物質工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物質工学実験Ⅱ
科目番号 2K005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 教科省: 浅田・内出・小林,定量分析,技報堂出版
担当教員 工藤 まゆみ,羽切 正英,深澤 永里香

到達目標

前期:定量分析実験の基本的操作を通して、物質の分離や定量法を習得する。
 □ 重量分析:物質の熱分解による質量減少から、物質の構造と熱分解反応について評価することができる。
 □ 中和滴定:酸塩基反応、強酸・弱酸と強塩基・弱塩基、指示薬の選択など、滴定の基礎を学ぶことができる。
 □ キレート滴定:キレートの調製方法や水溶液中の金属イオン定量方法を習得することができる。
 □ 酸化還元滴定:酸化還元反応を理解し、滴定に応用することができる
後期:無機化合物を主題として化学実験の基礎を学ぶとともに,合成・精製・分析の基本を学習する。
 □ 錯体の合成法を学び,合成した試料の評価ができる。
 □ 材料の表面加工を行うことができる。
 □ pHメーターを用いて中和滴定により未知試料の定量ができる。
 □ 吸光度分析により,微量元素の分析ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1重量分析について、物質の熱分解による質量減少から、物質の構造と熱分解反応について十分に評価することができる。重量分析について、物質の熱分解による質量減少から、物質の構造と熱分解反応について評価することができる。重量分析について、物質の熱分解による質量減少から、物質の構造と熱分解反応について評価することができない。
評価項目2中和滴定について、酸塩基反応、強酸・弱酸と強塩基・弱塩基、指示薬の選択など、滴定の基礎を十分に学ぶことができる。中和滴定について、酸塩基反応、強酸・弱酸と強塩基・弱塩基、指示薬の選択など、滴定の基礎を学ぶことができる。中和滴定について、酸塩基反応、強酸・弱酸と強塩基・弱塩基、指示薬の選択など、滴定の基礎を学ぶことができない。
評価項目3キレート滴定について、キレートの調製方法や水溶液中の金属イオン定量方法を十分に習得することができる。キレート滴定について、キレートの調製方法や水溶液中の金属イオン定量方法を習得することができる。キレート滴定について、キレートの調製方法や水溶液中の金属イオン定量方法を習得することができない。
評価項目4酸化還元滴定について、酸化還元反応を十分理解し、滴定に応用することができる。酸化還元滴定について、酸化還元反応を理解し、滴定に応用することができる。酸化還元滴定について、酸化還元反応を理解し、滴定に応用することができない。
評価項目5酸化還元反応を利用した表面処理技術を学び、処理した試料が十分に評価できる。酸化還元反応を利用した表面処理技術を学び、処理した試料が評価できる。酸化還元反応を利用した表面処理技術について習得することができない。
評価項目6pHメーターの原理を十分に理解し、それを用いて中和滴定により未知試料の定量が十分にできる。pHメーターの原理を理解し、それを用いて中和滴定により未知試料の定量ができる。pHメーターを用いた中和滴定による定量法が習得できない。
評価項目7吸光度分析を十分理解し、微量元素の分析が十分にできる。吸光度分析を理解し、微量元素の分析ができる。吸光度分析が修得できない。
評価項目8錯塩の合成方法を理解し、無機化合物の合成が十分にできる。錯塩の合成方法を理解し、無機化合物の合成ができる。無機化合物の合成法が修得できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 D-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前期:分析化学の基本的実験技術(定量分析)を習得する。
後期:無機化学および分析化学、工業的化学技術に関する実験を通じ、安全な実験の進め方と実験技術を習得することができる。
授業の進め方・方法:
前期:
[ 実験テーマ]
 1.重量分析
 2.中和滴定
 3.キレート滴定
 4.酸化還元滴定
後期:
実験は4テーマ。2~3人でグループを作り、各テーマごとに3~4グループが実験を行う。
実験前には試薬の安全な取り扱い方法、実験の原理、実験操作について予習しておき、それについてノートチェックを行う。
[ 実験テーマ]
 1.無電解ニッケルめっき
 2.pHメーターを用いた中和滴定
 3.金属錯体の合成と光反応
 4.環境水中の鉄の定量分析
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
・実験を安全に行うための諸注意、レポートの書き方、廃液の扱いなど
重量分析(講義)
・天秤の使い方、精度、恒量など
・物質の酸化、熱分解、結晶水の脱離など
実験の安全性を理解し、レポートの書き方、廃液の扱い、重量分析における天秤の使い方、精度、秤量における恒量、物質の酸化、熱分解、結晶水の脱離の基礎を理解できる。
2週 器具点検
・各自の器具点検
重量分析
・るつぼの秤量と恒量、バラツキと標準偏差の計算
重量分析の基本である秤量とバラツキ、恒量の概念を理解し、天秤の原理や定量用器具の取り扱いを理解できる。
3週 中和滴定 Ⅰ
教室講義
中和滴定の原理を理解し、濃度計算ができる。
4週 中和滴定 Ⅱ
炭酸ナトリウム標準液と塩酸標準液の調製
炭酸ナトリウム標準液と塩酸標準液を調製し、力価の概念を理解できる。
5週 中和滴定 Ⅲ
塩酸標準液の滴定
炭酸ナトリウム標準液を用いて中和滴定をし、実験値のバラツキや標準偏差の考えを理解し、塩酸標準液の力価を求めることができる。弱塩基ー強酸の滴定を理解し、指示薬の役割について理解できる。
6週 中和滴定 Ⅳ
水酸化ナトリウム標準液の調製と滴定
水酸化ナトリウム標準液を調製し、力価が求められている塩酸標準溶液を用いて中和滴定によって水酸化ナトリウム標準溶液の力価を求めることができる。
7週 中和滴定 Ⅴ
水酸化ナトリウム標準液の滴定結果のグラフ表示と中和点の決定に関する説明
強酸ー強塩基の滴定を理解し、水酸化ナトリウム標準液の滴定結果のグラフ表示と中和点の決定を理解することができる。
8週 中和滴定 VI
食酢中の酢酸の定量
食酢中に存在する酸を酢酸として中和滴定の原理に基づいて測定することで強塩基ー弱酸の滴定を理解し、指示薬の役割について理解できる。
2ndQ
9週 中和滴定 Ⅶ
食酢中の酢酸の定量結果に対する説明
滴定結果の数値のバラツキと精度、標準偏差との関係を理解することができる。
10週 キレート滴定 Ⅰ
教室講義(キレート生成反応の説明と滴定の原理)
キレート滴定の原理とEDTA標準液を用いたキレート滴定について濃度計算ができる。
11週 キレート滴定 Ⅱ
教室講義(キレート滴定による応用例としてEDTA標準液を用いた水の硬度測定法と濃度計算)
キレート滴定による応用例としての水の硬度測定法を理解し、濃度計算ができる。
12週 酸化還元滴定 Ⅰ
教室講義(酸化還元反応の原理と過マンガン酸カリウム溶液を用いた滴定法の説明)
酸化還元反応の原理を理解することができる。
13週 酸化還元滴定 Ⅱ
教室講義(硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)中の鉄の定量を具体例とした濃度計算)
酸化還元反応の実例に基づいた濃度計算を理解できる。
14週 器具点検・清掃
・器具点検、片付け、清掃
・調整試薬の整理と廃棄
廃液処理方法ならびに器具の保管法について理解できる。
15週 前期総括
定量分析のまとめ、小テスト
16週 定期試験なし
後期
3rdQ
1週 無機化学に関する実験
・実験を安全に行うための諸注意
・テキスト配布、実験内容の説明
・器具点検、整理
実験の安全性を理解し、レポートの書き方、廃液の扱い、無機化学実験において必要な基礎的内容を理解できる。
2週 無機化学に関する実験
・各実験内容の説明
実験で使用する器具の取り扱いと廃液処理に関して理解できる。
3週 無機化学に関する実験
第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。
 1.無電解ニッケルめっき(全3週)
酸化還元反応を利用した表面処理法について理解できる。
4週 無機化学に関する実験
第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。
 1.無電解ニッケルめっき(全3週)
酸化還元反応を利用した表面処理法について理解できる。
5週 無機化学に関する実験
第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。
 1.無電解ニッケルめっき(全3週)
酸化還元反応を利用した表面処理法について理解できる。
6週 無機化学に関する実験
第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。
 2.pHメーターを用いた中和滴定(全3週)
pHメーターの原理と取り扱いについて理解し、中和滴定において指示薬を使用した場合との違いを理解できる。
7週 無機化学に関する実験
第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。
 2.pHメーターを用いた中和滴定(全3週)
pHメーターの原理と取り扱いについて理解し、中和滴定において指示薬を使用した場合との違いを理解できる。
8週 無機化学に関する実験
第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。
 2.pHメーターを用いた中和滴定(全3週)
pHメーターの原理と取り扱いについて理解し、中和滴定において指示薬を使用した場合との違いを理解できる。
4thQ
9週 無機化学に関する実験
第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。
 3.金属錯体の合成と光反応(全3週)
金属錯体の合成方法について理解し、その反応性について実験を通じて理解できる。反応収率の計算が出来る。
10週 無機化学に関する実験
第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。
 3.金属錯体の合成と光反応(全3週)
金属錯体の合成方法について理解し、その反応性について実験を通じて理解できる。反応収率の計算が出来る。
11週 無機化学に関する実験
第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。
 3.金属錯体の合成と光反応(全3週)
金属錯体の合成方法について理解し、その反応性について実験を通じて理解できる。反応収率の計算が出来る。
12週 無機化学に関する実験
第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。
 4.環境水中の鉄の定量分析(全3週)
環境水中に存在する鉄を、比色分析法で定量する原理と方法を理解できる。
13週 無機化学に関する実験
第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。
 4.環境水中の鉄の定量分析(全3週)
環境水中に存在する鉄を、比色分析法で定量する原理と方法を理解できる。
14週 無機化学に関する実験
第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。
 4.環境水中の鉄の定量分析(全3週)
環境水中に存在する鉄を、比色分析法で定量する原理と方法を理解できる。
15週 まとめ、器具点検、片付け、清掃
16週 定期試験なし

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合08000020100
基礎的能力0500001060
専門的能力0200001030
分野横断的能力010000010