建築応用力学

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 建築応用力学
科目番号 0016 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 寺本隆幸,建築構造の力学II,森北出版,2007
担当教員 堀 昭夫

到達目標

1.骨組解析や動的解析の基本的な方法を説明できる。
2.前項がどのような手順で数値計算されるか説明できる。
3.計算結果を盲信しないための基礎力を醸成する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1骨組解析や動的解析の基本的な方法を明確に説明できる。骨組解析や動的解析の基本的な方法を説明できる。骨組解析や動的解析の基本的な方法を説明できない。
評価項目2前項がどのような手順で数値計算されるか明確に説明できる。前項がどのような手順で数値計算されるか説明できる。前項がどのような手順で数値計算されるか説明できない。
評価項目3計算結果を盲信しないための基礎力を的確に身につける。計算結果を盲信しないための基礎力を身につける。計算結果を盲信しないための基礎力が身につかない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ④ 説明 閉じる
JABEE (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
骨組解析法(マトリクス法)や動的解析法(振動応答)について学ぶ。
現在の構造解析は,コンピュータ利用が前提となっており,解析の基礎理論を学ぶ。
授業の進め方・方法:
1.授業内容は講義を基本として行う。
2.数学的な補足説明は,理工系一般教養の数学部分とし,高校数学部分は既習とする。
注意点:
1.今までに学んだ,構造力学,鋼構造,鉄筋コンクリート構造,応用物理,などの授業が,微分積分,線形代数,情報処理,などを内包しながら有機的につながって来るのが本科目の内容となっている。
2.1-6週,7,9週,10-15週が,それぞれ大きな塊に相当する。各塊の中では,易から難へ話が進むので,それぞれの初期段階ほど,物理的な概念理解をしっかりやっておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 たわみ角法の概括 既習のたわみ角法の応用レベルの理解
2週 固定法の概括 既習の固定法の応用レベルの理解
3週 連立1次方程式,トラスの剛性マトリクス 掃出し法,変位,外力ベクトル,剛性マトリクス,の理解
4週 梁の剛性マトリクス 梁の曲げ剛性,梁部材の剛性マトリクス,の理解
5週 平面骨組の剛性マトリクス 2次元中の座標変換,全体剛性マトリクス,部材応力,の理解
6週 立体骨組の剛性マトリクス 建物のモデル化,3次元中の座標変換,の理解
7週 部材の弾塑性性状 完全弾塑性,塑性断面係数,部材耐力,の理解
8週 中間試験 これまでの範囲を理解する
2ndQ
9週 保有水平耐力 崩壊メカニズム,塑性解析法,骨組耐力,の理解
10週 1質点系の自由振動の概括 既習の1質点振動の応用レベルでの理解
11週 地動による1質点系の応答 1質点系での共振や地震応答,の理解
12週 建物モデルと多質点系への置換 剛床仮定,質量集中,層と階,ねじれ,の理解
13週 せん断型多質点系の自由振動 質量マトリクス,固有値,固有ベクトル,の理解
14週 せん断型多質点系の地震応答 単位地動,刺激係数,モード合成,地震応答,の理解
15週 弾塑性地震応答解析 弾塑性地震応答解析の例,応答スペクトル,の理解
16週 定期試験 これまでの範囲を理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造力の合成と分解について理解し、計算できる。4
力のつり合いについて理解している。4
力の単位系について理解し、単位系の相互変換が計算できる。4
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。4
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。4
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。4
骨組構造物の種類やその安定・不安定について理解している。4
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。4
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。4
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。4
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。4
振動解析モデルについて説明できる。4
1自由度系の自由振動の計算ができる。4
部材の弾塑性の性質について理解している。4
骨組みの崩壊時の条件であるつり合い方程式と制約条件について理解している。3
下界定理、上界定理を用いて骨組みの崩壊荷重の計算ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000