環境化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 環境化学Ⅱ
科目番号 0008 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 参考書:『環境にやさしい21世紀の化学』NTS,『実感する化学』NTS,廣瀬千秋訳
担当教員 西井 圭

到達目標

1.地球環境の化学的性質の概略について説明できること.
2.太陽光の化学的利用と環境化学について説明できること.
3. 環境保全を目的とした水素エネルギーの利用について説明できること.
4. 環境に調和した有機・高分子合成について具体例を挙げて説明できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1地球環境の化学的性質の概略について正確に説明できること.地球環境の化学的性質の概略について説明できること.地球環境の化学的性質の概略について説明できない.
評価項目2太陽光の化学的利用と環境化学について正確に説明できること.太陽光の化学的利用と環境化学について説明できること.太陽光の化学的利用と環境化学について説明できない.
評価項目3環境保全を目的とした水素エネルギーの利用について正確に説明できること.環境保全を目的とした水素エネルギーの利用について説明できること.環境保全を目的とした水素エネルギーの利用について説明できない.
評価項目4環境に調和した有機・高分子合成について具体例を挙げて正確に説明できること.環境に調和した有機・高分子合成について具体例を挙げて説明できること.環境に調和した有機・高分子合成について具体例を挙げて説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ③ 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 ④ 説明 閉じる
JABEE (D) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化学・高分子化学・無機化学・生物化学に関して,最近の環境低負荷に貢献する発見,技術,材料を紹介する.
授業の進め方・方法:
達成目標1-4:前期の中間試験および定期試験において60%以上の得点により評価する(本授業はアクティブラーニングを目指すため発表を重視する).
注意点:
1.2回の定期試験(中間・定期:80%) 2.提出物,発表(20%)試験での教科書,参考書,ノートおよびそれらのコピーの持ち込みは不可とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 天然高分子サクラン 天然高分子サクランについて理解する
2週 ミドリムシが生成する燃料 ミドリムシが生成する燃料について理解する
3週 石油を合成する藻類 石油を合成する藻類について理解する
4週 電流発生菌 電流発生菌について理解する
5週 セルロースナノファイバー セルロースナノファイバーについて理解する
6週 光触媒を用いた環境低負荷技術 光触媒を用いた環境低負荷技術について理解する
7週 生物を模倣した材料 生物を模倣した材料について理解する
8週 【前期中間試験】 中間試験までの内容の理解度を確認する
2ndQ
9週 CO2を用いた有機合成 CO2を用いた有機合成について理解する
10週 人工光合 人工光合について理解する
11週 PET分解菌 PET分解菌について理解する
12週 有機薄膜太陽電池材料 有機薄膜太陽電池材料について理解する
13週 キチンナノファイバー キチンナノファイバーについて理解する
14週 水素エネルギーの利用 水素エネルギーの利用について理解する
15週 近年のアンモニア合成技術 近年のアンモニア合成技術について理解する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3
σ結合とπ結合について説明できる。3
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。3
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3
共鳴構造について説明できる。3
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。3
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。3
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。3
高分子化合物がどのようなものか説明できる。3
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。3
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。3
高分子の熱的性質を説明できる。3
重合反応について説明できる。3
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。3
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。3
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。3
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。3
反応機構に基づき、生成物が予測できる。3
無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。3
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。3
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。3
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。3
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。3
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。3
イオン結合と共有結合について説明できる。3
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。3
金属結合の形成について理解できる。3
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。3
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。3
各種無機材料の機能発現や合成反応を結晶構造、化学結合、分子軌道等から説明できる。3
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3
配位結合の形成について説明できる。3
水素結合について説明できる。3
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。3
錯体の命名法の基本を説明できる。3
配位数と構造について説明できる。3
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。3
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。3
セラミックス(ガラス、半導体等)、金属材料、炭素材料、半導体材料、複合材料等から、生活及び産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解している。3
現代を支える代表的な新素材を例に、その機能と合成方法、材料開発による環境や生命(医療)等、現代社会への波及効果について説明できる。3
単結晶化、焼結、薄膜化、微粒子化、多孔質化などのいくつかについて代表的な材料合成法を理解している。3
物理化学触媒の性質・構造を理解して、活性化エネルギーとの関係を説明できる。3
表面の触媒活性を理解して、代表的な触媒反応を説明できる。3
基礎生物代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。3
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。3
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。3
生物化学単糖と多糖の生物機能を説明できる。3
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。3
グリコシド結合を説明できる。3
多糖の例を説明できる。3
各種の光合成色素の働きを説明できる。3
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。3
炭酸固定の過程を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000