建築環境工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 建築環境工学Ⅰ
科目番号 0028 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 田中俊六他「最新建築環境工学」(井上書院)
担当教員 佐藤 篤史

到達目標

1.都市環境及び地球環境と室内環境を関連づけて説明出来る。
2.建築物の対する日照と日影の関係を説明出来る。
3.測光量とその単位を理解し、採光・照明計画を設計に応用出来る。
4.マンセル色立体及び他の表色系を理解し説明出来る。
5.熱貫流率の計算及び建築物の熱環境に関する評価方法を説明出来る。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1都市環境及び地球環境と室内環境を関連づけて明確に説明出来る。都市環境及び地球環境と室内環境を関連づけて説明出来る。都市環境及び地球環境と室内環境を関連づけて説明出来ない。
評価項目2建築物の対する日照と日影の関係を明確に説明出来る。建築物の対する日照と日影の関係を説明出来る。建築物の対する日照と日影の関係を説明出来ない。
評価項目3測光量とその単位を理解し、採光・照明計画を設計に正しく応用出来る。測光量とその単位を理解し、採光・照明計画を設計に応用出来る。測光量とその単位を理解し、採光・照明計画を設計に応用出来ない。
評価項目4マンセル色立体及び他の表色系を理解し明確に説明出来る。マンセル色立体及び他の表色系を理解し説明出来る。マンセル色立体及び他の表色系を理解し説明出来ない。
評価項目5熱貫流率の計算及び建築物の熱環境に関する評価方法を明確に説明出来る。熱貫流率の計算及び建築物の熱環境に関する評価方法を説明出来る。熱貫流率の計算及び建築物の熱環境に関する評価方法を説明出来ない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ④ 説明 閉じる
JABEE (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建築環境工学の中で、外界気象、測光量、温熱環境を工学的視点で学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義を主体としながら、適宜実験や演習を行う。
注意点:
環境工学は、積み重ねではなく、個別の項目ごとに学習するが、最終的には複合環境として統合して考えていくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 環境工学概論。地球環境問題・都市の環境問題についての講義。 地球環境問題を理解し説明出来る。
2週 気象条件、卓越風などの外界気象についての講義。 建築における外界気象を理解する。
3週 気象条件(続)、日射、日照、天空光、太陽位置ついての講義。 太陽の持つエネルギーが建築に与える影響を理解する。
4週 建築と日影。建物の隣棟間隔。日影曲線の作図演習。 日影曲線を作図出来る。
5週 n時間日影の作図。永久日影。日影に関する演習問題 4時間日影を作図出来る。
6週 日影に関する演習問題。日射に関する演習問題。 日射量計算を出来るようにする。
7週 ガラスの日射熱取得および日照調節についての講義。 ガラスからの熱取得を理解する。
8週 中間試験
2ndQ
9週 光の物理的性質。可視光と紫外線・赤外線。光の単位などについての講義。 測光量の単位を理解する。
10週 照度・輝度、余弦の法則による照度の計算。 点光源による照度計算が出来る。
11週 各室の照度基準。グレア、明視、均斉度に関する講義 JISの照度基準を理解する。
12週 採光と照明。立体角投射率の読み取り。 立体角投射率を理解する。
13週 昼光率の計算。人工照明の種類、色温度・演色性についての講義。 窓の形体から昼光率の計算ができる。
14週 光束方による室内の照度計算および照明器具の配置計画。 室内への照明器具の配置計画ができる。
15週 採光・照明に関する建築への応用に関する講義、総合演習。 照明器具を建築へ応用ができる。
16週 前期定期試験
後期
3rdQ
1週 色の表現と各種表色系に関する講義。 マンセル表色系を理解する。
2週 色彩と心理についての講義。 XYX表色系を理解する。
3週 伝熱の基礎(熱移動の3形態)伝導・放射熱量の計算 熱移動の3形態を理解する。
4週 熱伝達。熱貫流率・貫流抵抗。単層壁の熱貫流率計算 熱貫流率を理解し、伝熱計算が出来る。
5週 中空層の熱伝達。複層壁の熱貫流率計算。 複層壁の熱貫流率を計算できる。
6週 内外温度の計算。壁体内の温度分布。 単層壁の内部温度分布を計算できる。
7週 複層壁の温度分布演習。 複層壁の内部温度分布を計算できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 建物外表面の熱授受についての講義。 建物外皮の熱収支を理解する。
10週 日射遮蔽係数。室温変動率。総合熱貫流率Q値(η値)についての講義。 建物の省エネルギー判断基準を理解できる。
11週 湿気・結露。湿り空気とは。湿り空気線図の読み方。 湿り空気線図を読み取れる。
12週 露点温度。結露の発生メカニズム。結露の防止。 結露の発生メカニズムを理解する。
13週 室内湿度について及び断熱材の特性と施工方法についての講義。 各種断熱構法を理解する。
14週 快適条件、温熱環境6要素について講義及び演習。 人体の熱収支を理解する。
15週 各種快適指標について。 PMVとSET*を理解する。
16週 後期定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
慣性の法則について説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
重心に関する計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学建築系分野環境・設備風土と建築について説明できる。4前1
気候、気象について説明できる。4前2
気温、温度、湿度および気温と湿度の形成について説明できる。4前2
雨、雪による温度、湿度の関係について説明できる。4前2
ヒートアイランドの現象について説明できる。4前1
大気汚染の歴史と現象について説明できる。4前1
都市環境における緑の役割について説明できる。4前1
建設地と太陽位置について説明できる。4前3,前4,前5
日照および日射の調節方法について説明できる。4前3,前4,前5
日照時間および日照時間図について説明できる。4前3,前5
日照と日射の使い分けについて説明できる。4前3,前5
紫外線、赤外線、可視光線の効果の違いを説明できる。4前5
視覚と光の関係について説明できる。4前9
明視、グレアの現象について説明できる。4前9,前11
採光および採光計画について説明できる。4前12,前13
人工照明について説明できる。4前14
照明計画および照度の計算ができる。4前14
表色系について説明できる。4後1
色彩計画の概念を知っている。4後2
伝熱の基礎について説明できる。4後3
熱貫流について説明できる。4後4,後5
室温の形成について理解している。4後6,後7
温熱環境要素について説明できる。4後15
温熱環境指標について説明できる。4後13
湿り空気、空気線図について説明できる。4後11,後12
結露現象について説明できる。4後12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000