概要:
この科目は、企業等で研究開発に携わっていた教員が、その経験を活かし、量子論、化学結合、原子・分子構造、熱力学、相・化学平衡、電解質溶液について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
座学
注意点:
微分・積分を問題なく出来るように復習しておくこと。
予習と復習をしっかりと行うこと。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
前期量子論 黒体放射、光電効果、ド・ブロイの関係式、ボーア模型 |
黒体放射、光電効果、ド・ブロイの関係式、ボーア模型を説明できる。
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2週 |
量子力学(1) 不確定性原理 |
不確定性原理を説明できる。
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3週 |
量子力学(2) シュレディンガー方程式 |
シュレディンガー方程式を導出できる。
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4週 |
量子力学(3) 1次元箱型ポテンシャル井戸の中の電子 |
1次元箱型ポテンシャル井戸の中の電子をシュレディンガー方程式で表し、その波動関数とエネルギーを求めることができる。
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5週 |
原子構造(1) 水素原子の軌道と量子数 |
水素原子の軌道と量子数について説明できる。
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6週 |
原子構造(2) 動径分布関数 |
動径分布関数を説明できる。
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7週 |
原子構造(3) 水素類似原子の軌道エネルギーと電子配置 |
水素類似原子の軌道エネルギーと電子配置を説明できる。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
分子構造(1) イオン結合 |
イオン結合を説明できる。
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10週 |
分子構造(2) 共有結合、分子軌道法(LCAO近似)、水素分子イオン |
水素分子イオンを例にして共有結合を説明できる。
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11週 |
分子構造(3) パイ電子系の電子構造、エチレン |
LCAO近似によりエチレンのパイ電子軌道を求めることができる。
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12週 |
分子構造(4) 分子軌道法(ヒュッケル近似) |
ヒュッケル近似によりアリルラジカルの波動関数と軌道エネルギーを求め、ラジカルの反応性を説明できる。
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13週 |
分子構造(5) 等核2原子分子、結合次数 |
結合次数を求めることができる。
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14週 |
分子構造(6) 異核2原子分子、電気双極子モーメント |
電気双極子モーメントを求めることができる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
分子構造(7) 多原子分子、VSEPR理論、混成軌道 |
VSEPR理論により分子の形を説明できる。混成軌道を説明できる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
熱力学(1) 熱力学第一法則、等温膨張 |
可逆等温膨張にともなう仕事と熱を求めることができる。
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2週 |
熱力学(2) 可逆変化と不可逆変化、断熱膨張 |
不可逆等温膨張にともなう仕事を求めることができる。 可逆断熱膨張にともなう圧力変化を求めることができる。
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3週 |
熱力学(3) エンタルピー |
反応にともなうエンタルピー変化を求めることができる。
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4週 |
熱力学(4) 熱力学第二法則、エントロピー |
状態変化にともなうエントロピー変化を求めることができる。
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5週 |
熱力学(5) 自由エネルギー、化学ポテンシャル |
反応や状態変化にともなうギブス自由エネルギー変化を求めることができる。
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6週 |
相平衡(1) 相律 |
自由度を求めることができる。
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7週 |
相平衡(2) クラペイロン-クラウジウスの式とその応用 |
平衡圧の温度変化を説明できる。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
相平衡(3) 理想溶液、ラウールの法則とその応用 |
ラウールの法則を説明できる。
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10週 |
相平衡(4) 分留、水蒸気蒸留、ヘンリーの法則 |
分留の原理を説明できる。
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11週 |
相平衡(5) 理想希薄溶液、蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下、束一的性質 |
蒸気圧降下について説明できる。
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12週 |
相平衡(6) 浸透圧に関するファントホッフの法則 |
浸透圧を説明できる。
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13週 |
化学平衡(1) 自由エネルギーと平衡定数、平衡定数の温度変化 |
標準ギブス自由エネルギー変化と平衡定数の式を示すことができる。 平衡定数の温度変化を説明できる。
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14週 |
化学平衡(2) 不均一系の化学平衡、活量 |
不均一系の平衡定数について説明できる。 活量を説明できる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
電解質溶液 電解質溶液の電気伝導、弱電解質の電離平衡 |
強電解質と弱電解質の電導度の違いを説明できる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 4 | |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 4 | |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 4 | |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 4 | |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 4 | |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 4 | |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 4 | |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 4 | |
分析化学 | 電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。 | 4 | |
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。 | 4 | |
物理化学 | 純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。 | 4 | |
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。 | 4 | |
束一的性質を説明できる。 | 4 | |
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。 | 4 | |
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。 | 4 | |
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。 | 4 | |
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。 | 4 | |
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。 | 4 | |
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。 | 4 | |
エンタルピーの温度依存性を計算できる。 | 4 | |
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。 | 4 | |
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。 | 4 | |
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。 | 4 | |
均一および不均一反応の平衡を説明できる。 | 4 | |
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。 | 4 | |
純物質の絶対エントロピーを計算できる。 | 4 | |
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。 | 4 | |
化学工学 | 蒸留の原理について理解できる。 | 4 | |
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。 | 4 | |