電磁気学演習Ⅱ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電磁気学演習Ⅱ
科目番号 0029 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子メディア工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:電磁気学(1):長岡洋介:岩波書店 教科書:電磁気学(2):長岡洋介:岩波書店 参考書:例解 電磁気学演習:長岡・丹慶:岩波書店 参考書:基礎演習シリーズ 電磁気学:中山正敏:裳華房
担当教員 五十嵐 睦夫

到達目標

□ 比較的単純で対称性の高い電荷分布がつくる電位、電場、静電エネルギーの計算ができる。
□ 磁場中の荷電粒子の運動を導くことができる。
□ ビオ・サバールの法則を用いて簡単な電流系の磁場の計算ができる。
□ アンペールの法則を用いて簡単な電流系の磁場の計算ができる。
□ 電磁誘導の法則の簡単な応用問題を解くことができる。
□ 簡単な構造の導体系の自己インダクタンス、相互インダクタンスの計算ができる。
□ 微分方程式に基づいてコイルを含む簡単な回路の解析ができる。
□ マクスウェル方程式から波動方程式を導くことができる。
□ マクスウェル方程式に関する基本問題を解くことができる。
□ 誘電体中の電場に関する基本問題を解くことができる。
□ 磁性体中の磁場に関する基本問題を解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1やや複雑な電荷分布であっても、系がつくる電位、電場、静電エネルギーを適切に計算することができる。簡単な電荷系の場合なら、それがつくる電位、電場、静電エネルギーの計算ができる。簡単な電荷系の場合でさえ、それがつくる電位、電場、静電エネルギーの計算ができない。
評価項目2やや複雑な形態を持つ電流系に対しても、ビオ=サバールの法則・アンペールの法則を用いた磁場の計算ができる。ビオ=サバールの法則・アンペールの法則を用い、簡単な電流系の磁場の計算ができる。簡単な形態の電流系についてでさえ、ビオ=サバールの法則・アンペールの法則を用いて磁場の計算をすることができない。
評価項目3複雑な状況設定の場合であっても磁場中の荷電粒子の運動に関して適切な洞察をすることができ、電磁誘導の法則に関しても適切な対応を伴って応用問題を解ける。磁場中の荷電粒子の運動に関する基本的な問題が解け、電磁誘導の法則に関する簡単な応用問題も解ける。磁場中の荷電粒子の運動に関する基本的な問題が解けず、電磁誘導の法則に関する簡単な応用問題も解けない。
評価項目4誘電体中の電場および磁性体中の磁場に関し、やや複雑な設定を持つ問題であっても解くことができる。誘電体中の電場および磁性体中の磁場に関する基本的な問題が解ける。誘電体中の電場および磁性体中の磁場に関する基本的な問題が解けない。
評価項目5マクスウェル方程式を適用し、一般の電磁場伝幡に関する問題も解くことができる。電磁場の伝幡に関する基礎的問題に対し、マクスウェル方程式を適用して解くことができる。電磁場の伝幡に関する基礎的問題に対し、マクスウェル方程式を適用して解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 B-1 説明 閉じる
準学士課程 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
○ 電磁気学の理解を深めるため、電磁気学に関する幅広い範囲の演習問題を解く。
○ 学習素材は各種の大学編入学試験に求めるが、一部に問題集等からのものを併用する。
○ 電磁気学の問題解法の多様なスキルが身に付けられるよう、できるだけ多くの問題に触れることを目指す。
○ 電磁気学は力学を基礎として成立しており、力学抜きに理解を深めることは不可能である。このことを受け、低学年における物理教科傍用問題集についての学力定着を図る方策は、前期の応用物理演習Ⅱを引き継いで実施する。
授業の進め方・方法:
○ 課題問題のプリントを毎回配布する。授業では課題問題の解き方を解説する。授業中に配布する用紙に、各自がその解法をトレースして毎回提出する。なお、編入学試験問題以外の問題も一部に活用する。
○ 単位取得にあたっては、当該時間の授業に出席して自らの手をうごかしてトレース作業をおこなったことも評価対象とする。すなわち、理由なく授業を欠席してこの作業に従事しない場合、それは評点に結びつかない課題の量が増加することを意味する。
○ 前期の応用物理演習Ⅱに引き続き、2年次に使用した教科傍用問題集「リードアルファ」に収録された問題群にいつでも解答できる定着学力を身につけていることを求める。学力定着度を確認するため、定期的に小テストをおこなう。応用物理演習Ⅱの段階より高度な定着度が求められる。これは、電磁気学が力学と決して無縁な存在なのではなく、最低限度には力学の理解が伴わないと電磁気学の理解に支障を来たすことを受けての選択である。
○ 応用物理演習Ⅱに引き続いて「リードアルファ」に対応する学力増進を図ることになる。授業科目の目的とする範囲を鑑み、「リードアルファ」から出題する内容の範囲は応用物理演習Ⅱのときよりも広い範囲となる。具体的には、電磁気関係の内容を付け加える。
○ 折を見て小テストを実施し、各学生が「リードアルファ」についてどのくらいの達成レベルにあるかを判定する。その結果は下記の[グレード]という形で学生に通知する。科目単位取得に至る目安は、グレード3程度以上相当である。
  ================================
   [グレード1] 基礎CHECKレベル
   [グレード2] 基本例題レベル
   [グレード3] 学習問題レベル
   [グレード4] 応用問題レベル
  ================================
○ 上記の[グレード]が基準に達していない学生に対しては課題を設定し、その実行を求める。単位取得のためには、課題を確実にこなすことが必須である。
注意点:
○ 電磁気学を理解していることと電磁気学の問題が解けることとは違います。できるだけ多くのパターンの問題を解き、その解法に慣れることが大切です。
○ 3年次の電磁気学Ⅰおよび電磁気学演習Ⅰを履修しているか、その内容に相当する知識を有すること。
○ 応用物理演習Ⅱの合格に相当する学力を有すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 静電場(1)
・様々な電荷系がつくる電場の計算
・ガウスの法則の応用問題
2週 静電場(2)
・様々な電荷系がつくる電位の計算
・静電場のエネルギーの計算
・導体系の電気容量の計算
3週 電流と静磁場(1)
・磁場中の荷電粒子の運動
4週 電流と静磁場(2)
・ビオ=サバールの法則の応用
5週 電流と静磁場(3)
・アンペールの法則の応用
6週 電流と静磁場(4)
・ベクトルポテンシャルを用いた磁場計算
・磁気モーメントの計算
7週 中間試験
8週 電磁誘導の法則(1)
・電磁誘導の法則に関連する基本問題
4thQ
9週 電磁誘導の法則(2)
・自己インダクタンスの計算
・相互インダクタンスの計算
10週 電磁誘導の法則(3)
・磁気エネルギーに関する計算
11週 マクスウェル方程式と電磁波
・変位電流、ポインテイングベクトル、マクスウェル方程式に関する基本問題(1)
12週 マクスウェル方程式と電磁波
・電磁波の伝幡に関する基本問題 (2)
13週 物質中の電場(1)
・誘電体に関する簡単な応用問題(1)
14週 物質中の電場(2)
・誘電体に関する簡単な応用問題(2)
15週 物質中の磁場
・磁性体に関する簡単な応用問題
16週 発展問題

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000