生物化学

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 生物化学
科目番号 0052 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 相本三郎 ら,「生体分子の化学」 化学同人 (2002)
担当教員 上田 誠

到達目標

1.生体成分の構造と役割を説明できる。
2.光合成を含む生物の代謝を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1生体成分の構造と役割を正確に説明できる。生体成分の構造と役割を説明できる。生体成分の構造と役割を明確に説明できない。
評価項目2光合成を含む生物の代謝を正確に例示できる。光合成を含む生物の代謝を例示できる。光合成を含む生物の代謝を正確に例示できない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ④ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生物化学の基礎部分である生体物質から代謝までを学ぶ。講義は教科書およびスライド資料による教授と専用プリントにより行う。
授業の進め方・方法:
1,授業方法は講義を中心に進め、適時、演習問題を実施する。
2,授業内容に応じて演習問題を課題として出し、解答の提出を求める。
この科目は学修単位科目のため、予習・復習課題を実施する。評価は中間試験・定期試験を80%、自学自習課題(予習・復習課題)を20%として評価する。各到達目標について60%以上の成績で達成とする。
注意点:
生体成分の特性だけに留まらず、生命を理解する上での専門的知識となる内容とする。
自学自習レポートのテーマについては、授業内容・方法に記述している。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生化学の意義と細胞の構造
(細胞の構造に関する演習問題を解く)
生化学の意義と細胞の構造を理解する
2週 極性と非極性,有機化合物について
(極性に関する演習問題を解く)
極性と非極性,有機化合物について理解する
3週 生体高分子,立体化学とキラリティー①
(立体化学に関する演習問題を解く)
生体高分子,立体化学とキラリティーについて理解する
4週 立体化学とキラリティー②,糖質について
(立体化学に関する演習問題を解く)
立体化学とキラリティーおよび糖質について理解する
5週 単糖の機能と構造
(糖に関する演習問題を解く)
単糖の機能と構造について理解する
6週 単糖(特殊な糖),配糖体
(糖の性質に関する演習問題を解く)
単糖(特殊な糖),配糖体について理解する
7週 単糖の反応,アミノ酸について
(アミノ酸の分類に関する演習問題を解く)
単糖の反応,アミノ酸について理解する
8週 中間試験 これまでの範囲を理解する
2ndQ
9週 アミノ酸の性質
(アミノ酸の性質に関する演習問題を解く)
アミノ酸の性質を理解する
10週 アミノ酸の解離
(アミノ酸の解離に関する演習問題を解く)
アミノ酸の解離を理解する
11週 ペプチド配列決定法,分析法
(ペプチドに関する演習問題を解く)
ペプチド配列決定法,分析法を理解する
12週 ペプチドの相互作用,タンパク質について
(タンパク質の性質に関する演習問題を解く)
ペプチドの相互作用,タンパク質について理解する
13週 タンパク質の構造
(タンパク質の構造に関する演習問題を解く)
タンパク質の構造を理解する
14週 酵素の利用・特徴・動力学
(酵素の性質に関する演習問題を解く)
酵素の利用・特徴・動力学を理解する
15週 脂質
(脂質の分類に関する演習問題を解く)
脂質について理解する
16週 定期試験 これまでの範囲を理解する
後期
3rdQ
1週 生体膜,核酸
(核酸の構造に関する演習問題を解く)
生体膜,核酸を理解する
2週 核酸,DNAシークエンス
(DNAシークエンスに関する演習問題を解く)
核酸,DNAシークエンスを理解する
3週 DNAの複製,変異,修復
(DNAの複製に関する演習問題を解く)
DNAの複製,変異,修復を理解する
4週 転写・翻訳
(DNAの変異に関する演習問題を解く)
転写・翻訳を理解する
5週 転写・翻訳,エネルギー代謝
(エネルギー代謝に関する演習問題を解く)
転写・翻訳,エネルギー代謝を理解する
6週 エネルギー代謝・栄養素の分解と吸収
(栄養の吸収に関する演習問題を解く)
エネルギー代謝・栄養素の分解と吸収を理解する
7週 解糖系序論
(解糖系に関する演習問題を解く)
解糖系の序論を理解する
8週 中間試験 これまでの範囲を理解する
4thQ
9週 解糖系詳細
(グルコースの解糖系での分解に関する演習問題を解く)
解糖系の詳細を理解する
10週 嫌気・好気的代謝,生物の進化
(呼吸に関する演習問題を解く)
嫌気・好気的代謝,生物の進化を理解する
11週 TCA回路,電子伝達系
(TCA回路を説明する演習問題を解く)
TCA回路,電子伝達系を理解する
12週 解糖系,TCA回路,電子伝達系演習
(グルコースの好気代謝を説明する演習問題を解く)
解糖系,TCA回路,電子伝達系演習を行い、これらを理解する
13週 β酸化
(β酸化を説明する演習問題を解く)
β酸化を理解する
14週 光合成
(光合成を説明する演習問題を解く)
光合成を理解する
15週 光合成,恒常性,植物の窒素同化,物質循環
(光合成と物質循環に関する演習問題を解く)
光合成,恒常性,植物の窒素同化,物質循環を理解する
16週 定期試験 これまでの範囲を理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。3
分析化学イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。4
基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。3
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。4
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。3
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。3
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。3
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。4
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4
グリコシド結合を説明できる。4
多糖の例を説明できる。4
脂質の機能を複数あげることができる。4
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4
タンパク質の高次構造について説明できる。4
ヌクレオチドの構造を説明できる。4
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4
DNAの半保存的複製を説明できる。4
RNAの種類と働きを列記できる。4
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4
解糖系の概要を説明できる。4
クエン酸回路の概要を説明できる。4
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4
各種の光合成色素の働きを説明できる。4
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4
炭酸固定の過程を説明できる。4
生物工学アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000