日本語や英語を用いて相手の意見を的確に理解すること(読む・話す)、自分の意見を整理し効果的な方法で伝えること(書く・話す)によって、円滑なコミュニケーションを図ることができる。また、母語と外国語を関連づけて学ぶことを通して、「ことばへの気づき」を得ながら、好奇心を持って積極的に言語活動に取り組むことができる。
概要:
「比較」をメインテーマとした以下の4つの項目について、講義および言語活動を展開することにより、「ことばへの気づき」を得ながら、日本語と英語のコミュニケーション能力(読む・聞く・書く)の向上を図る。
【前期】A「比較言語-日本語と英語の違い-」(読む・書く)
B「文章表現-筋道を立てて表現する-」(読む・書く)
【後期】C「口頭表現-説得力を持って表現する-」(聞く・話す)
D「比較文化-比較して考える-」(読む・話す)
授業の進め方・方法:
主に各教室への配信授業により行う。授業はオムニバス形式で行い、国語科と英語科の連携のもと、各テーマの担当教員が、テーマに沿った内容の講義および言語活動を実施する。言語活動では、問題演習、読解、作文、ディベート・プレゼンテーション等を行う。なお、各項目は独立した別個のものではなく、各項目および当該科目のⅠとⅡが有機的につながるよう企図されたものである。
注意点:
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
オリエンテーション 日本語と英語の音声の違い |
授業内容や方法の概要を理解する。 日本語と英語の音声の特徴の違いに気づく。
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2週 |
A「比較言語-日本語と英語の違い-」: (1)日本語の品詞について (2)日本語の語順について |
(1)現代日本語における品詞の名称や品詞それぞれの機能について理解する。 (2)日本語は英語と対比して、特定の文型は決まっていないこと、文末決定性があることについて理解する。
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3週 |
A:(1)英語の品詞について (2)英語の文型について |
(1)英語における品詞の名称や品詞それぞれの機能について理解する。 (2)英語は語順で文中の語句の役割が決まるが、そのパターン(文型)が大きく分けて5つ(5文型)あることを理解する。
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4週 |
B「文章表現Ⅰ―筋道を立てて表現する―」: 多言語比較表現と指示代名詞や接続詞をたよりに英文の文脈を読む |
英語と日本語を比較し、それぞれの言語が持つ特徴を確認し、さらに順不同に列挙された英文や段落を正しい順序に並べかえる。
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5週 |
B:(1)指示代名詞や接続詞をたよりに英文の文脈を読む (2)論理的に伝える①(具体と抽象) |
(1)順不同に列挙された英文や段落を正しい順序に並べかえる。 (2)具体と抽象を用いて相手に分かりやすく説明する手法を理解する。
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6週 |
B:論理的に伝える②(主張と根拠)、③(対比と類比) |
根拠をもとに、説得力を持って主張する手法を理解する。対比と類比を用いることで、ものごとを的確に捉え、分かりやすく表現する手法を理解する。
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7週 |
C「比較文化―比較して考える―」: 英語で文化について考える①:英字新聞の記事の読解を中心に文化について考える |
(1)日本文化についての英文を読み、概要を把握する。 (2)英語の「ディスコースマーカー」に着目して、「対比」「具体例の列挙」など文章の構成について理解する。
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8週 |
C:(1)英語で文化について考える②:英字新聞の記事の読解を中心に「比較」して文化を考える (2)「水の東西」読解 |
(1)・文法事項等を確認しながら、英文を読解する。・文化の比較、対比について自らの生活をもとに考える。文化についての書籍、参考資料も提示し、自国の文化について相対的に考えてみる試みを行う。 (2)比較の手法を用いた評論を読んで、内容を理解する。
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4thQ |
9週 |
C:(1)「水の東西」読解→「比較文化」について考える。 (2)「比較文化」のポスター作りに向けて |
比較の手法を用いた評論を読んで、内容を理解する。
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10週 |
C:「比較文化」のポスター作り |
比較の手法を用いて、日本文化、西洋文化についてグループごとに考察し、図と文章で表現する。
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11週 |
C:「比較文化」プレゼンテーション |
日本文化と西洋文化を比較して、相互の特徴について、グループで考察したポスターを発表する。
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12週 |
D:「口頭表現―説得力を持って表現するー」 (1)ディベートの特徴、(2)三角ロジック、(3)OREO |
(1)ディベートの特徴をディスカッションと比較しつつ理解する。 (2)論証の基本形である三角ロジック(主張Opinion・理由付けReason・事実Example)を英文例を用いて理解する。 (3)論証の手順(OREO)を英文例を用いて理解する。
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13週 |
D:マイクロディベート準備 (1)立論の型・反駁の手順、(2)リンクマップと立論の作成 |
(1)立論の型、反駁の手順について理解する。 (2)リンクマップをもとに、肯定側と否定側の立論を書く。
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14週 |
D:マイクロディベート試合 |
ディベートの実践を通して、説得力を持って表現する手法を理解する。
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15週 |
D:(1)ディベート試合の振り返り (2)【発展編】英語ディベート体験 (3)「CLⅠ」の振り返り、定期試験について |
(1)試合の反省点を今後に活かす。 (2)英語の試合を部分的に体験する。 (3)後期の学習を振り返る。
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16週 |
後期定期試験の返却と解説 |
後期定期試験の解答について理解する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。 | 1 | |
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。 | 1 | |
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。 | 1 | |
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。 | 1 | |
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 1 | |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 1 | |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 1 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 1 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 1 | |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 1 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 1 | |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 1 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 1 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 1 | |