概要:
前期:分析化学の基本的実験技術(定量分析)を習得する。
後期:無機化学および分析化学、工業的化学技術に関する実験を通じ、安全な実験の進め方と実験技術を習得することができる。
授業の進め方・方法:
前期:
[ 実験テーマ]
1.重量分析
2.中和滴定
3.キレート滴定
4.酸化還元滴定
後期:
実験は4テーマ。2~3人でグループを作り、各テーマごとに3~4グループが実験を行う。
実験前には試薬の安全な取り扱い方法、実験の原理、実験操作について予習しておき、それについてノートチェックを行う。
[ 実験テーマ]
1.無電解ニッケルめっき
2.pHメーターを用いた中和滴定
3.金属錯体の合成と光反応
4.環境水中の鉄の定量分析
注意点:
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス ・実験を安全に行うための諸注意、レポートの書き方、廃液の扱いなど 重量分析(講義) ・天秤の使い方、精度、恒量など ・物質の酸化、熱分解、結晶水の脱離など |
実験の安全性を理解し、レポートの書き方、廃液の扱い、重量分析における天秤の使い方、精度、秤量における恒量、物質の酸化、熱分解、結晶水の脱離の基礎を理解できる。
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2週 |
器具点検 ・各自の器具点検 重量分析 ・るつぼの秤量と恒量、バラツキと標準偏差の計算 |
重量分析の基本である秤量とバラツキ、恒量の概念を理解し、天秤の原理や定量用器具の取り扱いを理解できる。
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3週 |
中和滴定 Ⅰ 教室講義 |
中和滴定の原理を理解し、濃度計算ができる。
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4週 |
中和滴定 Ⅱ 炭酸ナトリウム標準液と塩酸標準液の調製 |
炭酸ナトリウム標準液と塩酸標準液を調製し、力価の概念を理解できる。
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5週 |
中和滴定 Ⅲ 塩酸標準液の滴定 |
炭酸ナトリウム標準液を用いて中和滴定をし、実験値のバラツキや標準偏差の考えを理解し、塩酸標準液の力価を求めることができる。弱塩基ー強酸の滴定を理解し、指示薬の役割について理解できる。
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6週 |
中和滴定 Ⅳ 水酸化ナトリウム標準液の調製と滴定 |
水酸化ナトリウム標準液を調製し、力価が求められている塩酸標準溶液を用いて中和滴定によって水酸化ナトリウム標準溶液の力価を求めることができる。
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7週 |
中和滴定 Ⅴ 水酸化ナトリウム標準液の滴定結果のグラフ表示と中和点の決定に関する説明 |
強酸ー強塩基の滴定を理解し、水酸化ナトリウム標準液の滴定結果のグラフ表示と中和点の決定を理解することができる。
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8週 |
中和滴定 VI 食酢中の酢酸の定量 |
食酢中に存在する酸を酢酸として中和滴定の原理に基づいて測定することで強塩基ー弱酸の滴定を理解し、指示薬の役割について理解できる。
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2ndQ |
9週 |
中和滴定 Ⅶ 食酢中の酢酸の定量結果に対する説明 |
滴定結果の数値のバラツキと精度、標準偏差との関係を理解することができる。
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10週 |
キレート滴定 Ⅰ 教室講義(キレート生成反応の説明と滴定の原理) |
キレート滴定の原理とEDTA標準液を用いたキレート滴定について濃度計算ができる。
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11週 |
キレート滴定 Ⅱ 教室講義(キレート滴定による応用例としてEDTA標準液を用いた水の硬度測定法と濃度計算) |
キレート滴定による応用例としての水の硬度測定法を理解し、濃度計算ができる。
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12週 |
酸化還元滴定 Ⅰ 教室講義(酸化還元反応の原理と過マンガン酸カリウム溶液を用いた滴定法の説明) |
酸化還元反応の原理を理解することができる。
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13週 |
酸化還元滴定 Ⅱ 教室講義(硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)中の鉄の定量を具体例とした濃度計算) |
酸化還元反応の実例に基づいた濃度計算を理解できる。
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14週 |
器具点検・清掃 ・器具点検、片付け、清掃 ・調整試薬の整理と廃棄 |
廃液処理方法ならびに器具の保管法について理解できる。
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15週 |
前期総括 定量分析のまとめ、小テスト |
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16週 |
定期試験なし |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
無機化学に関する実験 ・実験を安全に行うための諸注意 ・テキスト配布、実験内容の説明 ・器具点検、整理 |
実験の安全性を理解し、レポートの書き方、廃液の扱い、無機化学実験において必要な基礎的内容を理解できる。
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2週 |
無機化学に関する実験 ・各実験内容の説明 |
実験で使用する器具の取り扱いと廃液処理に関して理解できる。
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3週 |
無機化学に関する実験 第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。 1.無電解ニッケルめっき(全3週) |
酸化還元反応を利用した表面処理法について理解できる。
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4週 |
無機化学に関する実験 第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。 1.無電解ニッケルめっき(全3週) |
酸化還元反応を利用した表面処理法について理解できる。
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5週 |
無機化学に関する実験 第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。 1.無電解ニッケルめっき(全3週) |
酸化還元反応を利用した表面処理法について理解できる。
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6週 |
無機化学に関する実験 第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。 2.pHメーターを用いた中和滴定(全3週) |
pHメーターの原理と取り扱いについて理解し、中和滴定において指示薬を使用した場合との違いを理解できる。
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7週 |
無機化学に関する実験 第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。 2.pHメーターを用いた中和滴定(全3週) |
pHメーターの原理と取り扱いについて理解し、中和滴定において指示薬を使用した場合との違いを理解できる。
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8週 |
無機化学に関する実験 第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。 2.pHメーターを用いた中和滴定(全3週) |
pHメーターの原理と取り扱いについて理解し、中和滴定において指示薬を使用した場合との違いを理解できる。
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4thQ |
9週 |
無機化学に関する実験 第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。 3.金属錯体の合成と光反応(全3週) |
金属錯体の合成方法について理解し、その反応性について実験を通じて理解できる。反応収率の計算が出来る。
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10週 |
無機化学に関する実験 第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。 3.金属錯体の合成と光反応(全3週) |
金属錯体の合成方法について理解し、その反応性について実験を通じて理解できる。反応収率の計算が出来る。
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11週 |
無機化学に関する実験 第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。 3.金属錯体の合成と光反応(全3週) |
金属錯体の合成方法について理解し、その反応性について実験を通じて理解できる。反応収率の計算が出来る。
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12週 |
無機化学に関する実験 第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。 4.環境水中の鉄の定量分析(全3週) |
環境水中に存在する鉄を、比色分析法で定量する原理と方法を理解できる。
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13週 |
無機化学に関する実験 第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。 4.環境水中の鉄の定量分析(全3週) |
環境水中に存在する鉄を、比色分析法で定量する原理と方法を理解できる。
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14週 |
無機化学に関する実験 第3週から14週までローテーションで4テーマについて実験する。 4.環境水中の鉄の定量分析(全3週) |
環境水中に存在する鉄を、比色分析法で定量する原理と方法を理解できる。
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15週 |
まとめ、器具点検、片付け、清掃 |
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16週 |
定期試験なし |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学実験 | 化学実験 | 試薬の調製ができる。 | 3 | |
代表的な気体発生の実験ができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 分析化学 | 電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。 | 4 | |
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。 | 4 | |
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。 | 4 | |
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。 | 4 | |
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。 | 4 | |
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。 | 4 | |
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。 | 4 | |
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。 | 4 | |
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。 | 4 | |
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。 | 4 | |
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。 | 4 | |
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。 | 4 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 分析化学実験 | 中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。 | 4 | |
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。 | 4 | |
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。 | 4 | |
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。 | 4 | |
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。 | 3 | |