応用解析基礎

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用解析基礎
科目番号 4E008 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子メディア工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 教科書:「新応用数学(佐藤、高遠、西垣、濱口、前田、向山 著)大日本図書」、問題集:「新応用数学問題集(嶋野、高遠、西垣、橋本、濱口 著)大日本図書」
担当教員 五十嵐 睦夫

到達目標

 □ 簡単な関数のラプラス変換が定義に基づいて計算できる。
 □ ラプラス変換の基本性質を利用し、やや複雑な関数のラプラス変換が計算できる。
 □ ラプラス変換の表を利用し、特定の関数の逆ラプラス変換を求めることができる。
 □ ラプラス変換を利用し、簡単な線形微分方程式を解くことができる。
 □ たたみこみを利用したラプラス変換の簡単な問題を解くことができる。
 □ 基本的な周期関数のフーリエ級数を求めることができる。
 □ フーリエの収束定理を利用した無限級数の和を計算する手法を理解できる。
 □ 簡単な関数のフーリエ変換を求めることができる。
 □ フーリエの積分定理を利用し、定積分を計算する手法が理解できる。
 □ たたみこみを利用したフーリエ変換の簡単な問題を解くことができる。
 □ フーリエ級数またはフーリエ変換を用いた熱伝導方程式の解法の概要が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的よりも少し上位な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1簡単な関数のラプラス変換および逆ラプラス変換が確実に計算できる。 簡単な関数のラプラス変換および逆ラプラス変換が計算できる。 簡単な関数のラプラス変換および逆ラプラス変換が計算ようにするための努力をすることができる。簡単な関数のラプラス変換および逆ラプラス変換が計算できるようにするための努力をすることができない。
評価項目2ラプラス変換を利用して、基本的な線形微分方程式を確実に解くことができる。ラプラス変換を利用して、基本的な線形微分方程式を解くことができる。ラプラス変換を利用して、基本的な線形微分方程式を解くことがようにするための努力をすることができる。ラプラス変換を利用して、基本的な線形微分方程式を解くことができるようにするための努力をすることができない。
評価項目3基本的な周期関数のフーリエ級数が計算でき、フーリエの収束定理を確実に応用ができる。基本的な周期関数のフーリエ級数が計算でき、フーリエの収束定理の簡単な応用ができる。基本的な周期関数のフーリエ級数が計算でき、フーリエの収束定理の簡単な応用がようにするための努力をすることができる。基本的な周期関数のフーリエ級数の計算やフーリエの収束定理の簡単な応用をできるようにするための努力をすることができない。
評価項目4基本的な関数のフーリエ変換が確実に計算でき、フーリエの積分定理を確実に応用ができる。 基本的な関数のフーリエ変換が計算でき、フーリエの積分定理の簡単な応用ができる。 基本的な関数のフーリエ変換が計算でき、フーリエの積分定理の簡単な応用がようにするための努力をすることができる。基本的な関数のフーリエ変換が計算やフーリエの積分定理の簡単な応用をできるようにするための努力をすることができない。
評価項目5 フーリエ級数、フーリエ変換を利用した熱伝導方程式の解法を確実に適用することができる。 フーリエ級数、フーリエ変換を利用した熱伝導方程式の解法が理解できる。 フーリエ級数、フーリエ変換を利用した熱伝導方程式の解法が理解ようにするための努力をすることができる。 フーリエ級数、フーリエ変換を利用した熱伝導方程式の解法が理解できるようにするための努力をすることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・本科目は学修単位科目であり、予習および復習といった自学自習が基本となる。
・課題を期限通りに提出することが極めて重要である。
・応用物理演習Ⅱと連動した授業態勢となる。別途連絡する予定に従い、的確に対応することが欠かせない。

○ラプラス変換
 指数関数、広義積分を復習し、ラプラス変換の定義及びそのいろいろな性質を学ぶ。これを微分方程式、伝達関数等に応用する。
○フーリエ級数
 三角関数の基礎知識とその積分や周期関数について復習し、フーリエ級数を定義する。次に関数の対称性との関連、無限級数の値を求めることなどへ発展させる。フーリエ級数の計算に習熟させることに主眼を置くが、フーリエ級数の意味を良く理解することを目指す。
○フーリエ変換
 フーリエ級数の(周期の)極限として、積分変換を学習する。反転公式から積分の値を求めることや、フーリエ変換の性質を学ぶ。
○偏微分方程式の境界値問題
 波動方程式・熱伝導方程式・ラプラス方程式の導出と、これらの方程式の解法として変数分離法やフーリエ級数・フーリエ変換の応用を学ぶ。
授業の進め方・方法:
・前期中にはひとまず教科書の全範囲をひととおり終わらせる。その後は傍用問題集を最初から解くことにより学力の定着を図る。
・アクティブラーニング形式で実施し、授業素材の定着を図る。
・クラスメートとの学びあいを実践することを奨励する。
注意点:
・微積分の基礎をしっかり復習しておくこと。
・分らなくなったら、3年までに学んだ数学の教科書をもう一度読み返すこと。
・課題をこなすことが授業の中核を占める。
・何にも増して自己学習が必須である。
・成績比率は以下のとおりとする。小テストに対して真摯な対応をすることが単位取得の要である。

  課題および小テスト60%
  中間試験20%
  定期試験20%

・中間試験および定期試験の双方のみによる成績と上記の方法による成績のうちの高い方を科目成績として採用する。
・上記による成績では合格点に満たない場合、追加課題が課される。それへの取り組みが単位取得の条件となる。
・中間試験および定期試験に対しては再評価試験を実施する場合がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ラプラス変換の定義と例
2週 基本的性質
3週 基本的なラプラス変換(1)
4週 基本的なラプラス変換(2)
5週 基本的なラプラス変換(3)
6週 ラプラス変換とたたみこみ
7週 逆ラプラス変換(1)
8週 中間試験
2ndQ
9週 逆ラプラス変換(2)
10週 常微分方程式への応用(1)
11週 常微分方程式への応用(2)
12週 周期関数のラプラス変換(1)
13週 周期関数のラプラス変換(2)
14週 デルタ関数と系の伝達関数
15週 期末試験
16週 答案返却
演習
後期
3rdQ
1週 周期2πの関数のフーリエ級数(1)
2週 周期2πの関数のフーリエ級数(2)
3週 一般の周期関数のフーリエ級数
4週 フーリエ級数の収束(1)
5週 フーリエ級数の収束(2)
6週 複素形フーリエ級数(1)
7週 複素形フーリエ級数(2)
8週 中間試験
4thQ
9週 フーリエ変換とフーリエ積分定理(1)
10週 フーリエ変換とフーリエ積分定理(2)
11週 フーリエ変換の性質と公式
12週 いろいろな応用
13週 波動方程式
熱伝導方程式
ラプラス方程式
14週 フーリエ変換の偏微分方程式への応用
15週 期末試験
16週 答案返却
演習

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合500100400100
基礎的能力2005030055
専門的能力2005010035
分野横断的能力100000010