力学特論

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 力学特論
科目番号 0002 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 複合工学専攻(機械工学コース) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 特定の教科書は使用しない.必要に応じてプリントなどを配布する.
担当教員 朱 勤

到達目標

 本講義では,「機械力学」で修得した知識を基礎として,機械や機械部品の動的な力学系における非線形振動の諸現象に対する理解を深め,論理的に説明する能力を養うことを目標とする.
 具体的には,
 1. ラグランジュの運動方程式を理解し,応用できる.
 2. 非線形系に特有のカオス振動について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
 現実的な課題に対して,ラグランジュの運動方程式を用いて,機械システムの運動方程式を正確に導出できる. 現実的な課題に対して,ラグランジュの運動方程式を用いて,機械システムの運動方程式を導出できる. 現実的な課題に対して,ラグランジュの運動方程式を用いて,機械システムの運動方程式を導出できない.
 ポアンカレ写像,分岐,リヤプノフ指数などの複数の方法でカオス振動を判定することができる. カオス振動を判定することができる. カオス振動を判定することができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ③ 説明 閉じる
JABEE (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 機械システムの設計と制御において,力学モデルの構築や非線形振動を理解する必要がある.本講義では,移動ロボットなどの運動方程式を求めるのに有効なラグランジュの運動方程式を学ぶ.さらに,機械システムに発生する非線形振動現象,特にカオス振動の特徴と判定方法を学ぶ.
 
授業の進め方・方法:
 予習(自己学習),講義,復習・レポート(自己学習)
 
注意点:
 隔年開講(奇数年開講)

 学習方法:
  予習 → 参考書あるいは配布されたプリントの内容に目を通しておく.
  授業 → 講義の内容を理解し,例題を解いて確認する.
  復習 → 類似の問題あるいは課題を解いてみる.

 【参考書】
  1. 「裳華房 フィジックスライブラリー 解析力学」,久保謙一,裳華房,2001.
  2. Nonlinear Dynamics and Chaos, Second Edition, J. M. T. Thompson and H. Bruce Stewart, Jhon Wiley & Sons, 2002.
  3. Chaotic Dynamics: An Introduction, Gregory L. Baker and Jerry P. Gollub, Cambridge University Press, 1996.
  4. Modeling and Simulation in Scilab/Scicos, S.L. Campbell, J. Chancelier and R. Nikoukhah, Springer, 2006.

    講義の関連情報: http://www.oyama-ct.ac.jp/M/nds.html
 講義ノートなど(学内): http://172.16.12.122/index.php

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 座標と座標変換,仮想仕事原理  仮想仕事原理を理解し,応用できる.
2週 剛体の平面運動  剛体の平面内での運動に対して,運動エネルギーとポテンシャルエネルギーを計算できる.
3週 ラグランジュの運動方程式  ラグランジュの運動方程式を理解し,応用できる.
4週 ラグランジュの運動方程式の応用(1)  ラグランジュの運動方程式の応用ができる.
5週 ラグランジュの運動方程式の応用(2)                                  同上
6週 ラグランジュの運動方程式の応用(3)                                  同上
7週 運動方程式の無次元化,Scilab・Maxima  運動方程式の線形化・無次元化ができる.Scilab・Maximaが利用できる.
8週 非線形系の自由振動  非線形方程式の数値解を求めることができる.
4thQ
9週 非線形系の強制振動,カオス振動  ダフィング方程式を理解し,カオス振動の特徴を説明できる.
10週 カオスと時系列解析  カオス時系列解析における一般的な方法を理解し,アトラクタの再構成をすることができる.
11週 カオスとフラクタル  フラクタル次元の定義が説明できる.
12週 位相図とポアンカレ写像  ポアンカレ断面の定義が説明できる.
13週 分岐  分岐現象が説明できる.
14週 リヤプノフ指数とカオスの判定  Lyapunov指数の定義を理解し,カオス振動の定量的,定性的な判定方法について説明できる.
15週 カオスの利用・まとめ  カオスの利用状況が把握できる.
16週 期末試験  学習した知識の確認ができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000