の概要)自分で考えることを重視します。この授業ではちょっとした知識を学んで,素子を組み合わせて回路設計を自力で行なえる,発展的能力を養います。そのため,自力で問題解決することが評価されます。授業内容は理解度を見ながら入れ替えたり増減したりします。シラバス通りには進みません。これは,皆さんの理解と能力に対応して,授業内容を組み立て,組み直しているためです。社会で活躍できる基礎的設計力を養います。
(授業の前提)指定された自分の教科書を用意している前提で講義します。学習者は60点狙いではなく,100点狙いの意識の高い人を想定します。
(評価)最終評価は試験の素点のみから行います。レポートや出席状況は,評価点に加味しません。
(報告書の提出)レポート課題の提出や,宿題の実施が要求されます。これらは受講者の力をつけるためであり,力をつけた学生は試験でよい点を取ります。たまに,レポートの提出で点数を加味してくださいと言われますが,それは順番が違います。なお,再試験,再評価等は授業への参加が前提なので,レポートの提出状況や出席状況が良ければ実施可能です。
(教科書の扱い)指定教科書は自分専用のものを用意してください。講師の判断で,自分の教科書を試験持ち込み許可することがあります。その時は,自分の教科書であることを示すために,指示に従った記名をしていただきます。用意する教科書のバージョンが適切である必要があります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 素子と接続,動作点,隠れている部分,図面の引き方 線型素子,動作点と組み合わせの技術を学ぶ。
2週 ダイオードの接続1(クリップとクランプなど) ダイオードと抵抗,コンデンサーとの組み合わせによる波形成形を学ぶ。
3週 ダイオードの接続2(LEDとツェナーダイオードなど) 特殊なダイオードの使い方と設計法の基礎を学ぶ。
4週 ダイオードの接続3(整流回路など) 半波整流,全波整流,ブリッジ整流,2倍電圧回路,コッククロフトウォルトンの回路などを学び,設計を理解する。
5週 ダイオードの接続4(論理回路と最大値検出ほか) 最大値,最小値選択回路,検出回路,それらの論理演算への応用を学ぶ。
6週 トランジスタの接続1(エミッタ接地とバイアスなど) エミッタ接地,自己バイアス,カスコード接続,エミッタフォロワなどを学び,設計を理解する。
7週 トランジスタの接続2(カレントミラーと定電圧回路) カレントミラー,定電圧回路と電流源,電圧源の構成を学ぶ。
8週 トランジスタの接続3(ダーリントンとプッシュプル) ダーリントン接続,3段ダーリントン接続,プッシュプルなどの,高増幅率の組み立て方,高電力増幅の仕組みを学ぶ。
4thQ
9週 トランジスタの接続4(パラレルと駆動回路ほか) パラレル接続,シリーズ接続,外部回路駆動などを学ぶ。
10週 オペアンプ1(ネガティブフィードバックと非反転増幅) ネガティブフィードバックの理解と,その応用としてのオペアンプ非反転増幅器を学ぶ。
11週 オペアンプ2(反転増幅,フォロア,加算器,減算器) 反転増幅器,反転加算器,減算器,ボルテージフォロア,積分回路などの設計を学ぶ。
12週 オペアンプ3(差動増幅器,計装増幅器,CMRR) 差動アンプ,差動信号伝送の意義,計装アンプ,CMRRなどを学ぶ。
13週 オペアンプ4(理想増幅器と実際のオペアンプ) 理想的なオペアンプに対して,実際のオペアンプで考慮すべき点を学ぶ。
14週 応用1(オペアンプの内部回路の解析) バーポーラトランジスタ回路設計のお手本と言われるμA741内部回路を解析して,部品の組み合わせを学ぶ。。
15週 応用2(論理回路,DTL,TTLの内部回路) 論理回路部品,特にTTLの内部回路を解析して,部品の組み合わせと機能を学ぶ。。
16週 期末試験 (評価)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3後3
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。2
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。2
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。2
演算増幅器の特性を説明できる。4
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力700000070
分野横断的能力0000000