電子材料基礎Ⅰ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電子材料基礎Ⅰ
科目番号 5E010 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子メディア工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 工科系のための現代物理学/原康夫・岡崎誠共著 (裳華房, ISBN 4-7853-2225-X)
担当教員 塚原 規志

到達目標

□量子論的な考え方を理解できる。
□電子の運動がどのように記述されるか、理解できる。
□不確定性原理を理解できる。
□シュレディンガー方程式を記述できる。
□多電子を持つ原子の基礎的性質を理解できる。
□固体、特に金属・半導体の電子状態を理解できる。
□電子材料の物理的性質がどのよう発現するか概略を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1不確定性原理、およびシュレディンガー方程式を十分理解し、説明できる。不確定性原理、およびシュレディンガー方程式を理解し、説明できる。不確定性原理、およびシュレディンガー方程式を理解していない。
評価項目2水素原子内電子のシュレディンガー方程式と解をよく理解し、十分説明できる。水素原子内電子のシュレディンガー方程式と解を理解し、説明できる。水素原子内電子のシュレディンガー方程式と解を理解できず説明できない。
評価項目3固体(金属、半導体、絶縁体)の電子状態をよく理解できる固体(金属、半導体、絶縁体)の電子状態を理解できる固体(金属、半導体、絶縁体)の電子状態が理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目は学修単位科目であり、授業時間中は言うに及ばず授業時間外においても学生の自学自習が必須である。単位取得のためには、課題を期日にはしっかり確実に提出し、予習および復習も怠らないようにしなければならない。また本講義は, 「工科系のための現代物理学, 原康夫・岡崎誠著(裳華房)」に沿って進めるが、教科書指定はしないため、各自必要と感じた場合購入するか図書館にて借りるなどの対応をすること。
授業の進め方・方法:
以下のように授業・学習を進める。
(a)量子力学特有の概念を把握できるように学習する。
(b)原子内電子の振る舞いを理解できるよう学習する。
(c)結晶内電子(多電子系)の取り扱い方について概略を把握する。
(d)金属・半導体などについて、その物性を定性的に理解する。

【成績内訳】
中間試験40%・期末試験40%・レポート(小テストを含む)20%
注意点:
量子力学は初学者には難しい概念を含むが、理工系技術の基盤をなす必須の概念である。力学および電磁気学、そして波動の理解を総動員して概念の把握に努めてほしい。本科目は学修単位なので、授業時間30時間に加えて、自学自習時間60時間が授業の前後に必要となります。具体的な学修内容は、電子の二重性、井戸型ポテンシャル、原子中の電子配置、エネルギーバンド形成のメカニズム、金属と絶縁体、半導体の分類で、具体的な内容は授業中に指示をします。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション, 量子力学の誕生 電子材料内部に於ける電子の運動と量子力学の学習内容を理解できる
-------
プランクの量子仮説とアインシュタインの光量子論を理解できる
2週 前期量子論 物質波と古典的粒子との関係について理解できる
3週 量子力学の基礎 波動関数の物理的意味を理解し、井戸型ポテンシャル中の電子の振る舞いを説明できる
4週 調和振動子 調和振動の量子力学的な取扱い、および振動量子を理解できる。
5週 トンネル効果 ポテンシャル障壁での粒子の反射、透過、および量子トンネル効果を理解できる
6週 水素原子 水素原子中の電子の波動関数およびエネルギーを導ける
7週 原子、電子の磁気モーメント 原子中電子の軌道磁気モーメントと電子自身のスピン磁気モーメントを理解できる
8週 中間試験
2ndQ
9週 原子中の電子配置 一般の原子内電子について、電子配置について理解できる
10週 分子 原子の結合メカニズムを理解し、分子の性質を説明できる
11週 結晶における結合 様々な結晶の構造や結合メカニズム、物性との関係を理解できる
12週 固体のバンド構造 固体中の電子に対し、エネルギーバンドの形成メカニズムを理解できる
13週 金属と絶縁体 金属・絶縁体の分類をエネルギーバンドから分類し、金属の電気伝導を電子の運動として説明できる
14週 半導体の電気伝導および半導体接合 真性・不純物半導体の電気伝導をエネルギーバンドから理解でき、ダイオードなどの半導体接合を理解できる
15週 期末試験
16週 半導体デバイス バイポーラトランジスタや電界効果トランジスタなど、様々な半導体デバイスの動作原理を理解できる

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力2000003050
専門的能力400000040
分野横断的能力100000010