無機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 無機化学Ⅰ
科目番号 3K013 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 シュライバー・アトキンス無機化学(上)(原著 第6版) :M.Weller, T. Overton, J.Rourke, F.Arms trong:東京化学同人
担当教員 深澤 永里香

到達目標

新学習指導要領に基づく中学校理科教育に対応するためには,専門分野へと進む前段階として,化学や物理などの基礎的知識の習得を確実なものとすることが大切である。本授業によって,以下のことが理解できる。
□ 1年生で学んだ化学IとIIを基礎とし,化学分野の一つである無機化学についての基本概念を理解し,基礎知識を習得できる。
□ 化学および物理の立場から物質についての基礎的知識を理解することができる。
□ 周期表と原子の電子配置が理解できる。
□ 物質を化学結合によって分類し,その化学結合に由来する性質を理解できる。
□ 化学反応とそれに伴うエネルギー変化について理解することができる。
□ 酸と塩基の定義を理解し,物質を分類することができる。
□ 酸化還元反応について理解することができる。
□ 原子の構造とBohrの原子モデルを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酸と塩基の性質が十分説明できる。酸と塩基の性質が説明できる。酸と塩基の性質が説明できない。
評価項目2酸化と還元の性質が十分説明できる。酸化と還元の性質が説明できる。酸化と還元の性質が説明できない。
評価項目3原子の性質が十分説明できる。原子の性質が説明できる。原子の性質が説明できない。
評価項目4周期表の各族元素ごとの共通する電子配置と性質を十分説明できる。周期表の各族元素ごとの共通する電子配置と性質を説明できる。周期表の各族元素ごとの共通する電子配置と性質を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
授業計画を参照のこと
授業の進め方・方法:
座学
注意点:
・復習をしてわからないところはそのままにしないで,必ず質問して下さい。
・前回の授業内容を復習して十分に理解し,次の授業に臨むこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 酸と塩基(1) ルイス酸・塩基について理解できる。
2週 酸と塩基(2) 硬い酸と柔らかい酸の概念を理解できる。
3週 酸化と還元(1) 酸化と還元の歴史を説明できる。
4週 酸化と還元(2) 還元反応の利用による金属単体の抽出を理解できる。
5週 酸化と還元(3) Ellingham diagramの利用して金属単体の抽出を説明できる。
6週 酸化と還元(4) 電子移動と酸化還元反応を理解できる。
7週 酸化と還元(5) 電極電位とNernstの式を理解できる。不均化反応とLatimer diagramを説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 原子の構造(1) Bohrモデルを説明できる。
10週 原子の構造(2) 原子内の電子配置を理解する。
11週 原子の構造(3) 最外殻電子とイオン化ポテンシャルを説明できる。
12週 原子の構造(4) 周期表と電子配置を理解する。
13週 化学結合(1) Heilter-Londonの考えと原子価結合論を理解できる。
14週 化学結合(2) 共有結合における電子昇位と混成結合の生成を説明できる。
15週 前期末試験
16週 前期第15回目授業(答案返却)・化学結合(2) 原子価殻電子対反発(VSEPR)理論と分子の構造を説明できる。
後期
3rdQ
1週 化学結合(4) 等核二原子分子と多原子分子における化学結合を説明できる。
2週 化学結合(5) 分子軌道理論を説明できる。
3週 化学結合(6) 分子軌道理論を説明できる。
4週 化学結合(7) 結合性軌道と反結合性軌道の関係を説明できる。
5週 化学結合(8) 等核二原子分子における分子軌道の概略を理解する。
6週 化学結合(9) 異核二原子分子における分子軌道の概略を理解できる。
7週 化学結合(10) 多原子分子における分子軌道の概略を理解できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 イオン性結合と金属結合 結晶と非結晶を説明できる。
10週 結晶(1) 結晶系とBravais格子を説明できる。
11週 結晶(2) 多形と不安定系を理解する。構造解析技術とBraggの回折条件を理解する。
12週 周期表と各族元素(1) 周期表の内容を理解し、主要な各族元素について理解する。水素原子と1族元素、2族元素、3‐12族元素で各族ごとに共通する特徴と性質を理解する。
13週 周期表と各族元素(2) 13族-18族元素について。各族ごとに共通する特徴と性質を理解する。
14週 イオン結合のエネルギー論(1) 格子エンタルピーを説明できる。
15週 後期期末試験
16週 後期第15回目授業(答案返却)・イオン結合のエネルギー論(2) ボルン・ハーバーサイクルを説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学σ結合とπ結合について説明できる。3
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3
共鳴構造について説明できる。3
無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。3
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。3
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。3
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。3
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。3
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。3
イオン結合と共有結合について説明できる。3
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。3
金属結合の形成について理解できる。3
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。3
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。3
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3
配位結合の形成について説明できる。3
水素結合について説明できる。3
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。3
錯体の命名法の基本を説明できる。3
配位数と構造について説明できる。3
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。3
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。3
分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。3
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。3
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。3
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。3
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。3
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。3
錯体の生成について説明できる。3
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。3
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。3
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。3
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。3
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。3
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。3
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。3
物理化学平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。3
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。3
均一および不均一反応の平衡を説明できる。3
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。3
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。3

評価割合

レポート中間試験期末試験態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合204040000100
前期10202000050
後期10202000050
専門的能力0000000