応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 4J008 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書 : 裳華房テキストシリーズ-物理学 振動・波動 : 小形正男 : 裳華房 : 978-4-7853-2088-1, 教科書:ビジュアルアプローチ 熱・統計力学 : 為近和彦 : 森北出版 : 978-4-627-16241-9,
担当教員 雑賀 洋平

到達目標


□ 多自由度系における質点の運動方程式が書ける.
□ 運動方程式を解き, 規準モードを求めることができる.
□ フーリエ解析を用いて, 連続体の振動を解析することができる.
□ 状態量を用いて熱力学量を記述することができる.
□ 熱力学第1法則に習熟し ,多変数関数の微積分のテクニックを用いて熱力学の典型的な問題を解くことができる.
□ 熱力学第2法則に習熟し, 多変数関数の微積分のテクニックを用いて熱力学の典型的な問題を解くことができる.
□ それらの知識を, 実際の現象に応用することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学第 1法則について習熟し, 多変数関数の微積分のテクニックを用いて , 応用的な問題に関する熱力学量を求めることができる.熱力学第 1法則について習熟し, 多変数関数の微積分のテクニックを用いて , 基本的な問題に関する熱力学量を求めることができる.熱力学第 1法則について習熟しておらず, 多変数関数の微積分のテクニックを用いて , 基本的な問題に関する熱力学量を求めることができない.
評価項目2熱力学第2法則と熱力学関数について習熟し, 多変数関数の微積分のテクニックを用いて, 応用問題を解くことができる.熱力学第2法則と熱力学関数について習熟し, 多変数関数の微積分のテクニックを用いて, 基本問題を解くことができる.熱力学第2法則と熱力学関数について習熟しておらず, 多変数関数の微積分のテクニックを用いて, 基本問題を解くことができない.
評価項目3連成振動の運動方程式を解析し, 規準振動を導くことができる. またこれを利用して, 対応する物理現象に応用することができる.連成振動の運動方程式を解析し, 規準振動を導くことができる. 連成振動の運動方程式を解析し, 規準振動を導くことができない.
評価項目4波動方程式を理解し, 波動方程式の境界値問題の一般解を導くことができる. またこれを利用して, 対応する物理現象に応用することができる.波動方程式を理解し, 波動方程式の境界値問題の一般解を導くことができる.波動方程式を理解し, 波動方程式の境界値問題の一般解を導くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期は多変数関数の微積分のテクニックを用いた, 大学教養程度の熱力学の 基本的な理論を学習する.
後期はフーリエ解析のテクニックを用いた, 大学教養程度の線型の振動・波動現象に関する基本的な理論を学習する.

授業の進め方・方法:
座学
注意点:
様々な学問の中で, 物理学はその修得に困難を感じる学生が特に多い学問です. 復習を中心に, 日頃から地道に学習に努めて下さい. また一人では解決できそうにない疑問点を, 納得できないまま何日も放置しないようにしましょう. このような疑問点は決して一人で抱え込んだりせず, 先生や物理の得意な級友に, その都度早め早めに質問して教えてもらうことを強くお勧めします. 応用物理Iの内容(運動方程式の立て方, その解き方)の復習と高校物理の内容(波動)の復習をしておくと良いでしょう.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1自由度の振動(1) 単振動タイプの運動方程式を解析できる.
2週 1自由度の振動(2) 減衰振動と強制振動の運動方程式を解析できる.
3週 2自由度系の連成振動(1) 2自由度系の連成振動について運動方程式を立てて, 解くことができる.
4週 2自由度系の連成振動(2) 2自由度系の振動モード, 基準座標について説明ができる.
5週 少数多体系の振動(1) 少数多体系の運動方程式を立てて, 解くことができる.
6週 少数多体系の振動(2) 少数多体系の振動モード, 基準振動, 分散関係, 境界条件について説明できる.
7週 一般の連成振動 一般の連成振動の運動方程式を立てることができる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 連続体の振動(1) 連成振動の連続極限を取り, 連続体の波動方程式を導くことができる.
10週 連続体の振動(2) 波動方程式の解析ができる.
11週 連続体の振動(3) 波動方程式を初期条件, 境界条件を入れて解くことができる.
12週 連続体の振動(4) 波動方程式のダランベールの解について解析できる.
13週 連続体の振動(5) フーリエ変換を用いた波動方程式の解析ができる.
14週 振動波動現象の応用(1) 1次元の波について問題を解くことができる.
15週 振動波動現象の応用(2) 1 次元の波について問題を解くことができる.
16週 定期試験
後期
3rdQ
1週 熱力学の概要 熱力学の概要について理解できる。
2週 熱力学の基礎(1) 経験的温度, 絶対温度について説明できる. 理想気体の諸性質を理解できる.
3週 熱力学の基礎(2) 簡単な気体分子運動論について説明できる.
4週 熱力学第1法則(1) 熱力学第1法則について説明できる. 可逆変化と準静的変化について説明できる.
5週 熱力学第1法則(2) 熱力学第1法則を用いて, 定圧熱容量・定積熱容量を計算できる.
6週 熱力学第1法則(3) 熱サイクル・熱効率の概念を理解し, 説明できる.
7週 中間試験
8週 熱力学第1法則(4) 理想気体の様々な熱サイクルについて効率が計算できる.
4thQ
9週 熱力学第2法則(1) 熱力学第2法則を理解し, トムソンの原理とクラウジウスの原理について説明できる.
10週 熱力学第2法則(2) カルノーの定理について説明できる.
11週 熱力学第2法則(3) クラウジウスの不等式について説明できる. エントロピーについて説明できる.
12週 熱力学第2法則(4) エントロピー増大則について説明できる.
13週 熱力学第2法則(5) エントロピーに関する問題を解くことができる.
14週 熱力学関数(1) 様々な熱力学ポテンシャルとルジャンドル変換について説明できる.
15週 熱力学関数(2)(3) 理想気体について様々な熱力学ポテンシャルを求めることができる.熱力学ポテンシャルを応用し, 計算することができる.
16週 答案返却

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000