物理化学II

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物理化学II
科目番号 0059 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 アトキンス「物理化学要論」東京化学同人(2020)
担当教員 渥美 太郎

到達目標

1.溶液の熱力学,束一的性質について説明でき,関連する演習問題を解くことができる.
2.化学変化と化学平衡について説明でき,関連する演習問題を解くことができる.
3.電気化学について説明することができ,関連する演習問題を解くことができる.
4.原子と原子核,放射線について説明することができ,関連する演習問題を解くことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1液の熱力学,束一的性質について説明でき,関連する演習問題を80%以上解くことができる.溶液の熱力学,束一的性質について説明でき,関連する演習問題を60%以上解くことができる.溶液の熱力学,束一的性質について理解していない.関連する演習問題を解くことができない.
評価項目2自由エネルギーと化学平衡について説明でき,関連する演習問題を80%以上解くことができる.自由エネルギーと化学平衡について説明でき,関連する演習問題を60%以上解くことができる.自由エネルギーと化学平衡について理解していない.関連する演習問題を解くことができない.
評価項目3電気化学,電池について説明することができ,関連する演習問題を80%以上解くことができる.電気化学,電池について説明することができ,関連する演習問題を60%以上解くことができる.電気化学,電池について理解していない.関連する演習問題を解くことができない.
評価項目4原子と原子核,放射線について説明することができ,関連する演習問題を80%以上解くことができる.原子と原子核,放射線について説明することができ,関連する演習問題を60%以上解くことができる.原子と原子核,放射線について理解していない.関連する演習問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ④ 説明 閉じる
JABEE (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学熱力学のうち,溶液の熱力学,化学平衡,電気化学,原子と原子核について学ぶ。
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位のため,事前・事後学習としてレポートの提出を課す。
レポートの内容はその週に行った講義に関する演習問題とする。
注意点:
中間試験(50%)と定期試験(50%)で評価する。
試験において,事前・事後学習の成果も確認する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,【相転移と相平衡/溶液】 理想溶液,溶媒の化学ポテンシャル,理想希薄溶液,溶質の化学ポテンシャル,実在溶液:活量・講義 理想溶液,溶媒の化学ポテンシャル,理想希薄溶液,溶質の化学ポテンシャル,実在溶液:活量について理解する.予習・復習:教科書演習.
2週 【相転移と相平衡/束一的性質】 沸点や凝固点の変化,浸透・講義 沸点や凝固点の変化,浸透について理解する.予習・復習:教科書演習.
3週 【相転移と相平衡/混合物の相図】 揮発性液体の混合物,液体―液体の相図,液体―固体の相図,帯域精製,ネルンストの分配の法則・講義 揮発性液体の混合物,液体―液体の相図,液体―固体の相図,帯域精製,ネルンストの分配の法則について理解する.予習・復習:教科書演習.
4週 【化学変化と化学平衡/反応の熱力学】 反応ギブスエネルギー,反応ギブズエネルギーの組成変化,平衡に到達した反応,標準反応ギブズエネルギー・講義 反応ギブスエネルギー,反応ギブズエネルギーの組成変化,平衡に到達した反応,標準反応ギブズエネルギーについて理解する.予習・復習:教科書演習.
5週 【化学変化と化学平衡/平衡定数】 平衡組成,濃度で表した平衡定数の式,平衡定数の分子論的解釈・講義 平衡組成,濃度で表した平衡定数の式,平衡定数の分子論的解釈について理解する.予習・復習:教科書演習.
6週 【化学変化と化学平衡/諸条件による平衡の移動】 温度の効果,圧縮の効果,触媒の存在・講義 平衡の移動に対する温度の効果,圧縮の効果,触媒の存在について理解する.予習・復習:教科書演習.
7週 【化学変化と化学平衡】 演習問題・講義 1から6週目までの範囲の演習問題.予習,復習:1から6週目までの範囲の教科書の演習問題.
8週 中間試験 1から6週目までの範囲の理解の確認.予習,復習:1から6週目までの範囲の教科書の演習問題など.
2ndQ
9週 試験の返却と解説,【化学変化と化学平衡/プロトン移動平衡】 ブレンステッド―ロウリーの理論,プロトン付加とプロトン脱離・講義
ブレンステッド―ロウリーの理論,プロトン付加とプロトン脱離について理解する.予習・復習:教科書演習.
10週 【化学変化と化学平衡/多プロトン酸,塩水溶液の酸塩基平衡】 逐次プロトン脱離,化学種の分率組成,塩水溶液のpH,酸塩基滴定,緩衝作用・講義 逐次プロトン脱離,化学種の分率組成,塩水溶液のpH,酸塩基滴定,緩衝作用について理解する.予習・復習:教科書演習.
11週 【化学変化と化学平衡/溶解度平衡,溶液中のイオン】 溶解度定数,共通イオン効果,溶解度に与える塩の添加効果,平均活量係数,デバイ-ヒュッケルの理論,イオンの移動・講義 溶解度定数,共通イオン効果,溶解度に与える塩の添加効果,平均活量係数,デバイ-ヒュッケルの理論,イオンの移動について理解する.予習・復習:教科書演習.
12週 【化学変化と化学平衡/化学電池】 半反応と電極,電極反応,いろいろな電池,電池反応,電池電位・講義 半反応と電極,電極反応,いろいろな電池,電池反応,電池電位について理解する.予習・復習:教科書演習.
13週 【化学変化と化学平衡/標準電位】 個々の電極の寄与,標準電位からの平衡定数の求め方,電位のpHによる変化,電気化学系列,標準電位の組合わせ,標準電位からの熱力学データの求め方・講義 個々の電極の寄与,標準電位からの平衡定数の求め方,電位のpHによる変化,電気化学系列,標準電位の組合わせ,標準電位からの熱力学データの求め方について理解する.予習・復習:教科書演習.
14週 【原子,原子核と放射線】 原子核と放射線,放射線の性質と利用,核反応・講義 原子核と放射線,放射線の性質と利用,核反応について理解する.予習・復習:演習問題.
15週 【化学変化と化学平衡・原子,原子核と放射線】 演習問題・講義 9から14週目までの範囲の演習問題.予習,復習:9から14週目までの範囲の教科書の演習問題.
16週 定期試験 9から14週目までの範囲の理解の確認.予習,復習:9から14週目までの範囲の教科書の演習問題など.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学放射線の種類と性質を説明できる。4
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。4
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。4
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。4
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4前15
束一的性質を説明できる。4前13
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。4前13
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4前13
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4前14
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4
均一および不均一反応の平衡を説明できる。4
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。4前2
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。4前4
平衡定数の温度依存性を計算できる。4前6
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000