物質工学実験

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 物質工学実験
科目番号 0025 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 配布プリント、安全工学:「実験を安全に行うために」,化学同人編集部編(化学同人)
担当教員 笹沼 いづみ,渥美 太郎,飯島 道弘,川越 大輔

到達目標

1. 有機化学,物理化学,生物化学,無機化学の4分野の実験を経験し実験器具を正しく使用することができること.
2. 実験レポートを期限内にまとめることができること.
3. 実験の誤差を考慮し,実験データを処理することができること.
4. 実験ノートに実験記録を正確に記録することができること.
5. 実験に対する安全対策や応急処置(安全工学)について考えることができること.
6. 企業の工場等を見学し,実際の作業工程や安全対策等について考えることができること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有機化学,物理化学,生物化学,無機化学の4分野の実験を経験し実験器具を正しく使用することができる. 有機化学,物理化学,生物化学,無機化学の4分野の実験を経験し実験器具を使用することができる. 有機化学,物理化学,生物化学,無機化学の4分野の実験を経験し実験器具を使用することができない.
評価項目2実験レポートを期限内に正確にまとめることができる.実験レポートを期限内にまとめることができる実験レポートを期限内にまとめることができない
評価項目3実験の誤差を考慮し,実験データを正確に処理することができる.実験の誤差を考慮し,実験データを処理することができる.実験の誤差を考慮し,実験データを処理することができない.
評価項目4実験ノートに実験記録を正確に記録することができる.実験ノートに実験記録を記録することができる.実験ノートに実験記録を記録することができない.
評価項目5実験に対する安全対策や応急処置(安全工学)について正確に説明することができる.実験に対する安全対策や応急処置(安全工学)について説明することができる.実験に対する安全対策や応急処置(安全工学)について説明することができない.
評価項目6企業の工場等を見学し,実際の作業工程や安全対策等について正確に説明することができる.企業の工場等を見学し,実際の作業工程や安全対策等について説明することができる.企業の工場等を見学し,実際の作業工程や安全対策等について説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
【ガイダンス】 テキスト(プリントの配布).各実験分野の概要,注意事項の説明. (1 週)
【実験】 下記1~4 の分野について,6 週ずつローテーションで実施し,前期1 回,後期1 回の発表会を実施する.
                                                   (実験24 週+発表2 週 計26 週)
1.物理化学実験
1.液体の密度
2.液体の粘度
3.溶解度と溶解熱
4.表面張力
5.液体の蒸気圧
6.沸点上昇
以上の6 テーマから実施する.そのテーマの中から発表体験を行う

2.無機化学実験
1.硫酸銅五水和物の作製
2.硫酸銅五水和物の結晶水の定量,複塩の作製,錯塩の作製
3.カリウムミョウバンの作製
4.酸化アルミニウムの作製,アルミニウムの定量
5.酸化亜鉛の作製(1/2),硫酸亜鉛七水和物の作製
6.酸化亜鉛の作製(2/2),酸化亜鉛の定性反応
以上の6 テーマから実施する.そのテーマの中から発表体験を行う


3.有機化学実験
1.シス,トランス異性体の性質
2.酢酸エチルの合成
3.アジピン酸の合成
4.ニトロベンゼンの合成
5.アニリンとアセトアニリドの合成
6.オレンジII の合成と染色
以上の6 テーマから実施する.そのテーマの中から発表体験を行う

4.生物化学実験
1.微生物の基本操作と遺伝子組み換えの基礎
2.炭水化物の定量、定性
3.アミノ酸の分離,分析,タンパク質の定量
4.脂肪の分析
5.植物の組織培養と細胞融合
6.酵素の役割と香気成分の発生
以上の6 テーマから実施する.そのテーマの中から発表体験を行う

【安全工学】
2 時間の講義を前期2 回,後期2 回行う.講義の最後に小テストを行う. (0.5 週×4 回 計2 週)
1.危険な物質と有害物質
2.危険な装置の取り扱い
3.応急処置
4.災害対策

【工場見学等】
後期に1 回,企業の工場見学会を実施し,実際の実験,製造現場を見学する. (1 週)
授業の進め方・方法:
達成目標1~4:実験態度やレポート内容などにより総合的に評価する.
達成目標5:安全工学の講義の最後に小テストを行って評価する.
達成目標6:工場見学等の感想のレポート(A4 で1 枚)により評価する.
レポートを全て期限内に提出し,かつ60%以上の成績で達成とする.

評価方法
実験実技,態度,予習状況(ノート): 20%
実験レポート:           70%
発表,工場見学等のレポート:     5%
安全工学:               5%

注意点:
1.定期試験は行わない.
2.理解が困難な場合は,その都度相談に応じる.
3.予習,復習は確実に行うこと.クラスを4 組に組分けし,実験テキストに従って,実験を行い,物理化学,
  無機化学,有機化学及び生物化学実験をローテーションで行う.
4. レポートの提出は期限厳守とし,少しでも遅れた場合は減点の対象とする.また1 週間以上遅れたレポートは
受け取らない.
5.全分野を通して,1 通でも未提出のレポートがある場合,不合格とする.
6.安全工学に関する講義の時間は後ほど掲示します.
7. 出欠確認を2回行う(実験開始時と16:00).2回目に不在の場合は欠課とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 実験の注意点や概要を説明できる
2週 専門分野別実験1-1 専門実験別実験の内容を説明できる
3週 専門分野別実験1-2 専門実験別実験の内容を説明できる
4週 専門分野別実験1-3 専門実験別実験の内容を説明できる
5週 専門分野別実験1-4 専門実験別実験の内容を説明できる
6週 専門分野別実験1-5 専門実験別実験の内容を説明できる
7週 専門分野別実験1-6 専門実験別実験の内容を説明できる
8週 専門分野別実験2-1 専門実験別実験の内容を説明できる
2ndQ
9週 専門分野別実験2-2 専門実験別実験の内容を説明できる
10週 専門分野別実験2-3 専門実験別実験の内容を説明できる
11週 専門分野別実験2-4 専門実験別実験の内容を説明できる
12週 専門分野別実験2-5 専門実験別実験の内容を説明できる
13週 専門分野別実験2-6 専門実験別実験の内容を説明できる
14週 安全工学 安全工学の内容を説明できる
15週 発表資料作成 発表資料を作成できる
16週 発表会 実験内容を発表し、質疑応答できる
後期
3rdQ
1週 専門分野別実験3-1 専門実験別実験の内容を説明できる
2週 専門分野別実験3-2 専門実験別実験の内容を説明できる
3週 専門分野別実験3-3 専門実験別実験の内容を説明できる
4週 専門分野別実験3-4 専門実験別実験の内容を説明できる
5週 専門分野別実験3-5 専門実験別実験の内容を説明できる
6週 専門分野別実験3-6 専門実験別実験の内容を説明できる
7週 専門分野別実験4-1 専門実験別実験の内容を説明できる
8週 専門分野別実験4-2 専門実験別実験の内容を説明できる
4thQ
9週 専門分野別実験4-3 専門実験別実験の内容を説明できる
10週 専門分野別実験4-4 専門実験別実験の内容を説明できる
11週 専門分野別実験4-5 専門実験別実験の内容を説明できる
12週 専門分野別実験4-6 専門実験別実験の内容を説明できる
13週 工場見学 工場を見学し工場の概要と安全性対策を説明できる
14週 安全工学 安全工学の内容を説明できる
15週 発表資料作成 発表資料を作成できる
16週 発表会 実験内容を発表し、質疑応答できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験加熱還流による反応ができる。3
蒸留による精製ができる。3
吸引ろ過ができる。3
分液漏斗による抽出ができる。3
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。3
収率の計算ができる。3
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。3
各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。3
粘度計を用いて、各種液体・溶液の粘度を測定し、濃度依存性を説明できる。3
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。3
分子量の測定(浸透圧、沸点上昇、凝固点降下、粘度測定法等)により、束一的性質から分子量を求めることができる。3
相平衡(液体の蒸気圧、固体の溶解度、液体の相互溶解度等)を理解して、平衡の概念を説明できる。3
生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。3
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。3
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。3
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。3
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。3
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ報告書合計
総合評価割合55020070100
基礎的能力0000000
専門的能力55020070100
分野横断的能力0000000