プロセス工学

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 プロセス工学
科目番号 0022 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 小野木克明、他「化学プロセス工学」(2007)
担当教員 吉田 裕志

到達目標

1.実在気体や液体、蒸気の温度および圧力条件における物性値の推算ができる
2.化学プロセスの基本的構成が説明できるとともに、物理的プロセスや化学反応を伴なうプロセスの物質収支計算ができる
3.物理的状態変化に対するエンタルピー収支の取り扱い方が説明できるとともに、熱収支計算ができる
4.複雑な化学プロセスの設計に必要な収支計算方法に基づいて工業的シミュレーション計算ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実在気体や液体、蒸気の温度および圧力条件における物性値の推算が正確にできる。実在気体や液体、蒸気の温度および圧力条件における物性値の推算ができる。実在気体や液体、蒸気の温度および圧力条件における物性値の推算ができない
評価項目2化学プロセスの基本的構成が説明できるとともに、物理的プロセスや化学反応を伴なうプロセスの物質収支計算が正確にできる化学プロセスの基本的構成が説明できるとともに、物理的プロセスや化学反応を伴なうプロセスの物質収支計算ができること化学プロセスの基本的構成が説明できるとともに、物理的プロセスや化学反応を伴なうプロセスの物質収支計算ができない
評価項目3物理的状態変化に対するエンタルピー収支の取り扱い方が説明できるとともに、熱収支計算が正確にできる物理的状態変化に対するエンタルピー収支の取り扱い方が説明できるとともに、熱収支計算ができる物理的状態変化に対するエンタルピー収支の取り扱い方が説明できるとともに、熱収支計算ができない
評価項目4複雑な化学プロセスの設計に必要な収支計算方法に基づいて工業的シミュレーション計算が正確にできる複雑な化学プロセスの設計に必要な収支計算方法に基づいて工業的シミュレーション計算ができる複雑な化学プロセスの設計に必要な収支計算方法に基づいて工業的シミュレーション計算ができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ④ 説明 閉じる
JABEE (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学工業プロセスにおいてプロセスの合理的設計について学ぶ。
授業の進め方・方法:
評価は、中間試験と定期試験の成績と提出課題の解答内容で行う。
注意点:
1.授業方法は講義と問題や課題の解答を中心として進め、視聴覚教材を使用して行います。
2.教科書の各章末の演習問題について解答し、レポート課題として提出してもらいます。
3.各授業時間の間や最後には理解の確認のために適宜質疑応答時間を設けます。
4.中間および定期試験の時間は90分とし,計算機を使用して行います。また、試験内容に応じて、配布資料等の持ち込みを可とする場合があります。
5.多くの化学工業プロセスにおいてプロセスの合理的設計を行うことは極めて重要なことであり、物質収支や熱収支計算がプロセス設計の基礎であることを良く理解してほしい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学プロセスと設計-物質収支、熱収支、化学工学量論、基本設計と詳細設計- 物質収支、熱収支、化学工学量論、基本設計と詳細設計について理解する。
2週 化学プロセスと設計-物理量の取扱いと単位 物理量の取扱いと単位について理解する。
3週 気体の性質
-理想気体、実在気体、状態方程式-
理想気体、実在気体、状態方程式について理解する。
4週 気体の性質
-圧縮係数と対応状態原理-
圧縮係数と対応状態原理について理解する。
5週 蒸気の取り扱い-湿り蒸気、飽和蒸気圧、純液の蒸気圧、Antoineの式- 湿り蒸気、飽和蒸気圧、純液の蒸気圧、Antoineの式について理解する。
6週 蒸気の取り扱い-湿度および湿度図表、溶液の蒸気圧- 湿度および湿度図表、溶液の蒸気圧について理解する。
7週 物質収支の基礎-物理過程の物質収支、定常・非定常状態- 物理過程の物質収支、定常・非定常状態について理解する。
8週 中間試験 これまでの範囲を理解する。
2ndQ
9週 物質収支の基礎-分離および混合に関する収支式、三角図表- 分離および混合に関する収支式、三角図表について理解する。
10週 物質収支の基礎-化学反応および燃焼反応を伴なう場合の物質収支- 化学反応および燃焼反応を伴なう場合の物質収支について理解する。
11週 化学プロセスの物質収支-基本的構成、直列型、循環型プロセス- 基本的構成、直列型、循環型プロセスについて理解する。
12週 直列型プロセスの物質収支-硝酸製造プロセスの設計計算- 硝酸製造プロセスの設計計算法について理解する。
13週 循環型プロセスの物質収支-スチレンおよびメタノール製造プロセスの設計計算- スチレンおよびメタノール製造プロセスの設計計算法について理解する。
14週 物理的状態変化とエンタルピー収支-エネルギー保存則、実在気体のエンタルピー- エネルギー保存則、実在気体のエンタルピーについて理解する。
15週 物理的状態変化とエンタルピー収支-混合気体および高圧気体のエンタルピー- 混合気体および高圧気体のエンタルピーについて理解する。
16週 定期(期末)試験 これまでの範囲を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4前3
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。4前3
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。4前3
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。4前3
混合気体の分圧の計算ができる。4前3
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。4前10
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4前10
衝突理論を理解して、アレニウスプロットを説明できる。4前10
化学工学SI単位への単位換算ができる。4前2
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4前11
温度、圧力、液位、流量の計測方法と代表的な測定機器(装置)について理解している。4前1
プロセス制御の方法と代表的なプロセス制御の例について理解している。4前1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000