有機化学III

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 有機化学III
科目番号 0058 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 W. H. Brown著、村上正浩監訳「ブラウン有機化学(下)」(東京化学同人)
担当教員 亀山 雅之

到達目標

1.エノラートアニオンとエナミンの反応およびその機構の特長を理解できる。
2.ジエン、共役系、ペリ環状反応の反応の特長を理解できる。
3.ベンゼンとその誘導体の反応の特長を理解できる。
4.アミンの性質・合成法・反応等を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1エノラートアニオンとエナミンの反応およびその機構の特長を専門用語および反応式を用いて正しく示せる。エノラートアニオンとエナミンの反応およびその機構の特長を正しく示せる。エノラートアニオンとエナミンの反応およびその機構を正しく示せない。
評価項目2ジエン、共役系、ペリ環状の反応の特長を専門用語および反応式を用いて正しく示せる。ジエン、共役系、ペリ環状の反応の特長を正しく示せる。ジエン、共役系、ペリ環状の反応の特長を正しく示せない。
評価項目3ベンゼンとその誘導体の反応の特長を専門用語および反応式を用いて正しく示せる。ベンゼンとその誘導体の反応の特長を正しく示せる。ベンゼンとその誘導体の反応の特長を示せない。
評価項目4アミンの性質・合成法・反応等を専門用語および反応式を用いて正しく示せる。アミンの性質・合成法・反応等を正しく示せる。アミンの性質・合成法・反応等を正しく示せない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ④ 説明 閉じる
JABEE (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化合物の化学、特に性質、合成法、反応を官能基の種類ごとに学修する。また、炭素ー炭素結合生成反応を中心に、代表的な官能基変換反応を学修する。
授業の進め方・方法:
【評価方法等】到達目標1-4:中間および定期試験での関連問題において60%以上の得点により達成とする。原則として中間試験および定期試験の平均点を「試験」90%、小テスト・課題等を「その他」10%とし、その合計が60%以上のものを合格とする。
【レポート】この科目は学修単位科目のため、事前・事後の学習(予習・復習)としてレポートを提出すること。
注意点:
【参考書】
1.Klein 著、岩澤監訳「クライン有機化学 上・下」(東京化学同人)
2.McMurry著、伊東・児玉訳「マクマリー有機化学 上・中・下」(東京化学同人)
3.Smith 著、山本、大嶌監訳「スミス有機化学上・下」(化学同人)
4.Vollhardt, Schore著、古賀、野依、村橋監訳「ボルハルト・ショアー現代有機化学上・下」(化学同人)
5.Warren著、野依ほか監訳「ウオーレン有機化学 上・下」(東京化学同人)
6.Zweifel, Nantz著、檜山訳「最新有機合成法」(化学同人)
7.檜山・大嶌編著「有機合成化学」(東京化学同人)
【前年度までの関連科目】有機化学I・II、生物化学、
【現学年の関連科目】高分子化学、機器分析I、生物工学実験I
【次年度以降の関連科目】5学年:工業化学、環境化学II、高分子材料、生物有機化学
物質工学コース:有機合成化学、触媒化学、有機材料
【連絡事項】
1. エノラートイオンを用いる反応は、有機合成化学において重要な炭素―炭素結合生成反応です。
2. 教科書の内容を復習しながら、反応機構の特長を中心に学習してください。化学を理解するには、自分で考えることが必要です。
3. 演習問題等により理解度を確認してください。
4.予習課題は講義当日に提出すること。また復習課題は講義日後3日以内に提出すること。
5. 質問等はメールでも受け付けます

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 19章 エノラートアニオンとエナミン
予習:概要をA4/1枚以内にまとめて提出する。
復習:重要なアルドール反応の機構と指定された問を回答して提出する。
種々のアルドール反応を理解する。
2週 19章 エノラートアニオンとエナミン
予習:概要をA4/1枚以内にまとめて提出する。
復習:種々のアルキル化反応の機構と指定された問を回答して提出する。
エナミンの反応およびアセト酢酸エステル合成、マロン酸エステル合成を理解する。
3週 19章 エノラートアニオンとエナミン
予習:概要をA4/1枚以内にまとめて提出する。
復習:共役付加およびエノラート生成の反応機構とその特徴および指定された問を回答して提出する。
共役付加、速度論支配・熱力学支配エノラートを理解する。
4週 20章 ジエン、共役系、ペリ環状反応
予習:概要をA4/1枚以内にまとめて提出する。
復習:共役ジエンの構造の特徴と指定された問を回答して提出する。
共役ジエンの構造およびUV分光法を分子軌道法をもとに理解する。
5週 20章 ジエン、共役系、ペリ環状反応
予習:概要をA4/1枚以内にまとめて提出する。
復習:ペリ環状反応の特徴と指定された問を回答して提出する。
ペリ環状反応の特徴を理解する。
6週 19-20章の演習 エノラートのアルキル化およびジエン・共役系・ペリ環状反応を理解を深める。
7週 中間試験
8週 答案の返却と解説、21章 ベンゼンと芳香族性の概念
予習:概要をA4/1枚以内にまとめて提出する。
復習:ベンゼンと芳香族性の特徴と指定された問を回答して提出する。
ベンゼンの構造と共鳴およびヒュッケル則を理解する。
2ndQ
9週 21章 ベンゼンと芳香族性の概念
予習:概要をA4/1枚以内にまとめて提出する。
復習:ベンゼンと芳香族性の特徴と指定された問を回答して提出する。
フェノールおよびアリールエーテル、ベンジル位の反応を理解する。
10週 22章 ベンゼンとベンゼン誘導体の反応
予習:概要をA4/1枚以内にまとめて提出する。
復習:ベンゼンとその誘導体の反応の特徴と指定された問を回答して提出する。
芳香族求電子置換反応を理解する。
11週 22章 ベンゼンとベンゼン誘導体の反応
予習:概要をA4/1枚以内にまとめて提出する。
復習:ベンゼンとその誘導体の反応の特徴と指定された問を回答して提出する。
二置換ベンゼンの生成を理解する。
12週 21-22章の演習 種々の芳香族求電子置換反応の理解を深める。
13週 23章 アミン
予習:概要をA4/1枚以内にまとめて提出する。
復習:アミンの性質の指定された問を回答して提出する。
アミンの性質を理解する。
14週 23章 アミン
予習:概要をA4/1枚以内にまとめて提出する。
復習:アミンの合成と反応の指定された問を回答して提出する。
アミンの合成および反応を理解する。
15週 24章 触媒を用いた炭素ー炭素結合生成
予習:概要をA4/1枚以内にまとめて提出する。
復習:触媒を用いた炭素ー炭素結合生成反応の指定された問を回答して提出する。
遷移金属触媒を用いた種々の反応の概要を理解する。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4
共鳴構造について説明できる。4
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000