到達目標
ものづくりの基本となる機械加工、溶接、仕上げなど、機械製作に必要な基礎と方法ならびにメカトロニクスの基礎知識を習得することを目的とする。
□ 実験・実習の心得
・レポートの作成の仕方を理解し、実戦できる。
・ 工作実習における安全確保の重要性を理解し、作業時の注意すべき点について説明できる。
□エンジン分解・組立
・エンジンの基本的な構造を理解し,分解・組立ができる。
□旋盤
・旋盤により丸棒を削ることができる。
□仕上げ
・仕上げ加工(ケガキ作業、やすり仕上げ、穴あけ、皿もみ、座ぐり、刻印など)することができる。
□フライス盤
・機械部品を平面加工(立フライス、横フライス)することができる。
□メカトロ加工・計測
・ライントレーサロボット(レゴマインドストーム)の走行プログラムを理解し作成することができる。
・ひずみゲージによってひずみを測定できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
原動機付自転車のエンジンを分解・組立できる。 | 原動機付自転車のエンジンの構造を理解してを分解・組立の方法を実施及び説明できる。 | 原動機付自転車のエンジンの構造を分解・組立できる。 | エンジンを分解・組立できない。 |
旋盤を使うことができる。 | 旋盤の使い方を理解し、丸棒を加工することができる。 | 旋盤で丸棒を加工できる。 | 旋盤を使うことができない。 |
仕上げ加工ができる。 | ケガキ作業、やすり仕上げ、穴あけ、皿もみ、座ぐり、刻印などの仕上げ加工を理解し、十分な加工ができる。 | ケガキ作業、やすり仕上げ、穴あけ、皿もみ、座ぐり、刻印などの仕上げ加工ができる。 | 仕上げ加工ができない。 |
機械部品を平面加工できる。 | 立フライスと横フライの構造を理解し、機械部品を平面加工できる。 | 立フライスと横フライスを用いて機械部品を平面加工できる。 | 機械部品を平面加工できない。 |
ライントレーサロボットの走行プログラムを作成できる。 | ライントレーサロボットの走行プログラムを理解し、作成することができる。 | ライントレーサロボットをプログラムで走行させることができる。 | ライントレーサロボットをプログラムで走行させることができない。 |
ひずみゲージを使用できる。 | ひずみゲージの原理を理解し、ひずみを測定できる。 | ひずみゲージによってひずみを測定できる。 | ひずみゲージによってひずみを測定できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
初回にガイダンスと安全教育を行う。実習では工作機械(旋盤、立フライス盤、横フライス盤)を用いて、より複雑な形状の機械部品の加工ができるようにする。さらに、エンジンの分解・組立、メカトロ加工・計測について実習する。
授業の進め方・方法:
1年間で5テーマを実習する。クラスを5班に分け、各班は1テーマ毎に5週間ずつ実習を行う。すべての学生が実際に機械に触れ、実習を体得できるように少人数のグループに編成してある。5テーマの内容と目的を以下に示す。
(1)エンジン分解組立
機械を構成する要素部品がどのような形をし、どのような順番で、どのように組み付けてあるかをエンジンの分解・組立を通じて学ぶ。
(2)旋盤
旋盤により丸棒を削る。(手送り、または、自動送りによる)丸棒の外形の切削練習。引張り試験棒の製作.端面の切削,センタドリルによる穴あけ,中央部切り欠き,面取り.
(3) 仕上げ加工
仕上げ加工の基本を学ぶ.工作物に加工位置を記入するケガキ作業,やすりによる仕上げ,穴あけ,ねじ立て,皿もみ,座ぐり,弓のこによる切断,刻印,寸法測定.
(4) フライス盤
機械部品の平面を加工する.立フライス盤による文鎮の製作,立フライス盤と横フライス盤による嵌め合いブロックの製作などに2 人ずつ4 組で取り組む.
(5) メカトロ加工・計測
メカトロニクスの基礎知識や技術を養うため,ひずみゲージによるひずみ測定を学習する.また,ライントレーサーロボットの走行プログラムを作成し制御方法について学ぶ.
注意点:
・実習担当者の説明や注意をよく聞くこと。
・長いシャツはズボンの中に入れ、長い髪はたばね、指輪、ピアス、イヤリング等は外すこと。
・安全確保のために工場内では「実習作業服、保護メガネ、安全靴の着用」、「ふざけない」、「走らない」を厳守すること。
・レポートは各テーマの実習終了後、1週間の提出期限までに提出すること。
・期限内にレポートを提出できない場合、評点は0点もしくは、大きく減点されるので注意すること。
・機械や装置は正しく使用しないと大変危険なため、常に気を引き締めて真剣に行動すること。
・実習ノートやメモ帳を準備して必要事項を書き留めること。
・レポートはガイダンスおよび各テーマの担当者の指示に従った体裁とし、すべて手書きとする。(ワープロ禁止)
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
実習ガイダンス・安全教育 |
実習ガイダンス班分け,日程と実習内容の説明,実習の心構え,レポートの書き方について. ノギスとマイクロメータの使用方法. 安全教育
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2週 |
エンジンの分解・組立(1) |
ガソリンエンジンの構造と動作原理,およびエンジンの分解・組立てに使う工具,特殊器具について理解する. 車載状態におけるエンジン部分のスケッチができる. エンジンの車体からの取り外し,エンジンスタンドへの設置ができる.
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3週 |
エンジンの分解・組立(2) |
4ストロークエンジンの吸排気機構を理解する. シリンダーヘッドの取り外しを適切に行うことができる. 吸排気バルブ,バルブスプリング,カムを取り外し,各部寸法が使用限度内にあるか確認できる.
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4週 |
エンジンの分解・組立(3) |
ピストン,シリンダーの取り外しができる. マイクロメーター,内径マイクロメーター,隙間ゲージを使って,ピントンおよびピストンリング,シリンダーが使用限度内にあるか計測することができる. ピストン,シリンダーを取り付け,バルブタイミングが適切となるようシリンダーヘッドを組み付けることができる.
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5週 |
エンジンの分解・組立(4) |
自動遠心クラッチの仕組みを理解する. クラッチAssyをエンジン本体から取り外すことができる. クラッチディスク,クラッチプレートの厚みを計測し,使用限度内にあるか確認できる.
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6週 |
エンジンの分解・組立(5) |
タペット隙間を調整することができる. エンジンを車両に搭載することができる. エンジンを車載した状態で始動させることができる.
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7週 |
旋盤(1) |
作業上の注意.旋盤各部の名称・操作説明.ノギスの使用方法,工具の説明.手送りによる端面切削の練習.
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8週 |
旋盤(2) |
手送りによる端面切削ができる. 手送り,または,自動送りによる外径切削練習.
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2ndQ |
9週 |
旋盤(3) |
引張り試験棒を製作できる. 端面切削による長さ寸法を決めることができる.
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10週 |
旋盤(4) |
引張り試験棒の製作. センタドリルによる穴あけと外径切削を実施することができる.
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11週 |
旋盤(5) |
引張り試験棒の製作. 中央部切り欠きと面取りができる.
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12週 |
仕上げ(1) |
弓のこ使用方法.
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13週 |
仕上げ(2) |
仕上げ作業の説明.正八角形のケガキができる. やすりの掛けができる.
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14週 |
仕上げ(3) |
正八角形の製作.
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15週 |
仕上げ(4) |
穴あけ,ねじ切りのケガキ.ボール盤の説明. 穴あけ,皿もみができる.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
仕上げ(5) |
ボール盤による穴あけと座ぐり. 手作業によるタップ立てができる.
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2週 |
仕上げ(6) |
ボール盤によるタップ立て,刻印,ノギスによる寸法レポート測定(外側と穴間)ができる.
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3週 |
フライス盤(1) |
立フライス盤と横フライス盤の操作説明. 測定具(ノギスとデプスゲージ)の使用方法の説明.
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4週 |
フライス盤(2) |
立フライス盤による文鎮(SS400) の製作ができる. 正面削りと傾斜面の切削ができる.
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5週 |
フライス盤(3) |
立フライス盤による嵌め合いブロックの製作ができる. 六面体削り(正面フライス)ができる.
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6週 |
フライス盤(4) |
横フライス盤と立フライス盤による嵌め合いブロックの製作ができる.
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7週 |
フライス盤(5) |
溝加工(メタルソー)とV溝加工(エンドミル)ができる.
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8週 |
メカトロ加工・計測(1) |
ひずみゲージ貼り付け用試験片の製作ができる.
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4thQ |
9週 |
メカトロ加工・計測(2) |
ひずみゲージを用いた応力ひずみ計測ができる.
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10週 |
メカトロ加工・計測(3) |
ライントレーサーロボットの組立ができる.
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11週 |
メカトロ加工・計測(4) |
ライントレーサーロボットのプログラムを作成できる.
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12週 |
メカトロ加工・計測(5) |
ロボットアームのプログラムを作成できる.
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13週 |
メカトロ加工・計測(6) |
ロボットアームのプログラムをチューニングできる.
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14週 |
提出したレポートについてのガイダンス |
これまで提出したレポートの講評. レポートの書き方や諸注意.
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15週 |
まとめ |
実習感想およびまとめを作成できる.
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | |
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 技術習熟度 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 60 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 40 | 40 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 60 | 0 | 60 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |