電力工学

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電力工学
科目番号 0093 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子創造工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 箕田充志 他著:「よくわかる発変電工学」(電気書院)
田辺茂 著:「よくわかる送配電工学」(電気書院)
担当教員 李 暁楊

到達目標

1.近年のエネルギー事情および電源構成について説明できる。
2.従来型発電の原理、種類等について説明できる。新エネルギー発電の基礎事項および評価方法について説明できる。
3.送電方式、変電設備の基礎事項について説明できる。
4.架空、地中送電線路について説明できる。送電線路の等価回路計算や電力系統の安定度について説明できる。
5.短絡、過電圧、障害が系統に与える影響について説明できる。
6.直流送電および配電系統について説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1近年のエネルギー事情および電源構成について説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる.近年のエネルギー事情および電源構成について説明でき,これに関する演習問題を解くことができる.近年のエネルギー事情および電源構成について説明でき,これに関する演習問題を解くことができず,これに関する演習問題を解くことができない.
評価項目2従来型発電の原理、種類及び新エネルギー発電の基礎事項について説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる.従来型発電の原理、種類及び新エネルギー発電の原理、種類・新エネルギー発電の基礎事項について説明でき,これに関する演習問題を解くことができる.従来型発電の原理、種類及び新エネルギー発電の原理、種類・新エネルギー発電の基礎事項について説明でき,これに関する演習問題を解くことができず,これに関する演習問題を解くことができない.
評価項目3送電方式、変電設備の基礎事項について説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる.送電方式、変電設備の基礎事項について説明でき,これに関する演習問題を解くことができる.送電方式、変電設備の基礎事項について説明できず,これに関する演習問題を解くことができない.
評価項目4架空、地中送電線路及び送電線路の等価回路計算や電力系統の安定度について説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる.架空、地中送電線路及び送電線路の等価回路計算や電力系統の安定度について説明でき,これに関する演習問題を解くことができる.架空、地中送電線路及び送電線路の等価回路計算や電力系統の安定度について説明できず,これに関する演習問題を解くことができない.
評価項目5短絡、過電圧、障害が系統に与える影響について説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる.短絡、過電圧、障害が系統に与える影響について説明でき,これに関する演習問題を解くことができる.短絡、過電圧、障害が系統に与える影響について説明できず,これに関する演習問題を解くことができない.
評価項目6直流送電および配電系統について説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる.直流送電および配電系統について説明でき,これに関する演習問題を解くことができる.直流送電および配電系統について説明できず,これに関する演習問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
最初は近年のエネルギー事情および電源構成を理解する。
水力・火力・原子力という従来型発電や風力・太陽光等の新エネルギー発電の原理や基礎事項を学ぶ。
送電方式、変電設備を学ぶ。
架空、地中送電線路及び送電線路の等価回路計算や電力系統の安定度を学ぶ。
短絡、過電圧、障害が系統に与える影響を学ぶ。
長距離・特別送電用の直流送電を学ぶ。
電気系統の最後の1マイルと言われる配電系統の原理と設備を学ぶ。
授業の進め方・方法:
この科目は学習単位科目のため、事前事後学習としてレポートを実施する。
本講義の内容結構多いため、事前の予習を強く推奨する。
1. 授業方法は講義を中心とする。授業中に演習問題を解かせることがある。
講義はスライド資料の説明をメインとして行い、その資料は教科書からピックアップしたものである。
演習問題は教科書及び例年の電験問題集から抽出する。
2.授業時間の制限で、授業中に講義を全部説明することがほぼ無理であるため、重要な部分をメインとして説明し、残った部分を自習する。
3.演習問題を事後学習の課題として出し、解答の提出を求めることがある。
注意点:
学年末試験後の再試験実施対象者については,試験返却時に別途申し伝える。
授業内の演習や課題では電気主任技術者(電験)の問題を解くため、よく考えて受講すること。
参考書を以下に示す:
 道上勉著:「発電・変電(改訂版)(電気学会)
 江間・甲斐著:「電力工学(改訂版)」(コロナ社)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
電力系統と送電配電技術:発電・変電・送電・配電
電力系統の構成を理解する
発電方式・送電方式・送電電圧等を理解する
2週 火力発電 熱力学・水蒸気の特性・エネルギー変換・発電設備及び環境対策を理解する
熱力学に関する演習問題を解けるようにする
3週 原子力発電 原子力の原理・構造・種類・安全性を理解する
4週 水力発電 水力学・水車・水力発電用設備を理解する
水力学に関する演習問題を解けるようにする
5週 再生可能エネルギー 太陽光発電・風力発電・地熱発電・バイオマス発電・燃料電池・蓄電池なとそれぞれの発電手法を理解する
太陽光発電・風力発電・蓄電池に関する演習問題を解けるようにする
6週 送電方式 送電方式・送電電圧を理解する
7週 架空送電線路 架空送電用設備を理解する
電線たるみに関する演習問題を解けるようにする
8週 中間試験 これまでの範囲を理解する
2ndQ
9週 中間試験の解説
架空送電線路と雷などの気象対策
地中送電線路
間違えた問題を理解する
送電線路に発生する雷害・風害・雪害を理解する
碍子(がいし)に発生する塩害・塵害(じんがい)を理解する
電力ケーブルのしくみを理解する
電力ケーブルの電気的特性に関する演習問題を解けるようにする
10週 架空送電線路の線路定数 送電線路の線路定数を理解する
線路定数に関する演習問題を解けるようにする
11週 送電線路の等価回路・電力円線図と安定度 送電線路の等価回路・電力円線図・系統安定度等を理解する
等価回路・単位法で送電線路に関する演習問題を解けるようにする
12週 異常電圧・避雷器・誘導障害。 過電圧の発生・抑制及び絶縁協調について理解する
電力系統による障害の発生について理解する
13週 故障計算と中性点接地方式 電力系統の諸故障及び各接地方式の優劣点を理解する
多種類の故障計算に関する演習問題を解けるようにする
14週 電力系統の電圧,無効電力,周波数制御
変電所と保護継電器
系統中の無効電力のバランスと系統電圧の連動性を理解する
系統中の有効電力のバランスと系統周波数の連動性を理解する
変電系統を構成する各機器の機能・仕組み等を理解する
15週 配電方式
復習
配電系統の構成などについて理解する
今まで授業の内容をクイックレビューする
16週 定期試験
テスト返却、解説
これまでの範囲を理解する
間違えた問題を理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。1
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。1
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。1
直流機の原理と構造を説明できる。1
誘導機の原理と構造を説明できる。1
同期機の原理と構造を説明できる。1
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。1
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。1
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。4
電力システムの経済的運用について説明できる。4
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000