概要:
前期
機械工学の専門科目では力学や数学の知識が不可欠となる。1年次にこれらの基礎をしっかりと固めておくことが、
後の専門科目の学習において極めて重要である。前期の「力学基礎」において学習した内容をしっかりと頭に定着さ
せるとともに、三角比や文字式を用いた計算に慣れることにも重点を置く。
後期
機械工学科へ入学した新入生は、これから学ぶ機械工学の世界についてそれぞれ思いを巡らせていることだろう。し
かし、機械工学とは何か、実際にどのような知識や技術が身につくのか、そして、それらがどのような分野に役立つ
のかなど、具体的にはなかなか分かり難いのではないだろうか。前期の授業では、機械工学科の教員がそれぞれの専
門分野について、分かりやすい具体的な事例を示しながら、機械工学への導入教育を行うことを目的としている。各
テーマの授業を通して、機械工学の概要を正しく理解し、機械工学を学ぶ中でどのような楽しさや充実感があるのか
を知っていただきたい。また、機械工学に対する素朴な疑問や好奇心を大切にしていただき、教員に対して積極的に
質問をしていただきたい。なお、授業は以下に示すようにオムニバス形式となっているが、時間割等の都合によって
各テーマの順番や回数を変更することがある。
授業の進め方・方法:
座学
注意点:
【事前に行う準備学習】各回のテーマに関係のある「力学基礎」の範囲を各自で学習しておくこと。
後期は各分野の教員が数回ずつ担当するため、休んだ場合は資料などをもらいに行くこと。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス,メカトロニクス基礎 |
工作実習で使用するレゴマインドストームのプログラミングを基に,検出・判断・操作の分類ができる
|
2週 |
メカトロニクス基礎 |
工作実習で使用するレゴマインドストームのプログラミングを基に,フローチャートを作成できる
|
3週 |
等速直線運動、速度の合成・分解 |
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。 平行四辺形の法則を理解し、速度の合成・分解ができる。
|
4週 |
相対速度 |
相対速度の意味を理解し、図形を用いた解法で問題を解くことができる。
|
5週 |
加速度 |
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。
|
6週 |
等加速度運動、落体の運動(1) |
自由落下・鉛直投射について計算できる。
|
7週 |
等加速度運動、落体の運動(2)、三角比 |
水平投射・斜方投射について計算できる。 三角比を理解し、斜方投射について計算できる。
|
8週 |
中間試験 |
|
2ndQ |
9週 |
力のつりあい |
力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、一点に作用する力の合成・分解を図で表現でき、合力や分力を計算できる。一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。
|
10週 |
ニュートンの運動の法則(1) |
運動の法則を用いて、力の合成・分解を必要としない簡単な問題を解くことができる。
|
11週 |
ニュートンの運動の法則(2) |
運動の法則を用いて、力の合成・分解を必要とする問題を解くことができる。
|
12週 |
摩擦を受ける運動 |
摩擦力のはたらく物体について、力のつりあいや運動に関する問題を扱うことができる。
|
13週 |
剛体にはたらく力のつりあい(1) |
力のモーメントを計算できる。
|
14週 |
剛体にはたらく力のつりあい(2) |
剛体における力のつりあい条件を理解し、簡単な問題を解くことができる。
|
15週 |
テスト返却 |
|
16週 |
|
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
流体① |
流体力学が必要とされる例を説明できる。
|
2週 |
流体② |
静止流体中の圧力や浮力について説明できる。
|
3週 |
機械加工 |
機械加工の基礎について説明できる。
|
4週 |
工作法 |
代表的な工作方法について説明できる。
|
5週 |
計測 |
光を用いた長さ計測について説明できる。
|
6週 |
宇宙開発 |
宇宙開発の取り組みを理解できる。
|
7週 |
ロケット |
ロケットの特徴を理解できる。
|
8週 |
中間試験 |
|
4thQ |
9週 |
テスト返却,安全教育 |
危険予知訓練(KYT)について説明できる。
|
10週 |
バネ① |
様々なバネについて説明できる。
|
11週 |
バネ② |
実際のバネの振動について説明できる。
|
12週 |
NC加工 |
NC加工の基礎について説明ができる。
|
13週 |
身近な金属材料 |
身近な金属材料を通して,強さについて説明できる。
|
14週 |
材料と設計 |
材料強度と設計の関係について説明できる。
|
15週 |
まとめ,テスト返却 |
|
16週 |
|
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。 | 3 | 前7 |
一般角の三角関数の値を求めることができる。 | 3 | |
角を弧度法で表現することができる。 | 3 | |
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | |
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。 | 3 | |
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。 | 3 | 前9 |
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。 | 3 | 前9 |
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。 | 3 | 前9 |
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。 | 4 | 前1 |
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。 | 4 | 前4 |
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。 | 3 | 前1 |
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。 | 3 | 前10,前11 |
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。 | 3 | 前10 |
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。 | 3 | |
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。 | 3 | |
仕事の意味を理解し、計算できる。 | 3 | |
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。 | 3 | |
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。 | 3 | |