電子メディア工学基礎演習

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電子メディア工学基礎演習
科目番号 2E007 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子メディア工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 (1)「技術者倫理-技術者として幸福を得るために考えておくべきこと-」堀田 源治, 辻井 洋行, 水井 万里子著(日刊工業新聞社)978-4526076114, (2)「システム英単語」霜 康司, 刀祢 雅彦 著(駿台文庫; 5訂版) 978-4796111379, (3)「知ってますか?理系研究の”常識”」掛谷英紀 著(森北出版株式会社)978-4627973619
担当教員 五十嵐 睦夫,市村 和也

到達目標

□理工系の現場で必要となる英語の初歩的なレベルに到達できる。
□電磁気学演習Ⅰへの準備として2年次の物理における電磁気分野の復習ができる。

□説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。
□現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。
□技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。
□社会における技術者の役割と責任を説明できる。
□情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。
□高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。
□環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。
□環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。
□国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。
□過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。
□知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。
□知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。
□技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。
□技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。
□全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。
□技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。
□科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。
□科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。

□それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。
□様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。
□異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。
□それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。
□日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。
□他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。
□他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。
□日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。
□円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。
□円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。
□他者の意見を聞き合意形成することができる。
□合意形成のために会話を成立させることができる。
□グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。
□書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。
□収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。
□収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。
□情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。
□情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。
□目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。
□あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる
□複数の情報を整理・構造化できる。
□特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。
□課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。
□グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。
□どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。
□適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。
□事実をもとに論理や考察を展開できる。
□結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。
□周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。
□自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。
□目標の実現に向けて計画ができる。
□目標の実現に向けて自らを律して行動できる。
□日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。
□社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。
□チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。
□チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。
□当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。
□チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。
□リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。
□適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。
□リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている
□法令やルールを遵守した行動をとれる。
□他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。
□技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。
□その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。
□キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。
□企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。
□企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。
□企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。
□企業には社会的責任があることを認識している。
□企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。
□企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。
□社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。
□技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。
□技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1技術者倫理を深く理解し、技術者としての職責に耐えることができる。最低限の技術者倫理を理解しており、技術者としての職責を果たす素地を備えている。最低限の技術者倫理も理解できず、技術者としての職責を果たすことができない。
評価項目2セミナー形式での議論に積極的に参加することができる。セミナー形式の議論に,促されれば参加することができる。セミナー形式の議論に加わることができない。
評価項目3技術的な英語で書かれた文書の内容を正確に理解することができる。技術的な英語で書かれた文書の内容をある程度理解することができる。技術的な英語で書かれた文書の内容を理解することができない。
評価項目4電子メディア工学の学習の基礎としての高校程度の電磁気学の基礎問題に対し、十分に詳細な答案を書くことができる。電子メディア工学の学習の基礎としての高校程度の電磁気学の基礎問題をある程度解くことができる。電子メディア工学の学習の基礎としての高校程度の電磁気学の基礎問題を解くことができない。
評価項目5英語で仕事ができる高専生としての目標に関し、ある程度の英単語は十分に再現することができる。英語で仕事ができる高専生としての目標に関し、ある程度の英単語なら再現することができる。英語で仕事ができる高専生としての目標に関し、ある程度の英単語も再現することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・技術者倫理に関係して習得することが定められている事項について、グループ学習をおこなう。
・学習は以下の3段階を輪番でこなすことにより進める。総合的な学力を高めつつ対人能力の向上も目指す。

  (1)発表原案作成
  (2)討論による原稿作成
  (3)発表

・普段より英単語の暗唱に努め、小テストにて達成度を確認する。
授業の進め方・方法:
・技術者倫理関係の学習においては、全体を10グループ程度に分けて進める。
・英単語学習に関しては授業時間冒頭に小テストをおこない、達成度を確認する。高専機構が掲げる「英語で仕事ができる高専生」に準拠した取り組みの一環である。
・小テストは2年次の物理における電磁気分野の復習に対してもおこなう。電子メディア工学を学修するための基礎力を高めるための内容であるので、重要な位置づけのものである。
注意点:
・自らの役割を深く意識し、相応の対応をすることが求められる。
・相互評価も課題のひとつである。発表現場に居合わせて対応することも評価対象であるから、欠席をしないこと。
・各種試験が著しく低い達成度であった場合には補習指導課題および試験を課す場合がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス ・授業の進め方に関する説明を理解し、グループ分け等を把握できる。
2週 【主題1議論】技術者倫理の基本と実践

【小テスト1】
・説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。
・現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。
・技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。
・社会における技術者の役割と責任を説明できる。
・工学基礎としての基本的英単語を暗誦できる。
3週 【主題2議論】情報倫理

【小テスト2】
・情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。
・高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。
・工学基礎としての基本的英単語を暗誦できる。
4週 【主題1・2発表】主題1および2のグループ発表 ・各人の役回りを的確に意識しながら、グループ発表をこなすことができる。
・他者の発表を真摯に聴講し、相互評価をおこなうことができる。
5週 【主題3議論】環境倫理

【小テスト3】
・環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。
・工学基礎としての基本的英単語を暗誦できる。
6週 【主題4議論】国際貢献・地域貢献

【小テスト4】
・国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。
・過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。
・工学基礎としての基本的英単語を暗誦できる。
7週 【主題3・4発表】主題3および4のグループ発表 ・各人の役回りを的確に意識しながら、グループ発表をこなすことができる。
・他者の発表を真摯に聴講し、相互評価をおこなうことができる。
8週 中間試験 ・英単語トレーニング試験に解答できる。
・評価シートへの記入および提出ができる。
4thQ
9週 【主題5議論】知的財産

【小テスト5】
・知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。
・知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。
・工学基礎としての基本的英単語を暗誦できる。
10週 【主題6議論】法令順守

【小テスト6】
・技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。
・技術者を目指す者として、諸外国の文化や慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握できる。
・工学基礎としての基本的英単語を暗誦できる。
11週 【主題5・6発表】主題5および6のグループ発表 ・各人の役回りを的確に意識しながら、グループ発表をこなすことができる。
・他者の発表を真摯に聴講し、相互評価をおこなうことができる。
12週 【主題7議論】技術史の基本と実践

【小テスト7】
・科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。
・科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。
13週 【主題8議論】持続可能性

【小テスト8】
・全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。
・技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している 。
14週 【主題7発表】主題7のグループ発表

【報告書準備】
・各人の役回りを的確に意識しながら、グループ発表をこなすことができる。
・他者の発表を真摯に聴講し、相互評価をおこなうことができる。
・自らが深くかかわった主題についての報告書原稿を準備できる。
15週 定期試験 ・単語確認を中心としたテストに解答できる。
・評価シートの記入および提出ができる。
16週 【主題8発表】主題8のグループ発表

【報告書完成】
・各人の役回りを的確に意識しながら、グループ発表をこなすことができる。
・他者の発表を真摯に聴講し、相互評価をおこなうことができる。
・自らが深くかかわった主題についての報告書を完成できる。

評価割合

取り組みポートフォリオ相互評価小テスト試験合計
総合評価割合3020102020100
科目成績3020102020100