概要:
・前半は生物を構成する最小単位である細胞を構成する物質や細胞内小器官を理解し、細胞周期、酵素の性質、代謝のしくみや生命体のうごくしくみについて学ぶ。
・後半はDNAの複製と遺伝子の発現とその調節について学ぶ。ホメオスタシスの内分泌系・神経系・免疫系について理解する。分化や発生のしくみを通して、幹細胞工学とその応用について学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義形式、プリント配布
注意点:
・授業を休まないこと
・毎回の授業に「フォトサイエンス生物図録」(副教材)を持ってくること
・ノートをしっかりとること
・疑問点は質問すること
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
序論 |
生命の必須元素、生命にとっての有機化合物と水について理解できる。
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2週 |
生命物質(1) |
細胞を構成する有機物としての糖質、脂質の構造と機能を理解できる。
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3週 |
生命物質(2) |
細胞を構成する有機物としてのタンパク質、核酸の構造と機能を理解できる
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4週 |
細胞と生体膜 |
流動モザイクモデル、膜タンパク質の機能について理解できる。
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5週 |
細胞内小器官(1) |
単膜構造体:小胞体、ゴルジ体、リソソームおよびリボソームが理解できる。
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6週 |
細胞内小器官(2) |
複膜構造体:核膜、ミトコンドリア、葉緑体が理解できる。細胞共生説が説明できる。
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7週 |
細胞骨格 細胞周期 |
微小管、微小繊維、中間径フィラメント、細胞外基質が説明できる。 細胞周期と細胞周期の制御系が理解できる。
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8週 |
前期中間試験 |
前期のこれまでの内容についての試験に対して60%以上の点数をとる
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2ndQ |
9週 |
酵素 |
生体触媒としての酵素の特徴、無機触媒と酵素の質的な違いを生物学的特徴として理解できる。
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10週 |
解糖と発酵(1) |
解糖の概要が理解できる。
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11週 |
解糖と発酵(2) |
アルコール発酵と乳酸発酵を理解できる。
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12週 |
呼吸 |
クエン酸回路と酸化的リン酸化の概要を理解できる。
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13週 |
光合成 |
明反応と暗反応を理解できる。C3植物、C4植物、CAM植物を説明できる。
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14週 |
神経系 |
神経系の構成がわかる。神経細胞における静止電位と活動電位が理解できる。シナプス伝達がわかる。
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15週 |
運動系(筋肉ー骨格系) |
興奮収縮連関の仕組みがわかる。骨格筋の筋収縮の仕組みが理解できる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
セントラルドグマ |
セントラルドグマの概要が理解できる
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2週 |
DNAの複製 |
複製フォーク、DNA複製の分子機構が理解できる
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3週 |
転写 |
RNAポリメラーゼ、プロモーター、転写の開始・伸長・終結が理解できる
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4週 |
転写調節のしくみ |
オペロン説が理解できる
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5週 |
遺伝暗号 |
コドン、コドン表、読み枠について理解できる
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6週 |
翻訳 |
翻訳の開始・伸長・終結について理解できる
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7週 |
転写後調節と翻訳後の運命 |
真核生物の転写後修飾、翻訳後修飾について理解できる
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8週 |
後期中間試験 |
後期のこれまでの内容についての試験に対して60%以上の点数をとる
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4thQ |
9週 |
ホメオスタシス(1) |
内分泌系の調節について理解できる
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10週 |
ホメオスタシス(2) |
神経系の調節について理解できる
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11週 |
免疫系 |
生体防御のしくみについて理解できる
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12週 |
がん |
がん遺伝子について理解できる
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13週 |
幹細胞工学 (発生) |
ES細胞、iPS細胞について理解できる (発生の機構について理解できる)
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14週 |
分化 植物の発生 |
分化について理解できる 植物の器官や組織、花の形成、ABCモデルについて理解できる
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15週 |
ヒトの遺伝子と調節 |
真核生物の遺伝子、エピジェネティクスについて理解できる
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | ライフサイエンス/アースサイエンス | ライフサイエンス/アースサイエンス | 生物に共通する性質について説明できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 原核生物と真核生物の違いについて説明できる。 | 4 | 前1 |
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。 | 4 | 前9 |
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 4 | 前9 |
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。 | 4 | 前12,前13 |
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。 | 4 | 前3 |
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。 | 4 | 後6 |
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。 | 4 | 後2 |
細胞周期について説明できる。 | 4 | 前8 |
分化について説明できる。 | 4 | 後13 |
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。 | 4 | 後3 |
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。 | 4 | 前4 |
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。 | 4 | 後9 |
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。 | 4 | 後10 |
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。 | 4 | 後11 |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 4 | 前2 |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 4 | 前2 |
単糖と多糖の生物機能を説明できる。 | 4 | 前2 |
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。 | 4 | 前2 |
グリコシド結合を説明できる。 | 4 | 前2 |
多糖の例を説明できる。 | 4 | 前2 |
脂質の機能を複数あげることができる。 | 4 | 前2 |
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。 | 4 | 前2 |
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。 | 4 | 前4 |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 4 | 前3 |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 4 | 前3 |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 4 | 前3 |
タンパク質の高次構造について説明できる。 | 4 | 前3 |
ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 4 | 前3 |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 4 | 前3 |
DNAの半保存的複製を説明できる。 | 4 | 後2 |
RNAの種類と働きを列記できる。 | 4 | 後3 |
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。 | 4 | 後5 |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 4 | 前9 |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 4 | 前9 |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 4 | 前9 |
解糖系の概要を説明できる。 | 4 | 前10 |
クエン酸回路の概要を説明できる。 | 4 | 前12 |
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。 | 4 | 前12 |
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。 | 4 | 前11 |
各種の光合成色素の働きを説明できる。 | 4 | 前13 |
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。 | 4 | 前13 |
炭酸固定の過程を説明できる。 | 4 | 前13 |