有機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 有機化学Ⅱ
科目番号 0018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 W. H. Brown著、村上正浩監訳「ブラウン有機化学(上)」および「ブラウン有機化学(下)」(東京化学同人)
担当教員 亀山 雅之

到達目標

1.アルコール・エーテル類の性質・合成法・反応等を正しく示せる。
2.赤外分光法、核磁気共鳴分光法、質量分析法の解釈を正しく示せる。
3.アルデヒド・ケトンの性質・合成法・反応等を正しく示せる。
4.カルボン酸・その誘導体の性質・合成法・反応等を正しく示せる。
5.エノラートの性質・生成法・反応等を正しく示せる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 アルコール・エーテル類の性質・合成法・反応等を専門用語および反応式を用いて正しく示せる。 アルコール・エーテル類の性質・合成法・反応等を正しく示せる。 アルコール・エーテル類の性質・合成法・反応等を示せない。
評価項目2赤外分光法、核磁気共鳴分光法、質量分析法の解釈を専門用語および反応式を用いて正しく示せる。赤外分光法、核磁気共鳴分光法、質量分析法の解釈を正しく示せる。赤外分光法、核磁気共鳴分光法、質量分析法の解釈を正しく示せない。
評価項目3アルデヒド・ケトンの性質・合成法・反応等を専門用語を反応式を用いて正しく示せる。アルデヒド・ケトンの性質・合成法・反応等を正しく示せる。アルデヒド・ケトンの性質・合成法・反応等を示せない。
評価項目4カルボン酸・その誘導体の性質・合成法・反応等を専門用語および反応式を用いて正しく示せる。カルボン酸・その誘導体の性質・合成法・反応等を正しく示せる。カルボン酸・その誘導体の性質・合成法・反応等を示せない。
評価項目5エノラートの反応等を専門用語および機構を用いて正しく示せる。エノラートの反応等を正しく示せる。エノラートの反応等を正しく示せない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
有機化合物の化学、特に性質、合成法、反応を官能基の種類ごとに学修する。
授業の進め方・方法:
【評価方法】到達目標1-6:前期中間試験、前期定期試験、後期中間試験、後期定期試験および課題等により評価する。原則として前期中間試験、前期末試験および後期中間試験、後期末試験の平均点を90%、小テスト・課題等を10%
とし、その合計が60%以上のものを合格とする。なお、試験の内容には自学自習の内容が含まれる。
注意点:
【参考書】
1. McMurry 著、伊東・児玉訳「マクマリー有機化学 上・中・下」(東京化学同人)
2. Smith 著、山本、大嶌監訳「スミス有機化学上・下」(化学同人)
3. Vollhardt, Schore 著、古賀・野依・村橋監訳「ボルハルト・ショアー現代有機化学 上・
下」(化学同人)
4. Warren 著、野依・奥山・柴崎・檜山監訳「ウォーレン有機化学 上・下」(東京化学
同人)
【前年度までの関連科目】 有機化学 I、物質工学入門 I・II、一般理科、化学 I・II
【現学年の関連科目】 生物化学
【次年度以降の関連科目】
4学年:有機化学 III、高分子化学、生物工学実験I
5学年:工業化学、環境化学、高分子材料、生物有機化学
物質工学コース:有機合成化学、触媒化学、有機材料
【連絡事項】
1. 有機化学が多くの事実の羅列であると感じるのは間違いです。まず、教科書のまとめの暗記をやめましょう。そして、“事実をどう説明するか”に注意して教科書の説明を読みましょう。また、“なぜ起こるか”を理解する習慣を身に付けましょう。理解するには、自分で考えることが必要です。
2. 考え方の正しさを確認するために、例題等を数多く解答しましょう。色々な問題が解ければ、その内容を理解したことになります。それにより、無駄な暗記から逃れることができます。
3. 理解の助けとして教員を使ってください。質問等はメールでも受け付けます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 有機化学I・II・IIIのガイダンス、有機化学Iの復習 有機化学Iの重要な内容に関する演習問題を解ける。
2週 10章 アルコールの性質 アルコールの性質を理解できる。
3週 10章 アルコールの反応、チオール アルコールの反応を理解できる。
4週 10章 アルコールの反応、チオール
11章 エーテルの性質と合成
アルコールの反応、エーテルの性質と合成を理解できる。
5週 11章 エーテルの反応、オキシランの合成と反応、スルフィド エーテルとオキシランの反応を理解できる。
6週 11章 エーテルの反応、オキシランの合成と反応、スルフィド エーテルとオキシランの反応を理解できる。
7週 前期中間試験
8週 12章 赤外分光法(IR) IRの概要とスペクトルの特徴を理解できる。
2ndQ
9週 12章 赤外分光法(IR) IRスペクトルの解析法を理解し、演習問題を解ける。
10週 13章 核磁気共鳴分光法(NMR) NMRの概要とシグナルの特徴を理解できる。
11週 13章 核磁気共鳴分光法(NMR) NMRのシグナルの特徴を理解できる。
12週 13章 核磁気共鳴分光法(NMR) NMRスペクトルの解析法を理解し、演習問題を解ける。
13週 14章 質量分析法(MS) MSの概要と特徴を理解できる。
14週 14章 質量分析法(MS) MSスペクトルの解析法を理解し、演習問題を解ける。
15週 有機化合物の構造決定 IR, NMR, MSを用いて有機化合物の構造を決定できる。
16週 定期試験
後期
3rdQ
1週 15章 有機金属化学の基礎 有機リチウム化合物と有機マグネシウム化合物の特徴的な反応を理解できる。
2週 16章 アルデヒドとケトンの性質と求核付加反応 アルデヒド・ケトンの性質と求核付加反応を理解できる。
3週 16章 アルデヒドとケトンの求核付加反応 アルデヒド・ケトンの求核付加反応を理解できる。
4週 16章 アルデヒドとケトンの酸化・還元反応 アルデヒドとケトンの酸化・還元反応を理解できる。
5週 17章 カルボン酸の性質と合成 カルボン酸の性質と合成を理解できる。
6週 17章 カルボン酸の反応 カルボン酸の反応を理解できる。
7週 17章 カルボン酸の反応 カルボン酸の反応を理解できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 18章 カルボン酸誘導体の特徴と求核的アシル置換反応 カルボン酸誘導体の特徴と求核的アシル置換反応を理解できる。
10週 18章 カルボン酸誘導体の求核的アシル置換反応 カルボン酸誘導体の求核的アシル置換反応を理解できる。
11週 18章 カルボン酸誘導体の求核的アシル置換反応 カルボン酸誘導体の求核的アシル置換反応の演習問題を解ける。
12週 18章 カルボン酸誘導体の求核的アシル置換反応 カルボン酸誘導体の求核的アシル置換反応の演習問題を解ける。
13週 19章 エノラートアニオンとエナミン エノラートイオンの生成とその反応を理解できる。
14週 19章 エノラートアニオンとエナミン エナミンによるアルキル化およびカルボニル化合物のアルキル化を理解できる。
15週 19章 エノラートアニオンとエナミン 種々のカルボニル化合物のアルキル化反応を理解できる。
16週 後期定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4
共鳴構造について説明できる。4
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000