電磁気学演習Ⅰ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電磁気学演習Ⅰ
科目番号 3E017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子メディア工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 教科書:物理学基礎 第5版 原康夫著 学術図書出版社 978-4-7806-0950-9
担当教員 五十嵐 睦夫

到達目標

□ スカラーとベクトルの違いを理解し、力や電場をベクトルとして扱うことができる。
□ クーロンの法則を理解し、4個程度の電荷がある場合の合成電場を計算することができる。
□ 静電場の意味を理解し、複数の点電荷がある場合について各電荷による電場を計算して合成することができる。
□ 積分形のガウスの法則を理解し、対称性がある条件下での電場をガウスの法則に基づいて求めることができる。
□ 静電ポテンシャルおよびポテンシャルの原点の意味を理解できる。
□ 電場が与えられたとき、静電ポテンシャルを計算することができる。
□ 静電ポテンシャルが与えられたとき、電場を計算することができる。
□ 静電エネルギーの意味を理解し、複数の電荷がある場合の系全体の静電エネルギーを計算できる。
□ 具体的なコンデンサの静電容量の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準より少し上位の到達レベルの目安標準の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1クーロンの法則を理解し, 4個程度の電荷がある場合の力の合成ができる.また,静電場の意味を理解し, 複数の点電荷がある場合に、各電荷による電場を計算し, 合成することができる.クーロンの法則を理解し, 2個の電荷がある場合の力の合成ができる.また,静電場の意味を理解し, 2個の点電荷がある場合に、各電荷による電場を計算し, 合成することができる.クーロンの法則を理解し, 2個の電荷がある場合の力の合成ができるようにするための努力をすることができる.また,静電場の意味を理解し, 2個の点電荷がある場合に、各電荷による電場を計算し, 合成することができるようにするための努力をすることができる.2個の電荷がある場合の力の合成ができるようにするための努力をすることができない.また, 2個の点電荷がある場合に、各電荷による電場を計算し, 合成することができるようにするための努力をすることができない.
評価項目2積分形のガウスの法則を理解し, 対称性がある条件下で, (i)点電荷, (ii)殻, (iii)電荷が分布している場合に ついて, ガウスの法則から電場を求めることができる.積分形のガウスの法則を理解し, 対称性がある条件下で, (i)点電荷, (ii)殻に ついて, ガウスの法則から電場を求めることができる.積分形のガウスの法則を理解し, 対称性がある条件下で, (i)点電荷, (ii)殻に ついて, ガウスの法則から電場を求めることができるようにするための努力をすることができる.対称性がある条件下で, ガウスの法則から電場を求めることができるようにするための努力をすることができない.
評価項目3静電ポテンシャルおよびポテンシャルの原点について理解し, 与えられた電場から静電ポテンシャルを計算することができる. また, 与えられた静電ポテンシャルから電場を計算することができる.静電ポテンシャルおよびポテンシャルの原点について理解し, 与えられた電場から静電ポテンシャルを計算することができる. 静電ポテンシャルおよびポテンシャルの原点について理解し, 与えられた電場から静電ポテンシャルを計算することができるようにするための努力をすることができる. 与えられた電場から静電ポテンシャルを計算することができるようにするための努力をすることができない. また, 与えられた静電ポテンシャルから電場を計算することができるようにするための努力をすることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電磁気学が対象とするものは力学などと違い、 目に見えないことが多い。多くの人にとっては一見難解に感じられるが、まず問題を解くところから入るのも一つの方法である。また、今まで習ってきた力学との対応関係で理解すると、分かりやすくなることもある。この演習では、電磁気学の典型的な問題を解くことで電磁気学の諸現象についての理解を深めることを目的とする。
授業の進め方・方法:
・電磁気学Ⅰで学習した内容の理解を深めるため、ベクトル、クーロンの法則、静電場、ガウスの法則、静電ポテンシャル、静電エネルギー、静電容量などのテーマについて、それぞれ典型的な問題を解いてもらう。
・自主的な学習を基本とし、理解度は大テストにて確認していく。
・課題への取り組みを通して理解度の向上を図り、取り組み姿勢に重点を置いた評価をおこなう。
注意点:
・ベクトル, 偏微分, 重積分の知識が必要となる。
・何にも増して自己学習が必須である。

・成績評点における基本評価の算出比率は以下の通りとする。大テストに対して真摯な対応をすることが重要である。

  基本課題20%
  大テスト40%
  前期中間試験20%
  前期定期試験10%
  後期中間試験5%
  後期定期試験5%

・基本評価で不合格の場合は追加評価を行う。その際には追加課題も課し、下記の算出比率を適用する。ただし、追加評価による評点の上限は69点とする。

  課題(基本・追加)30%
  大テスト30%
  前期中間試験5%
  前期定期試験10%
  後期中間試験20%
  後期定期試験5%

・追加評価でも不合格の場合には最終評価を行う。その際にはさらに最終課題を課し、下記の算出比率を適用する。ただし、最終評価による評点の上限は60点とする。

  課題(基本・追加・最終)40%
  大テスト20%
  前期中間試験5%
  前期定期試験5%
  後期中間試験10%
  後期定期試験20%

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週 ベクトル ・ベクトルの簡単な計算ができる。
・ベクトルの内積や外積が計算できる。
2週 クーロンの法則 ・電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。
・3個以上点電荷があるときの力の合成ができる。
3週 電荷と静電場(1) ・点電荷が作る静電場について説明できる。
・複数点電荷があるときの電場の合成ができる。
4週 電荷と静電場(2) ・電荷分布が与えられたときの静電場が計算できる。
5週 ガウスの法則(1) ・電気力線と電場の関係を説明できる。
・ガウスの法則を用い、平板上の電荷による電場を計算できる。
6週 ガウスの法則(2) ・ガウスの法則を用い、同心球殻上の電荷による電場を計算できる。
・ガウスの法則を用い、円柱内に分布した電荷による電場を計算できる。
7週 ガウスの法則(3) ・ガウスの法則を用い、球内に分布した電荷による電場を計算できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 静電ポテンシャル(1) ・電場が与えられたときの静電ポテンシャルを計算できる。
・同心球殻上の電荷による静電ポテンシャルを計算できる。
10週 静電ポテンシャル(2) ・円柱内に分布した電荷による静電ポテンシャルを計算できる。
・静電ポテンシャルが与えられたときの電場を計算できる。
11週 静電ポテンシャル(3) ・直線状の電荷による静電ポテンシャルを計算できる。
・円輪、円盤上の電荷による静電ポテンシャル、電場を計算できる。
12週 静電エネルギー(1) ・点電荷系の静電エネルギーを計算できる。
・平行平板電極間の静電エネルギーを計算できる。
13週 静電エネルギー(2) ・導体球の静電エネルギーを計算できる。
14週 コンデンサの静電容量(1) ・コンデンサの静電容量を計算できる。
・直並列接続されたコンデンサの合成容量を計算できる。
15週 期末試験
16週 コンデンサの静電容量(2) ・コンデンサの静電エネルギーを計算できる。

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力601070
専門的能力201030