到達目標
計測工学の基本と、基本量の計測、および工業計測について教授し、現場で応用可能な理解を涵養する。なお、電気電子計測分野は別科目で既習である故、その部分については割愛している。ただし、MCCとの関わりで、学生の負担が増えない状況で順次導入してゆく計画があり、これは授業中にインフォームドコンセントをはかる。また、最新の基準に準拠するように努めている。(例えば、国際規格では単位にカッコをつけてはいけない、とか、リットルにℓが使えないなど。)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
分野横断型学術領域としての計測工学の理解 | 学んだ内容を応用可能な水準で習得できた | 学んだ内容の60%を熟知している | 学んだ内容の習熟が60%に満たない |
単位と標準および度量衡などを含む計測の基本概念の理解 | 学んだ内容を応用可能な水準で習得できた | 学んだ内容の60%を熟知している | 学んだ内容の習熟が60%に満たない |
工業計測とセンサ及び信号変換の理解 | 学んだ内容を応用可能な水準で習得できた | 学んだ内容の60%を熟知している | 学んだ内容の習熟が60%に満たない |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 ④
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JABEE (A)
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JABEE (d-1)
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JABEE (g)
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教育方法等
概要:
計測の基本と工夫を先端技術の理解までを含めて効果的に教授する。
※実務との関係 この科目は,計測と計装の原理と最新の計測同定手法等について講義形式で授業を行うものである。
全15週の全てを計測制御分野の国内大手企業での計測システムの研究開発並びに設計に従事した者が担当する。
授業の進め方・方法:
学生への問いかけを多く取り入れ、宿題も適宜与える。数式を過剰に追う従来の大学型講義を排し、原理原則を理解することを勧める。特に自由な発想と分野横断型の配慮を積極的に取り入れる。計測現場で応用できるよう実際の話題を多く入れ、机上の座学にとどまらないように工夫する。学生の理解度を確かめながら,教育項目の順序を入れ替えたり,細目を一部変更することがあり,これにより学生における計測工学の理解を深めるように配慮する。また学生の習熟度に応じてシラバス内容を一部好方修正することがある。(例えば低学年で物質の三重点を学んでいる年と学んでいない年があり,温度計測の基本を十分理解するため,そこを重点的に説明することがあります。これにより,本科目を修得後の達成水準を一定のところまで引き上げます)
本科目は,専門の電気系科目に加えて,流体,温度,力学,物性学,材料諭,電子回路,電子情報,物理学など,幅広い分野を横断する計測の内容を学びます。
注意点:
学習者の能力向上をもって,合格とします。高い意識で授業に臨むことが要求されます。受講生は60点を狙うのではなく,100点を狙う者として認識しています。
(評価に関して)ガイダンスで述べますが,試験素点のみから最終評価を行います。
(課題に関して)課題を提出してもらう,また宿題を実施することが多いです。この提出物は「受講者の実力をつけるため」であり,その結果,試験成績が上がるものです。なので,課題を提出することが評価点にはなりません。課題は,ネットや他者のコピペではなく,学習者が自ら考えて取り組むべきです。
(教科書に関して)指定教科書の指定されたバージョンを持っている前提で講義します。学習態度を見て,試験に教科書持ち込み許可とすることがあります。その場合は自分の教科書であることを明確にするために,教科書への指定された記名が求められます。
(内容に関して)計測工学は国際基準ISO、日本の基準JIS、その他SIなど、多くの基準にかかわり、日々更新されている。例えば質量標準は国際度量衡総会で2019年5月から国際キログラム原器から別の方法に代わった。担当講師の時代の常識が成り立たないほど世の中の流れは早い。radは補助単位ではなくなっているし、3(m)やy[m]などの書き方は不可となっている。
学生の理解を見ながら授業を進めるので,内容の変更や入れ替えがある。教科書は副次的な参考書として,メインは本来の計測工学の考え方を学ぶことにある。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 計測とは何か,計測の種類と分類,計測の工夫 |
授業内容の理解
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2週 |
度量衡 単位系の歴史と定義について学ぶ |
授業内容の理解
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3週 |
度量衡 最新の国際単位系SIについて学ぶ |
授業内容の理解
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4週 |
誤差と統計処理 真値と誤差について理解を深める |
授業内容の理解
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5週 |
誤差と統計処理 測定誤差と測定精度,最小二乗法 |
授業内容の理解
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6週 |
計装 工業計測とトランスデューサ,センサ |
授業内容の理解
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7週 |
いくつかの定石 計測の工夫,たとえば4線式,差動式,信号伝送法など |
授業内容の理解
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8週 |
(中間試験)※タイミングは行事予定に従い前後します ※中間試験を行わないことがあります |
試験への取り組み
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2ndQ |
9週 |
復習とまとめを,中間試験の結果をもとに行う ※中間試験を行わないとき,10週以降分の充実を図ります |
前半の復習
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10週 |
基本量の計測(長さ) |
授業内容の理解
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11週 |
基本量の計測(角度) |
授業内容の理解
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12週 |
基本量の計測(時間,質量,力) |
授業内容の理解
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13週 |
工業計測(流量) |
授業内容の理解
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14週 |
工業計測(圧力,温度) |
授業内容の理解
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15週 |
電気量計測(電圧,電流,抵抗,電力) |
授業内容の理解
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16週 |
(期末試験) |
(期末試験)
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 計測 | 計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。 | 4 | 後2 |
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。 | 4 | 後5,後6 |
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。 | 4 | 後3,後4 |
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。 | 4 | 後4 |
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。 | 4 | 後7 |
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。 | 4 | 後7 |
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。 | 4 | 後7 |
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。 | 4 | 後7 |
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。 | 4 | 後7 |
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。 | 4 | 後7 |
電力量の測定原理を説明できる。 | 4 | 後7 |
オシロスコープの動作原理を説明できる。 | 4 | 後7 |
制御 | 伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。 | 3 | |
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 15 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 15 |
専門的能力 | 25 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 25 |
分野横断的能力 | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 60 |