到達目標
大規模集積回路のデータ・パス部と制御部について基本回路構成理解し,デジタル・システムの設計に必要な基礎を理解する
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | データ・パス部について十分に基本回路構成を説明できる | データ・パス部について基本回路構成を説明できる | データ・パス部について基本回路構成を説明できない |
評価項目2 | 制御部について十分に基本回路構成を説明できる | 制御部について基本回路構成を説明できる | 制御部について基本回路構成を説明できない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
デジタル・システムの構成方法について,モデル化の方法,基本回路構成,設計手法について解説する.
この科目は企業でマイクロプロセッサのアーキテクチャ設計,ロジック設計を担当していた教員が,
その経験を活かし,デジタル回路の設計手法等について実践教育を行うものである.
授業の進め方・方法:
講義はkeynoteのスライドで行う.スライドは印刷資料を事前に配布するが,要所を抜いてあるので,授業に集中し穴埋めを補充すること.
デジタル・システムは大きくデータ・パス部と制御部の2つに分けることができる.データ・パス部はレジスタやメモリ,演算回路といったデータを記憶し処理する部分を指す.制御部はデータ・パス部を制御するための制御信号を順次発生する回路で,いわゆる順序回路である.
本講義では,これらデータ・パス部と制御部について基本回路構成を示し,デジタル・システムの設計に必要な基礎を解説する.この講義は引き続く「LSI工学II」を受講する際の前提になる講義である.
注意点:
授業に集中し,重要事項を配布プリントに記載すること.
課題は自ら取り組むこと.
前回の授業の復習をすること.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
論理のROM化とPLA化 |
・組み合わせ回路とROM,PLAの構成
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2週 |
レジスタ・トランスファ・ロジック |
・大規模システムの動作記述の手法
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3週 |
レジスタ・トランスファ・ロジック |
・レジスタ・トランスファ・ロジックから論理回路の合成
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4週 |
中間試験1 |
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5週 |
データ・パス部の設計 |
・バス構成 ・レジスタ,メモリ
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6週 |
データ・パス部の設計 |
・セット・アップ・タイムとホールド・タイム ・データ・パス部の動作速度の決定要因と算出
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7週 |
データ・パス部の設計 |
・キャリー・セーブ・アダ- ・バレル・シフタ
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8週 |
中間試験2 |
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2ndQ |
9週 |
データ・パス部の設計 |
・ULIを利用したALU ・アレイ型乗算回路 ・部分積累算型乗算回路
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10週 |
データ・パス部の設計 |
・1次のブースの乗算回路 ・2次のブースの乗算回路
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11週 |
中間試験3 |
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12週 |
制御部の設計 〜ランダム・ロジック制御〜 |
・1状態1フリップフロップ法 ・レジスタ・デコーダ法
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13週 |
制御部の設計 〜ランダム・ロジック制御〜 |
・カウンタ・デコーダ法 ・ミーリー型とムーア型 ・動作速度の決定要因と算出
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14週 |
制御部の設計 〜PLA制御〜 〜マイクロプログラム制御〜 |
・基本構成 ・水平型と垂直型 ・パイプライン制御による高速化 ・ディレイド・ブランチ
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 計算機工学 | 整数・小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 3 | |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 4 | |
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 | 4 | |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 | 4 | |
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 | 4 | |
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。 | 4 | |
組合せ論理回路を設計することができる。 | 4 | |
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。 | 4 | |
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。 | 4 | |
与えられた順序回路の機能を説明することができる。 | 4 | |
順序回路を設計することができる。 | 4 | |
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。 | 4 | |
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 課題・レポート | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 10 | 50 |
専門的能力 | 40 | 10 | 50 |