物質工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物質工学実験Ⅰ
科目番号 1K005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 物質工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 実験を安全に行うために、実験を安全に行うために(続)、化学のレポートと論文の書き方、無機半微量分析/松浦二郎ほか/東京化学同人
担当教員 中島 敏,大和田 恭子,出口 米和,安西 高廣,和田 善成

到達目標

物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を化学実験を通じて理解し、基本的操作を習得することができる。
実験器具・試薬・材料の取り扱いになれ、安全に実験を行うことができる。
実験データの分析、誤差解析、有効数字の評価、整理の仕方、考察の進め方について理解し、実践できる。
実験テーマの内容を理解し、実験方法・測定結果の妥当性を評価、考察等について理論的に説明できる。
実験ノートの記述および実験レポートの作成方法を理解し、実践できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学の基礎的原理や現象を化学実験を通じて十分に理解し、基本的操作を習得することができる。化学の基礎的原理や現象を化学実験を通じて理解し、基本的操作を習得することができる。化学の基礎的原理や現象を化学実験を通じて理解し、基本的操作を習得することができない。
評価項目2実験器具・試薬・材料を適切に取り扱い、安全に実験を行うことができる。実験器具・試薬・材料を取り扱い、安全に実験を行うことができる。実験器具・試薬・材料を取り扱い、安全に実験を行うことができない。
評価項目3実験ノートの記述および実験レポートの作成方法を十分に理解し、実践することができる。実験ノートの記述および実験レポートの作成方法を理解し、実践することができる。実験ノートの記述および実験レポートの作成方法を理解し、実践することができない。
評価項目4実験テーマの内容を十分に理解し、実験方法・測定結果の妥当性を評価することができる。実験テーマの内容を理解し、実験方法・測定結果の妥当性を評価することができる。実験テーマの内容を理解し、実験方法・測定結果の妥当性を評価することができない。
評価項目5実験データの適切な分析、誤差解析、有効数字の評価を行い、考察を進めることができる。実験データの分析、誤差解析、有効数字の評価を行い、考察を進めることができる。実験データの分析、誤差解析、有効数字の評価を行い、考察を進めることができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 D-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学実験を行うにあたっての注意点や基礎的操作等、実験に関する基本と安全について学ぶ。次いで、レポートの書き方を学び、以下の項目を講義と実験を通して学ぶ。
前期
 1.ろうそくの燃焼、2.銅堂の密度と熱の移動の測定、3.凝固点降下、4.コロイド溶液、5.界面重合によるナイロンの作成、6.人工カプセル(高分子球の作製)
後期
 1.六属系統分析と第一属陽イオンの性質、2.第三属陽イオンの性質と分離、3.第四属陽イオンの性質とステンレス鋼の成分分析、4.植物色素の分離
授業の進め方・方法:
各テーマ、はじめに講義で理論を学んでから実験を行う。
実験レポートの他に、小テストを行い評価する。
注意点:
実験は安全に留意して行うこと。実験日は、白衣、保護メガネ、タオル、前期は上履きを用意の上、実験室に集合する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
実験を安全に行うための諸注意、災害に対する処置方法、実験室での心構え、廃液の処理方法、実験ノート、レポートの書き方
実験を安全に行うための諸注意および災害に対する処置方法、実験室の使用注意事項、廃液の処理方法について理解できる。
実験ノートの書き方およびレポートの書き方を理解できる。
2週 1. ろうそくの燃焼 講義
   器具の名称
ろうそくの燃焼についての実験方法、現象に関する原理を理解できる。
3週 1. ろうそくの燃焼 実験 ろうそくの燃焼について正しく実験し、現象を確認できる。
現象に関する原理を説明できる。
4週 2. ものを測る 講義
  誤差と有効数字、グラフ、表の書き方
ものを測る際の誤差と有効数字の求め方について理解できる。
グラフ、表の書き方について理解できる。
5週 2. ものを測る 実験
  温度の測定と補正
  天秤、ノギスを使った銅の密度
温度の測定と補正の仕方について理解できる。
天秤、ノギスを使って銅の密度を求めることができる。
6週 3. 凝固点降下 講義
 物質の純度、融解、凝固点降下、過冷却現象、沸点上昇
凝固点降下について理解できる。
物質の純度、融解、凝固点降下、過冷却現象、沸点上昇について理解できる。
7週 3. 凝固点降下  実験
 コルクの穴の開け方
 凝固点降下
凝固点降下の実験を行う装置を組み立てることができる。
凝固点降下について実験で計算することができる。
8週 4. コロイド溶液 講義
 塩析、浸透圧、臨界ミセル、界面活性剤
コロイド溶液について理解できる。
塩析、浸透圧、臨界ミセル、界面活性剤について理解できる。
2ndQ
9週 4. コロイド溶液 実験
 コロイド粒子の調製、透析、チンダル現象の観察
コロイド粒子の調製および透析、チンダル現象の観察ができる。
10週 5. 界面重合によるナイロンの作製  講義
身近にある高分子材料とその特性
界面重合によるナイロンの作製について理解できる。
身近にある高分子材料とその特性について理解できる。
11週 5. 界面重合によるナイロンの作製  実験
界面重合を用いてナイロンを作成することができる。
12週 6. 人工カプセル(高分子球の作製)  講義
溶解と析出、高分子球と膜、せっけん膜、細胞膜
人工カプセル(高分子球の作製)について理解できる。
溶解と析出、高分子球と膜、せっけん膜、細胞膜について理解できる。
13週 6. 人工カプセル(高分子球の作製)  実験
 指示薬
指示薬を取り込んだ人工カプセルを作成することができる。
膜の性質について理解できる。
14週 まとめ、レポート確認、器具チェック
15週 小テスト、清掃
16週 定期試験は行わない
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
安全に実験を行うための諸注意及び、実験器具の取り扱いについて理解できる。
2週 無機定性分析Ⅰ(講義)
六属系統分析と第一属陽イオンの性質
金属陽イオンの分離法である六属系統分析法について、金属のイオン化傾向と溶解度積に基づき理解できる。第一属陽イオンである銀イオンと鉛イオンの特徴的な検出反応について、反応式とともに理解できる。
3週 無機定性分析Ⅰ(実験1)
金属陽イオンの分離
六属系統分析法に基づき、銀イオン、銅イオン、鉄イオン、亜鉛イオン、バリウムイオン、ナトリウムイオンを分属できる。分属の原理を、反応式とともに説明できる。
4週 無機定性分析Ⅰ(実験2)
第一属陽イオンの各個反応
銀イオンと鉛イオンについて、検出反応を観察し、その現象を反応式とともに説明できる。
5週 無機定性分析Ⅱ(講義)
第三属陽イオンの性質と分離
第三属陽イオンである鉄イオンとアルミニウムイオンの特徴的な検出反応について、反応式とともに理解できる。第三属陽イオンの分離方法について、理解できる。
6週 無機定性分析Ⅱ(実験1)
第三属陽イオンの各個反応
鉄イオンとアルミニウムイオンについて、検出反応を観察し、その現象を反応式とともに説明できる。
7週 無機定性分析Ⅱ(実験2)
第三属陽イオンの分離と検出
鉄イオンとアルミニウムイオンの混合物を分離、検出することができ、その分離方法の原理を説明できる。
8週 無機定性分析Ⅲ(講義)
第四属陽イオンの性質とステンレス鋼の成分分析
第四属陽イオンであるコバルトイオンとニッケルイオンの特徴的な検出反応について、反応式とともに理解できる。ステンレス鋼の成分分析法ついて、理解できる。
4thQ
9週 無機定性分析Ⅲ(実験1)
第四属陽イオンの各個反応
コバルトイオンとニッケルイオンについて、検出反応を観察し、その現象を反応式とともに説明できる。
10週 無機定性分析Ⅲ(実験2)
ステンレス鋼の成分分析1
ステンレス鋼(SUS-304)の主成分である鉄イオン、クロムイオン、ニッケルイオンをそれぞれ分離し、第三属陽イオンである鉄イオンとクロムイオンの検出ができる。
11週 無機定性分析Ⅲ(実験3)
ステンレス鋼の成分分析2
ステンレス鋼(SUS-304)から分離した第四属陽イオンであるニッケルイオンの検出ができる。
12週 植物色素の分離(講義) 植物色素の分類と性質、薄層クロマトグラフィーの原理について理解できる。
13週 植物色素の分離(実験1) 野菜や植物から、カロテノイドやクロロフィル等の脂溶性色素を抽出できる。
14週 植物色素の分離(実験2) 抽出した脂溶性色素を薄層クロマトグラフィーによって分離し、同定できる。
15週 まとめ、器具チェック、小テスト、清掃
16週 定期試験は行わない

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合1090100
前期 基礎的能力05050
前期 専門的能力000
前期 分野横断的能力000
後期 基礎的能力104050
後期 専門的能力000
後期 分野横断的能力000