物質工学実験Ⅲ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物質工学実験Ⅲ
科目番号 3K018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 実験テキストを配布する。
担当教員 友坂 秀之,中島 敏,大岡 久子,工藤 まゆみ

到達目標

前期:
□生化学、微生物学分野の実験を安全に行なうことができる。
□タンパク質の一般的な性質を知り、タンパク質の基礎的な分離・精製の技術が理解でき、技術を使うことができる。
□脂質の抽出と定性分析ができる。
□酵素によるデンプンの分解を通して、糖の性質、酵素、緩衝液について理解できる。
□微生物の分離、生菌数の測定ができる。
□微生物の染色方法を知り、顕微鏡観察ができる。
□微生物の増殖率の測定ができる。
後期:
□有機化学実験の手法を学び、正しく安全に実験が行える。
□基本的な有機合成ができる。
□分液ロートを用いた抽出操作により、有機化合物を分離できる。
□蒸留または再結晶により、有機化合物を分離、精製できる。
□機器分析を用いた有機化合物の物性評価および構造解析ができる。
□合成した有機化合物の収率および純度について適切に考察できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1生化学、微生物学分野の実験を十分安全に行なうことができる生化学、微生物学分野の実験を安全に行ううことができる生化学、微生物学分野の実験を安全に行なうことができない
評価項目2タンパク質の一般的な性質を知り、タンパク質の基礎的な分離・精製の技術が理解でき、技術を使うことができるタンパク質の一般的な性質を知り、タンパク質の基礎的な分離・精製の技術が理解できるタンパク質の一般的な性質を知り、タンパク質の基礎的な分離・精製の技術が理解できず、技術を使えない
評価項目3脂質の抽出と定性分析ができる脂質の抽出と定性分析を理解している脂質の抽出と定性分析ができない
評価項目4酵素によるデンプンの分解を通して、糖の性質、酵素、緩衝液について理解できる酵素によるデンプンの分解を通して、糖の性質、酵素、緩衝液についてほぼ理解している酵素によるデンプンの分解を通して、糖の性質、酵素、緩衝液について理解できない
評価項目5微生物の分離、生菌数の測定ができる微生物の分離、生菌数の測定を理解している微生物の分離、生菌数の測定ができない
評価項目6微生物の染色方法を知り、顕微鏡観察ができる微生物の染色方法を知り、顕微鏡観察について理解している微生物の染色方法を知り、顕微鏡観察ができない
評価項目7微生物の増殖率の測定ができる微生物の増殖率の測定を理解している微生物の増殖率の測定ができない
評価項目8有機化学実験の手法を理解し、正しく安全に実験が行える。有機化学実験を正しく安全に行える。有機化学実験を正しく安全に行えない。
評価項目9反応機構および手順を理解し、基本的な有機合成ができる。基本的な有機合成ができる。基本的な有機合成ができない。
評価項目10分液の原理を理解し、分液ロートを用いた抽出操作により、有機化合物を分離できる。分液ロートを用いた抽出操作により、有機化合物を分離できる。分液ロートを用いた抽出操作により、有機化合物を分離できない。
評価項目11蒸留および再結晶の原理を理解し、これらの手法を用いて有機化合物を分離、精製できる。蒸留または再結晶により、有機化合物を分離、精製できる。蒸留または再結晶により、有機化合物を分離、精製できない。
評価項目12分析機器を用いて有機化合物を測定し、物性評価と構造解析ができる。分析機器を用いて有機化合物を測定することができる。分析機器を用いて有機化合物を測定することができない。
評価項目13合成した有機化合物の収率および純度について、根拠を説明しながら適切に考察できる。合成した有機化合物の収率および純度について考察できる。合成した有機化合物の収率および純度について考察できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 D-2 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
前期:生体を構成する主要な物質および微生物についての理解を深め、これらを利用するために必要な基礎的な知識・技術を習得する。
後期:有機化学実験の基本について学ぶ。有機化合物の合成、単離、精製、および機器分析について理解を深め、実験技術を習得する。
授業の進め方・方法:
実験
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 実験の安全、実験上の注意、実験内容、レポートの作成等について理解できる
2週 核酸の構造(1) 核酸の発見や働きについて理解できる
3週 核酸の構造(2)
分子模型によるDNAの構造理解
核酸分子の構造について理解できる
4週 タンパク質の性質(1) タンパク質の一般的な性質を知り、タンパク質の基礎的な分離・精製の技術が理解できる。
5週 タンパク質の性質(2) タンパク質の一般的な性質を知り、タンパク質の基礎的な分離・精製の技術が理解できる。
6週 脂質の抽出と定性分析(1) 脂質の抽出と定性分析ができる。
7週 脂質の抽出と定性分析(2) 脂質の抽出と定性分析ができる。
8週 酵素(唾液)によるデンプンの分解(1) 酵素によるデンプンの分解を通して、糖の性質、酵素、緩衝液について理解できる。
2ndQ
9週 酵素(唾液)によるデンプンの分解(2) 酵素によるデンプンの分解を通して、糖の性質、酵素、緩衝液について理解できる。
10週 微生物学実験~存在と種類~(1) 微生物の基本的取扱いが理解できる
微生物の分離ができる。
11週 微生物学実験~存在と種類~(2) 微生物の染色方法を知り、顕微鏡観察ができる。
12週 微生物学実験~測定~(1) 微生物の生菌数の測定ができる。
13週 微生物学実験~測定~(1) 微生物の増殖率の測定ができる。
14週 レポート返却
15週 まとめ
16週
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 有機化学実験で用いる試薬や器具の取り扱い、安全について理解できる。実験ノートとレポートの作成における留意事項について理解できる。
2週 実験室の安全について(事故例に学ぶ) 有機化学実験を安全に行うための諸注意を十分に理解できる。
3週 テーマA 分液操作による混合物の分離抽出(1) 酸性物質と塩基性物質を分液操作によって分離する方法と原理を理解できる。
4週 テーマA 分液操作による混合物の分離抽出(2) 分液ロートを用いて酸性物質と塩基性物質を分離できる。
5週 反応機構解説 酢酸エチルの合成(テーマA)およびアセトアニリドの合成(テーマC)で用いるカルボン酸誘導体の求核付加ー脱離反応について理解できる。
6週 テーマB 酢酸エチルの合成(1) 酢酸エチルの合成法と反応機構、および蒸留による精製法について理解できる。
7週 テーマB 酢酸エチルの合成(2) 酢酸エチルを合成できる。
8週 テーマB 酢酸エチルの合成(3) 合成した酢酸エチルを精密蒸留によって精製できる。
4thQ
9週 テーマC アセトアニリドの合成(1) アセトアニリドの合成法と反応機構、および再結晶による精製法について理解できる。
10週 テーマC アセトアニリドの合成(2) アセトアニリドを合成できる。
11週 テーマC アセトアニリドの合成(3) 合成したアセトアニリドを再結晶によって精製できる。融点測定器を用いてアセトアニリドの融点を測定し、純度を評価できる。
12週 機器分析解説 赤外分光法(IR)および核磁気共鳴分光法(NMR)について理解できる。
13週 IRスペクトル・NMRスペクトル測定 合成した酢酸エチルまたはアセトアニリドのIR・NMRスペクトルを測定し、構造解析と純度の評価ができる。
14週 実験室清掃、器具整理、レポート返却
15週 まとめ
16週

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合0100100
前期05050
後期05050