材料化学実験

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料化学実験
科目番号 0081 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 各担当教員が作成
担当教員 武 成祥,酒井 洋,田中 孝国,加島 敬太

到達目標

1.実験(無機化学、物理化学、化学工学、生物化学、エンジニアリングデザイン)に関する基本知識を答えられること。
2.実験データの記録方法や実験結果の評価方法を修得し、また、複合的な課題に対しては、適切な解決策を考え、実験を実施し、報告書にまとめられること。
3.実験結果をまとめ、発表できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験に関する基本知識について明確に説明でき、これに関する演習問題を正確に解くことができる。実験に関する基本知識について説明でき、これに関する演習問題を解くことができる。実験に関する基本知識について明確に説明できず、これに関する演習問題を正確に解くことができない。
評価項目2適切に実験を実施し、実験データの記録方法や実験結果の評価方法を十分に修得し、また、複合的な課題に対しては、適切な解決策を考え、実験を実施し、報告書にまとめることが十分にできる。適切に実験を実施し、実験データの記録方法や実験結果の評価方法を修得し、また、複合的な課題に対しては、適切な解決策を考え、実験を実施し、報告書にまとめることができる。適切に実験を実施できず、実験データの記録方法や実験結果の評価方法を十分に修得できす、また、複合的な課題に対しては、適切な解決策を考え、実験を実施し、報告書にまとめることが十分にできない。
評価項目3実験結果をまとめ、発表することが十分にできる。実験結果をまとめ、発表することができる。実験結果をまとめ、発表することが十分にできない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ② 説明 閉じる
JABEE (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
無機化学、物理化学、化学工学、生物化学、エンジニアリングデザインの実験を行う。
授業の進め方・方法:
1 試験において60%以上の得点により達成とする。
2 実験および報告書を評価し、60%以上の成績で達成とする。
3 発表の内容を設定基準により評価し、60%以上の成績で達成とする。
原則として次の項目により評価する。
1.中間試験(10%)2.実験の実施状況と報告書(75%) 3.発表(15%)
注意点:
【参考書】
1.化学同人編集部編 「実験を安全に行うために」(化学同人)
2.橋本健治、「ベーシック化学工学」化学同人 (2008)
3.疋田晴夫、「化学工学通論I」朝倉書店 (1998)
4. 井伊谷鋼一他、「化学工学通論II」朝倉書店 (1997)
5.鮫島實三郎著「物理化学実験法(増補版)」裳華房 (1977)
6.田隅三生著「赤外分光測定法―基礎と最新手法」エス・ティ・ジャパン (2012)
7.田中誠之著「機器分析(三訂版)」裳華房 (1996)
8.バーロー「物理化学(下)」東京化学同人(1999)

【連絡事項】
1.予習、復習は確実に行うこと。すなわち、実験前日にはテキストを充分に読み、内容を把握しておくこと。
2.予習として、実験目的、理論、実験方法をまとめてくること。(実験開始時に担当教員がチェックする。)
3.実験に用いる器具、装置の使い方に慣れるように努力すること。実験データは逐次記録する。実験中に起きた現
象を良く観察し、疑問点等はメモすること。
4.安全に実験が行えるよう常に注意すること。特に、生体材料の取扱いは十分注意すること。
5.定められた期間までに担当教員に実験レポートを提出すること。1週間以上遅れたレポートは原則として受理しない。
6.再レポートは各教員の指示に従う。
7.レポートは適切な教科書等を参考にして作成すること。WEB からの単純な引用は認めない。
8.すべてのレポートを提出すること。未提出のレポートがある場合は単位取得が困難になる。
9.質問等はメールでも受け付けます。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ○無機化学分野[武]
1.粉末X線回折
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
2週 ○無機化学分野[武]
2.鉄の腐食と防食
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
3週 ○無機化学分野[武]
3.銅(II)錯体の吸収スペクトルに及ぼす配位子場の強さの影響
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
4週 ○無機化学分野[武]
4.金属酸化物サーミスターの製造と温度特性の測定
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
5週 ○無機化学分野[武]
5.走査型電子顕微鏡(SEM)による表面観察
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
6週 ○無機化学分野[武]
6.熱重量・示差熱分析器による脱水反応過程の検討
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
7週 ○物理化学分野[酒井]
1.吸収スペクトルと分子構造
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
8週 ○物理化学分野[酒井]
2.赤外分光法
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
2ndQ
9週 ○物理化学分野[酒井]
3.反応速度の温度効果
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
10週 ○物理化学分野[酒井]
4.酸解離定数の測定
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
11週 ○化学工学分野[田中・加島]
1. 単蒸留
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
12週 ○化学工学分野[田中・加島]
2. 定圧濾過
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
13週 ○化学工学分野[田中・加島]
3. 固体乾燥
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
14週 ○化学工学分野[田中・加島]
4. 拡散
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
15週 ○化学工学分野[田中・加島]
5. 管内流動と流体輸送
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
16週 ○化学工学分野[田中・加島]
6. 強制対流伝熱
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
後期
3rdQ
1週 ○化学工学分野[田中・加島]
7. 反応速度の測定と応用
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
2週 ○化学工学分野[田中・加島]
8. 次元解析
専門分野別実験の注意点・概要・内容を説明できる
3週 ○生物化学分野[笹沼・高屋] エンジニアリングデザイン実験を計画し、その注意点・概要・内容を説明できる
4週 ○エンジニアリングデザイン分野[武・笹沼・酒井・田中・高屋・加島]
上記の分野に関連した発展的あるいは複合的なテーマを実施し、発表を行う。
実験内容を発表し、質疑応答できる
5週 無機化学、物理化学、化学工学の3つの分野について、1つのテーマについて2週ずつ、3つのテーマの実験を行う。また、中間試験を行い、発表を行う。生物化学分野についても2週実験を行う。その後エンジニアリングデザインの実験と発表を行う。
6週 予習:実験の目的、原理、実験方法についてまとめる。
復習:結果をまとめ、考察を行い、レポートを作成する。
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。4
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4
物理化学実験反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。3
化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。3
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。3
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。3
生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。4
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。4
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。4
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。4
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。4
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。4
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

試験発表報告書態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合101575000100
基礎的能力0000000
専門的能力101575000100
分野横断的能力0000000