力学特論 ※

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 力学特論 ※
科目番号 0013 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 複合工学専攻(機械工学コース) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 特に指定しない.適宜,資料を配布する.
担当教員 日下田 淳

到達目標

本科で学習した機械力学の知識をベースとして,以下の項目について学習する.
 1.ラグランジュの方程式を用いたより複雑な系の運動方程式の導出
 2.多自由度系の固有振動数や固有モードベクトルの近似計算
 3.非線形力学系における振動現象

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1現実的な課題に対して,ラグランジュの方程式を用いて,機械システムの運動方程式を正確に導出できる.現実的な課題に対して,ラグランジュの方程式を用いて,機械システムの運動方程式を導出できる.現実的な課題に対して,ラグランジュの方程式を用いて,機械システムの運動方程式を導出できない.
評価項目2多自由度系の固有振動数や固有モードベクトルの導出方法を理解し,正確に導出することができる.多自由度系の固有振動数や固有モードベクトルの導出方法を理解し,導出することができる.多自由度系の固有振動数や固有モードベクトルの導出方法を理解できず,導出することができない.
評価項目3様々な非線形力学系について理解し,Excelを用いてその挙動を正しく可視化することができる.様々な非線形力学系について理解し,Excelを用いてその挙動を可視化することができる.様々な非線形力学系について理解できず,Excelを用いてその挙動を正しく可視化することができない.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
実際の機械システムの設計と制御においては,力学モデルの構築や非線形振動を理解する必要がある.
本講義では,本科5年の機械力学IIで学習したラグランジュの方程式を用いてより複雑な系の運動方程式の導出を行う.
また,多自由度系に対してレイリーの方法・ダンカレーの公式といった手法を用いて,固有振動数や固有モードベクトルの近似計算法について学ぶ.
授業後半では,機械システムに限らず発生する非線形振動現象について,Excelを用いてその挙動を可視化しながら学ぶ.
授業の進め方・方法:
授業は講義と演習を合わせて行う.
この科目は学修単位のため,事前・事後学習としてレポートの提出を求める.
授業中にエクセルを用いた演習を行うので,表計算ソフト(Microsoft Excelなど)が使えるのノートPCなどを用意してください.
(使用する際は事前に案内しますので,毎回持ってくる必要はありません)
注意点:
・本科で学習した機械力学の発展的な内容なので,これまでに学習した内容をよく復習しておくこと.
・授業内容は学生の理解度に応じて適宜変更することがある.
・隔年開講科目です(2023年度開講).

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 本科で学習した内容の確認 本科で学習した機械力学の内容を理解することができる.
2週 ラグランジュの方程式① ラグランジュの方程式を理解し,応用することができる.
3週 ラグランジュの方程式② ラグランジュの方程式を理解し,応用することができる.
4週 レイリーの方法 レイリーの方法について理解することができる.
5週 残響係数 残響係数について理解することができる.
6週 ダンカレーの公式 ダンカレーの公式について理解することができる.
7週 線形力学系と非線形力学系 線形力学系と非線形力学系について理解することができる.
8週 ロジスティック方程式 ロジスティック方程式について理解することができる.
4thQ
9週 ロトカ・ボルテラ方程式 ロトカ・ボルテラ方程式について理解することができる.
10週 生存競争の方程式 生存競争の方程式について理解することができる.
11週 単振り子の周期 単振り子の周期について理解することができる.
12週 ファンデルポール方程式 ファンデルポール方程式について理解することができる.
13週 同期と周波数引き込み 同期と周波数引き込みについて理解することができる.
14週 カオス① カオスについて理解することができる.
15週 カオス② カオスについて理解することができる.
16週 定期試験 これまでに学習した内容を理解し,問題に解答することができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。5
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。5
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。5
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。5
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。5
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。5
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。5
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。5
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。5
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。5
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。5
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。5
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。5
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。5
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。5
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。5
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。5
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。5
振動の種類および調和振動を説明できる。5
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。5
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。5
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。5
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。5

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000