材料物性特論

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 材料物性特論
科目番号 0013 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 複合工学専攻(電気電子創造工学コース) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 配布資料
担当教員 田中 昭雄,山田 靖幸

到達目標

1. 自由電子モデルに基づく状態密度等の性質を説明できる。
2. 逆格子ベクトルの波数空間について基礎概念を説明できる。
3. 格子の周期性による電子分散関係変化を説明できる。
4. 伝導電子に対するボルツマン方程式とその応用を説明できる。
5. 電気的・光学的性質等の基礎的事項を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自由電子モデルに基づく状態密度等の性質について明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる.自由電子モデルに基づく状態密度等の性質について説明でき,これに関する演習問題を解くことができる.自由電子モデルに基づく状態密度等の性質について明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない.
評価項目2逆格子ベクトルの波数空間について基礎概念について明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる.逆格子ベクトルの波数空間について基礎概念について説明でき,これに関する演習問題を解くことができる.逆格子ベクトルの波数空間について基礎概念について明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない.
評価項目3格子の周期性による電子分散関係変化について明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる.格子の周期性による電子分散関係変化について説明でき,これに関する演習問題を解くことができる.格子の周期性による電子分散関係変化について明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない.
評価項目4伝導電子に対するボルツマン方程式とその応用について明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる.伝導電子に対するボルツマン方程式とその応用について説明でき,これに関する演習問題を解くことができる.伝導電子に対するボルツマン方程式とその応用について明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない.
評価項目5電気的・光学的性質等の基礎的事項について明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる.電気的・光学的性質等の基礎的事項について説明でき,これに関する演習問題を解くことができる.電気的・光学的性質等の基礎的事項について明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ④ 説明 閉じる
JABEE (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
自由電子モデルに基づく状態密度等の性質,逆格子ベクトルの波数空間について基礎概念,格子の周期性による電子分散関係変化,伝導電子に対するボルツマン方程式とその応用や電気的・光学的性質等の基礎的事項を学ぶ.
講義はスライド資料による教授と専用プリントにより行う.
(参考書:H.Ibach,H.Luth共著・石井力・木村忠正[共訳]「固体物理学」(Springer-Verlag東京),家 康弘「物性物理」(産業図書),等)
授業の進め方・方法:
1. 授業方法は講義と演習を組み合わせて行う.
2. この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習として,レポート等を課す(テーマは適宜連絡する).
注意点:
・学年末試験後の再試験実施対象者については,試験返却時に別途申し伝える.
・学生へのメッセージ
材料物性特論について,その現象をイメージと数式による表現を用いて解説する. また,演習問題を解くことにより,各種法則の用い方を身につける.学生からの質問を大いに歓迎する.(電子メールも可)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 自由電子モデル 波数空間,波動関数を理解する
2週 自由電子のエネルギー分布 状態密度を理解する
3週 量子統計,分布関数 分布関数を理解する
4週 電子比熱 電子比熱を理解する
5週 結晶中の電子状態,逆格子 逆格子を理解する
6週 ブリルアンゾーン ブリルアンゾーンを理解する
7週 ブリルアンゾーンとフェルミ面 フェルミ面を理解する
8週 中間試験 これまでの範囲を理解する
4thQ
9週 電子の輸送現象 有効質量を理解する
10週 金属の電気伝導 ボルツマン方程式を理解する
11週 金属中の電子の散乱 金属の電気伝導を理解する
12週 光の吸収と放出,各種発光現象 発光現象を理解する
13週 太陽電池 太陽電池を理解する
14週 超伝導現象,線材応用 超伝導現象と線材応用を理解する
15週 超伝導のデバイス応用 超伝導のデバイス応用を理解する
16週 後期定期試験 これまでの範囲を理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。5
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。5
原子の構造を説明できる。5
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。5
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。5
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。5
真性半導体と不純物半導体を説明できる。5
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。5
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。5
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。5
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000