電子回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子回路Ⅰ
科目番号 0026 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子メディア工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 本質を学ぶためのアナログ電子回路入門:阿部克也:共立出版:978-4320086302
担当教員 佐々木 信雄

到達目標

□ pn接合について説明でき, pn接合ダイオードのI-V特性およびpnpトランジスタの動作を説明できる. また, MOSFETの動作原理をMOSFETの構造を描いて説明する事ができる.
□ 三つの接地形式(ベース, エミッタ, コレクタ)の静特性を説明できる. また. h パラメータを用いた等価回路 を各接地形式に対し描くことができる. また. エミッタ接地形式の電流帰還バイアス回路について説明し, バイ アス設計を行うことができる.
□ 小信号解析を用いて, 各接地形式における低周波増幅率や入出力インピーダンスを求めることができる. また, 高周波等価回路を用いて, 各接地形式における増幅率や入出力インピーダンスの周波数特性を求めることができる.
□ 帰還について理解し, 負帰還増幅回路の問題を解くことができる. また発振回路の動作について説明できる.
□ 差動増幅器の性質を説明できる. また, 演算増幅器の基本動作を説明でき, いくつかの応用回路について問題を解くことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1三つの接地形式(ベース, エミッタ, コレクタ)の静特性を説明で きる. また, h パラメータを用いた等価回路を各接地形式に対し描くことができる. また, 電流帰還バイアス回路について説明し, 各接地形式のバイアス設計を行うことができる.エミッタ接地の静特性を説明できる. また,エミッタ接地の等価回路を描くことができる. また, エミッタ接地形式の電流帰還バイアス回路のバイアス設計を行うことができる.エミッタ接地の静特性を説明できない. また,エミッタ接地の等価回路を描くことができない. また, エミッタ接地形式の電流帰還バイアス回路のバイアス設計を行うことができない.
評価項目2小信号解析を用いて, 各接地形式における増幅率や入出力インピーダンスを求めることができる. また, 各接地形式における増幅率や入出力インピーダンスの周波数特性を求めることができる.小信号解析を用いて, エミッタ接地の増幅率や入出力インピーダンスを求めることができる. また, エミッタ接地における電圧増幅率の周波数特性を求めることができる.小信号解析を用いて, エミッタ接地の増幅率や入出力インピーダンスを求めることができない. また, エミッタ接地における電圧増幅率の周波数特性を求めることができない.
評価項目3差動増幅器の性質を説明できる. また, 演算増幅器の基本動作を説明でき, いくつかの応用回路について問題を解くことができる.演算増幅器のいくつかの応用回路について問題を解くことができる.演算増幅器の応用回路について問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 C 説明 閉じる
準学士課程 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
エレクトロニクスは, すべての産業にとって欠かすことのできない技術だが, その中核を成すのが電子回路である. 現代では回路の集積化が進み, トランジスタやダイオードを使って回路を製作する機会は減少している. しかし. 集積回路の中身も結局トランジスタである. 本授業の目標は, トランジスタの基本的な機能である増幅を学び, それに関連するいくつかの基本的な回路を理解し, 実際に自分で設計できるようになることである.
授業の進め方・方法:
本講義ではまず半導体素子の仕組みを説明した後, 主にバイポーラトランジスタを用いた基本増幅回路について, 静特性および周波数特性を学ぶ. 最近の主流である電界効果トランジスタを用いた基本増幅回路についても基本的な動作について学習する. また, 実用的な回路として差動増幅器を学習し, その応用である演算増幅回路の動作を理解し, いくつかの応用回路について学習する.
注意点:
電気回路Ⅰおよび電気回路演習Ⅰが必須となる. 回路シミュレータが使えると, 授業の理解の助けとなる. LTSPICE のダウンロード http://www.linear-tech.co.jp/

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 半導体デバイスの基礎 ダイオードの特徴を説明できる
2週 半導体デバイスの基礎
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる
FETの特徴と等価回路を説明できる
3週 バイアスと信号増幅 トランジスタ増幅器のバイアス方法を説明できる
4週 トランジスタ基本増幅回路(エミッタ接地) エミッタ接地の電圧利得、電流利得、入出力インピーダンスが計算できる
5週 トランジスタ基本増幅回路(コレクタ接地) コレクタ接地の電圧利得、電流利得、入出力インピーダンスが計算できる
6週 トランジスタ基本増幅回路(ベース接地) ベース接地の電圧利得、電流利得、入出力インピーダンスが計算できる
7週 中間試験
8週 電力増幅回路 A級、B級、C級について説明できる
2ndQ
9週 トランジスタ増幅回路の周波数特性 利得、周波数帯域、インピーダンス整合等の増幅回路の基礎事項を説明できる
10週 トランジスタ増幅回路の周波数特性 高周波における接合容量の影響を説明できる。ミラー効果が説明できる
11週 トランジスタ増幅回路の周波数特性
差動増幅回路とオペアンプ
低周波におけるDCブロック、バイパスコンデンサの影響を説明できる
差動増幅回路とカレントミラー回路について説明できる
12週 差動増幅回路とオペアンプ 演算増幅器の特性を説明できる
13週 差動増幅回路とオペアンプ 反転増幅器や非反転増幅器等の回路を説明できる
14週 帰還増幅回路と発振回路 帰還増幅回路について説明できる。4種類の帰還について説明できる
15週 帰還増幅回路と発振回路 正帰還、負帰還について説明できる
16週 帰還増幅回路と発振回路 基本的な発振回路について説明できる

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力1000002030
専門的能力600000060
分野横断的能力100000010