概要:
この科目は企業で建築物の構造設計を担当していた教員が、その経験を活かし、建築物において使用する材料についてその物性を説明し、実験を通じて理解させる。実験および演習は12のテーマを行う。
また、実験レポートを作成することで、レポートの作成方法を習得する。
授業の進め方・方法:
4つのグループに分け、12のテーマをローテーションしながら行う。レポートは原則として次週に提出してもらう。
到達目標1~3について、レポートの提出状況並びにレポートの様式、記載内容を評価するとともに、実験内容の理解度を確認するための確認テストを実施し、60%以上の成績で評価する。
注意点:
1.授業前に実験の内容、実験方法及びこれまでに学習した実験に関係する事柄を確認すること。
2.試験毎に、担当および集合場所が変わるため注意すること。
3.適宜実験方法を説明して実習を行うため、集合時間を厳守すること。
4.材齢及び試験機の状況により、実験の項目が変更になる場合があるので注意すること。
5.実験には危険が伴うため、実験時の服装および態度には留意すること。
6.すべての実験項目に出席することを前提とし、欠席した実験項目については原則レポートの提出を認めない。
7.レポートの評価配分が高い科目であり、レポートが定期試験と同等以上に重要になる。したがって、一つでも未提出のレポートがある者に対しては、再試験および再評価を実施しない。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス、中性化試験、演習1 |
コンクリートの調合設計ができる コンクリートの中性化試験を行い、中性化による劣化状況を理解できる
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2週 |
セメント試験用試験片の作成 |
セメント試験用の試験片を作成することができる
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3週 |
セメント1週試験 |
セメント試験(曲げ試験、圧縮試験)を行うことができる
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4週 |
粗骨材試験 |
粗骨材のふるい分け、単位容積質量、実積率、密度、吸水率の試験を行うことができる
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5週 |
実務者の視点を踏まえたトラス構造の説明と模型実験、計算演習の実施 演習3 |
骨組1の力と変形の関係について説明することができる
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6週 |
セメント4週試験 |
セメントの4週試験(曲げ試験、圧縮試験)を行い、セメントの強度が理解できる
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7週 |
非破壊試験、演習2 |
シュミットハンマーによる既存RC造建物のコンクリート強度の推定することができる
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8週 |
建物の劣化調査 |
既存建物の劣化状況を調査し、原因と対処方法について考察できるようになる
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4thQ |
9週 |
細骨材試験 |
細骨材のふるい分け、単位容積質量、実積率、密度、吸水率の試験を行うことができる
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10週 |
実務者の視点を踏まえたコンクリート練混ぜに関する説明と演習 |
コンクリートの練り混ぜを行い、ワーカビリティの測定や供試体の作成を行うことができる
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11週 |
実務者の視点を踏まえた鋼材の特性の説明と鋼材試験の実施 |
鋼材(異形棒鋼、平鋼板)の引張試験を行うことができ、鋼材の性質が理解できる
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12週 |
実務者の視点を踏まえたコンクリート強度、変形の説明とコンクリート4週試験の実施 |
コンクリートの4週試験(圧縮試験、割裂試験)を行うことができ、コンクリートの性質が理解できる
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13週 |
実務者の視点を踏まえた木構造の特性の説明と木材試験の実施 |
木材の圧縮試験、曲げ試験を行うことができ、木材の性質が理解できる
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14週 |
実務者の視点を踏まえた実建物の骨組みの説明と模型実験と計算演習の実施 演習4 |
骨組2の力と変形の関係について説明することができる
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15週 |
確認試験 |
建築材料に関する試験に関する事項の説明ができる
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 建築系分野【実験・実習能力】 | 建築系【実験実習】 | 実験の目的と方法を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後4,後7,後9,後10,後11,後13,後15 |
建築に用いる構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)の物理的特性を実験により明らかにすることができる。 | 4 | 後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後15 |
実験結果を整理し、考察できる。 | 4 | 後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後15 |
実験の目的と方法を説明できる。 | 4 | 後1,後5,後8,後14,後15 |
構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)によるいずれかの構造形式(ラーメン、トラスなど)の試験体を用い、載荷実験を行い、破壊形状と変形の性状を観察することができる。 | 4 | 後5,後8,後14,後15 |
実験結果を整理し、考察できる。 | 4 | 後5,後8,後14,後15 |