到達目標
□ 「倫理」という科目は、一人ひとりが「よく生きること」について思考する科目であることを認識し、自己、他者、社会との関わり方などについての理解を深めることができる。
□ 現代人にも深い影響を与えてきた先哲の思想を学ぶことを通して、普段の日常ではあまり考えない哲学、倫理、宗教、思想などのテーマについて興味・関心を持つことができる。
□ 資料としての先哲の書物やその解説書などを読み、それについての思索を深めたり、周囲の人たちとそうしたことについて対話したりすることができる。
□ 「倫理」で学んだことを使って、現代の諸課題についての自分の意見をまとめ、それを表現することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 自己や社会の理解を通して自分が善く生きることについて深く思考し自分の意見を持てる。 | 自己や社会の理解が進み、よく生きることへの関心が高まる。 | 自己や社会についての理解が不十分であり、自己の生き方についてあまり考えない。 |
評価項目2 | 先哲の思想や現代の思想に関心を持ち、資料をよく読み、自分の考えを深められる。 | 先哲や現代の思想を理解しようと努力し、自分の考えも持とうとしている。 | 先哲や現代の思想への理解が不十分で、自分の考えも独断的である。 |
評価項目3 | 現代社会の諸課題について広く、あるいは深く探求し、自分の知識教養を深める。 | 現代社会の諸問題について理解し、自分の意見もある。 | 現代社会の諸問題に対して無関心で、理解しようとする姿勢が見られない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
・授業では、現代に生きる人間として、現代社会で求められる倫理的な諸課題を取り上げ、それを、考える材料を提供しながら君たちと一緒に考えていきたい。こちらから質問をし、また君たちからの質問も求めたい。
・ノートは必ず用意し、板書等必要なことを書き留めてほしい。またプリントをファイルしてほしい。
・教材としては、前期は自己・他者についての心理学から始め、教養ということを考察し、その後、ギリシア哲学、キリスト教を扱う。
・近代西洋哲学を中心に、すなわちデカルト、カントなどの大陸系の哲学者の思想と社会契約説や功利主義などイギリス系の思想を扱う。
・現代思想としては社会主義と実存主義を主に取り上げる。
・従来と異なり、次の学年での「哲学」がないので「哲学入門」ということも意識して授業する。
授業の進め方・方法:
講義形式で進める。
その他、副教材としてプリントを適宜配布
※参考書
〔哲学倫理入門書として薦めたい本〕
岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』(岩波ジュニア新書)
岩田靖夫『いま哲学とは何か』(岩波新書)
岩田靖夫『よく生きる』(ちくま新書)
竹田青嗣『哲学ってなんだ』(岩波ジュニア新書)
高橋昌一郎『哲学ディベート』(NHKブックス)
小熊英二『社会を変えるには』(講談社現代新書)
ラッセル『哲学入門』(ちくま学芸文庫)
橋爪大三郎・大澤真幸『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書)
西研『ヘーゲル・大人のなり方』(NHKブックス)
〔古典〕
プラトン『ソクラテスの弁明』『饗宴』などソクラテス対話篇(岩波文庫、新潮文庫)
デカルト『方法序説』(岩波文庫)
ラッセル『幸福論』(岩波文庫)
ベルクソン『笑い』(岩波文庫)
ミル『自由論』(光文社古典新訳文庫)
注意点:
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
イントロダクション |
倫理を学ぶ意味、学び方
|
2週 |
青年期と教育 |
近代以前と近代の教育の特質を理解する
|
3週 |
日本の教育 |
明治以降から戦後までの日本の教育
|
4週 |
戦後教育と大学紛争 |
大学紛争に至る戦後教育
|
5週 |
アイデンティティ |
青年期の課題を理解する
|
6週 |
大学紛争とアイデンティティ・クライシス |
大学紛争を青年期の危機として理解する
|
7週 |
80年代以降の青年 |
現代の青年の課題を考える
|
8週 |
中間試験 |
|
2ndQ |
9週 |
ソクラテス(1) |
ソクラテスから私とは何かを考える
|
10週 |
ソクラテス(2) |
魂の配慮について
|
11週 |
サルトルの実存主義(1) |
実存主義から私とは何かを考える
|
12週 |
サルトルの実存主義(2) |
サルトルの人間観
|
13週 |
ハイデガーの実存主義 |
ハイデガーの人間観
|
14週 |
サルトルの実存主義(3) |
アンガージュマンと責任
|
15週 |
デカルト(1) |
実存主義の出発点としてのデカルト
|
16週 |
期末試験 |
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
デカルト(2) |
近代の自然観
|
2週 |
ホッブズ |
社会契約説(1)
|
3週 |
ロック |
社会契約説(2)
|
4週 |
カント(1) |
カントの啓蒙思想
|
5週 |
カント(2) |
カントの道徳観
|
6週 |
ベンサム |
功利主義(1)
|
7週 |
ミル |
功利主義(2)
|
8週 |
中間試験 |
|
4thQ |
9週 |
ヘーゲル(1) |
ヘーゲルの歴史観
|
10週 |
ヘーゲル(2) |
ヘーゲルの社会観
|
11週 |
マルクス(1) |
マルクスの人間観
|
12週 |
マルクス(2) |
マルクスの資本論
|
13週 |
ヘブライズム(1) |
ユダヤ教とキリスト教
|
14週 |
ヘブライズム(2) |
キリスト教(2)
|
15週 |
宗教とは |
仏教
|
16週 |
期末試験 |
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 公民的分野 | 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |