LSI工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 LSI工学Ⅰ
科目番号 4J021 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 参考書:コンピュータの設計と原理:木村真也・鹿股昭雄,コンピュータの設計とテスト:藤原秀雄,自作教材: 講義用keynoteスライド印刷物(配布)
担当教員 木村 真也

到達目標

大規模集積回路のデータ・パス部と制御部について基本回路構成理解し,デジタル・システムの設計に必要な基礎を理解する。
□要求仕様に基づき、レジスタトランスファロジックの記述ができる
□データ・パス部について十分に基本回路構成を説明できる
□制御部について十分に基本回路構成を説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1要求仕様に基づき、レジスタトランスファロジックの記述ができるレジスタトランスファロジック記述を理解できる要求仕様に基づき、レジスタトランスファロジックの記述ができない
評価項目2データ・パス部について十分に基本回路構成を説明できるデータ・パス部について基本回路構成を説明できるデータ・パス部について基本回路構成を説明できない
評価項目3制御部について十分に基本回路構成を説明できる制御部について基本回路構成を説明できる制御部について基本回路構成を説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
デジタル・システムの構成方法について,モデル化の方法,基本回路構成,設計手法について解説する.
この科目は企業でマイクロプロセッサのアーキテクチャ設計,ロジック設計を担当していた教員が,
その経験を活かし,デジタル回路の設計手法等について実践教育を行うものである.
授業の進め方・方法:
講義はkeynoteのスライドで行う.スライドは印刷資料を事前に配布するが,要所を抜いてあるので,授業に集中し穴埋めを補充すること.
デジタル・システムは大きくデータ・パス部と制御部の2つに分けることができる.データ・パス部はレジスタやメモリ,演算回路といったデータを記憶し処理する部分を指す.制御部はデータ・パス部を制御するための制御信号を順次発生する回路で,いわゆる順序回路である.
本講義では,これらデータ・パス部と制御部について基本回路構成を示し,デジタル・システムの設計に必要な基礎を解説する.この講義は引き続く「LSI工学II」を受講する際の前提になる講義である.
注意点:
授業に集中し,重要事項を配布プリントに記載すること.
課題は自ら取り組むこと.
前回の授業の復習をすること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 論理のROM化とPLA化 ・組み合わせ回路とROM,PLAの構成
2週 レジスタ・トランスファ・ロジック ・大規模システムの動作記述の手法
3週 レジスタ・トランスファ・ロジック ・レジスタ・トランスファ・ロジックから論理回路の合成
4週 中間試験1
5週 データ・パス部の設計 ・バス構成
・レジスタ,メモリ
6週 データ・パス部の設計 ・セット・アップ・タイムとホールド・タイム
・データ・パス部の動作速度の決定要因と算出
7週 データ・パス部の設計 ・キャリー・セーブ・アダ-
・バレル・シフタ
8週 中間試験2
2ndQ
9週 データ・パス部の設計 ・ULIを利用したALU
・アレイ型乗算回路
・部分積累算型乗算回路
10週 データ・パス部の設計 ・1次のブースの乗算回路
・2次のブースの乗算回路
11週 中間試験3
12週 制御部の設計 〜ランダム・ロジック制御〜 ・1状態1フリップフロップ法
・レジスタ・デコーダ法
13週 制御部の設計 〜ランダム・ロジック制御〜 ・カウンタ・デコーダ法
・ミーリー型とムーア型
・動作速度の決定要因と算出
14週 制御部の設計 〜PLA制御〜
       〜マイクロプログラム制御〜
・基本構成
・水平型と垂直型
・パイプライン制御による高速化
・ディレイド・ブランチ
15週 期末試験
16週 テスト返却

評価割合

試験課題・レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力401050