電子材料基礎Ⅱ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子材料基礎Ⅱ
科目番号 0042 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子メディア工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 現代物性化学の基礎:小島憲道・下井守著:講談社サイエンティフィック:ISBN4-06-154304-0 C3043
担当教員 渡邉 直寛

到達目標

□量子論を基礎とし、混成軌道を理解できる。
□分子における対称性と軌道・スピンとの関連を理解できる。
□分子系における準位の分裂を理解できる。
□テキストの内容を2時間分プレゼンテーションできる。
□自分で物性関連テーマを選び、2時間分のプレゼンテーションが出来る。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1量子論を基礎とし、混成軌道をよく理解でき、十分説明できる。量子論を基礎とし、混成軌道を理解でき、説明できる。量子論を基礎とし、混成軌道を理解できず、説明できない。
評価項目2分子系における準位の分裂をよく理解でき、十分説明できる。分子系における準位の分裂を理解でき、説明できる。分子系における準位の分裂を理解できない。
評価項目3自分で物性関連テーマを選び、2時間分のプレゼンテーションがよく出来る。自分で物性関連テーマを選び、2時間分のプレゼンテーションが出来る。自分で物性関連テーマを選べず、2時間分のプレゼンテーションが出来ない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 C 説明 閉じる
準学士課程 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
セミナー形式を採り、輪番でチューターとなる。
授業の進め方・方法:
以下のように授業・学習を進める。
(a)原子核、周期律表、多電子系の電子軌道と量子数について理解できるよう学習する。
(b)分子軌道、配位結合、配位子場理論の基礎について理解できるよう学習する。
(c)遷移金属錯体の物性の基礎・バンド構造等について理解できるよう学習する。
(d)結合(例えばファンデアワールス結合)と結晶構造を理解できるよう学習する。
(e)自分で論文などを調べ、発表するテーマを選べるよう学習する。
注意点:
基本的にセミナー形式をとるので、チューターは必ず予習をしてくること。
また講義時間内には必ず質問をし、議論に参加する事。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 元素の科学:元素の誕生と人工元素
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元素の核崩壊とその応用
宇宙における元素の誕生と人工元素について、基礎知識を理解することができる
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原子核の安定性と結合エネルギー。原子核の崩壊と放射線について理解できる。
2週 元素の科学:周期律
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量子論と電子構造
元素発見の歴史と周期律を学び周期律による元素の性質を理解することができる。
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シュレディンガー方程式、水素型原子および多電子原子の電子軌道と量子数を理解できる。
3週 分子軌道:分子の形と対称性
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分子軌道:2原子分子と多原子分子
混成軌道と分子軌道、C60の構造と対称性の概略を理解できる。
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水素分子イオンと等核2原子分子、多原子分子を理解できる。
4週 配位結合1
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配位子場理論1
配位結合とはなにか、また金属錯体の立体化学を理解できる。
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配位子場理論によるd軌道の分裂の基礎を理解できる。
5週 配位子場理論2
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配位子場理論3
配位子場理論によるd軌道の分裂の基礎を理解できる。
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分子軌道理論により眺めたPaulingの混成軌道を理解できる。
6週 配位子場理論4
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遷移金属錯体の物性1
強い配位子場と弱い配位子場を理解できる。
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実際の遷移金属錯体について配位子場遷移(d-d遷移)について理解できる。
7週 遷移金属錯体の物性2
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金属錯体の磁性1
電荷移動遷移について理解できる。
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電子の磁気モーメントについて、基礎を理解できる。
8週 金属錯体の磁性2
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金属錯体の磁性3
実例として、現在精力的に研究が行われているスピンクロスオーバー錯体を理解できる。
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地磁気の逆転現象を理解できる。
4thQ
9週 結合と結晶構造1
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結合と結晶構造2
単位格子と晶系を理解できる。
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金属結合結晶について理解できる。
10週 結合と結晶構造3
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結合と結晶構造4
共有結合結晶について理解できる。
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イオン結晶について理解できる。
11週 超伝導
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発展する分子磁石
超伝導現象とはどういうものか、理解でき、酸化物超伝導体について理解できる。
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磁石になる有機物を理解できる。
12週 MCDとファラデー楕円率
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STM、AFM、TEM
MCDとファラデー楕円率について、基礎を理解できる。
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現代の顕微鏡について理解できる。
13週 SQUID、VSM
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核融合
磁化・磁化率測定法について理解できる。
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核融合について理解できる。
14週 NMR、ESR
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フラーレン
NMR、ESRについて理解できる。
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フラーレンについて理解できる。
15週 遍歴電子系
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XASとXMCD
遍歴電子系について基礎を理解できる。
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XASとXMCDについて理解できる。
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力200000020
専門的能力5010000060
分野横断的能力1010000020