物理化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物理化学Ⅱ
科目番号 4K009 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「物理化学要論(第7版)」アトキンス他著(東京化学同人)
担当教員 ルカノフ アレクサンダー

到達目標

量子化学、分子構造、熱力学とその応用について理解し、具体的な事象に応用できる能力を養う。
(1) 量子化の概念を説明できる。
(2) 原子軌道を説明できる。
(3) 分子を形成する結合について説明できる。
(4) エンタルピーの計算ができる。
(5) 自由エネルギーの計算ができる。
(6) 一成分系、二成分系の相平衡について説明できる。
(7) 平衡定数について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1量子化の概念を充分に理解し説明できる。量子化の概念を説明できる。量子化の概念を説明できない。
評価項目2原子軌道を充分に理解し説明できる。原子軌道を説明できる。原子軌道を説明できない。
評価項目3分子を形成する結合について充分に理解し説明できる。分子を形成する結合について説明できる。分子を形成する結合を説明できない。
評価項目4エンタルピーについて充分に理解し計算ができる。エンタルピーの計算ができる。エンタルピーの計算ができない。
評価項目5自由エネルギーについて充分に理解し計算ができる。自由エネルギーの計算ができる。自由エネルギーの計算ができない。
評価項目6一成分系、二成分系の相平衡について充分に理解し説明できる。一成分系、二成分系の相平衡について説明できる。一成分系、二成分系の相平衡について説明できない。
評価項目7平衡定数について充分に理解し説明できる。平衡定数について説明できる。平衡定数について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は、企業等で研究開発に携わっていた教員が、その経験を活かし、量子論、化学結合、原子・分子構造、熱力学、相・化学平衡、電解質溶液について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
座学
注意点:
微分・積分を問題なく出来るように復習しておくこと。
予習と復習をしっかりと行うこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期量子論
  黒体放射、光電効果、ド・ブロイの関係式、ボーア模型
黒体放射、光電効果、ド・ブロイの関係式、ボーア模型を説明できる。
2週 量子力学(1)
  不確定性原理 
不確定性原理を説明できる。
3週 量子力学(2)
  シュレディンガー方程式
シュレディンガー方程式を導出できる。
4週 量子力学(3)
  1次元箱型ポテンシャル井戸の中の電子
1次元箱型ポテンシャル井戸の中の電子をシュレディンガー方程式で表し、その波動関数とエネルギーを求めることができる。
5週 原子構造(1)
  水素原子の軌道と量子数
水素原子の軌道と量子数について説明できる。
6週 原子構造(2)
  動径分布関数
動径分布関数を説明できる。
7週 原子構造(3)
  水素類似原子の軌道エネルギーと電子配置
水素類似原子の軌道エネルギーと電子配置を説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 分子構造(1)
  イオン結合
イオン結合を説明できる。
10週 分子構造(2)
  共有結合、分子軌道法(LCAO近似)、水素分子イオン
水素分子イオンを例にして共有結合を説明できる。
11週 分子構造(3)
  パイ電子系の電子構造、エチレン
LCAO近似によりエチレンのパイ電子軌道を求めることができる。 
12週 分子構造(4)
  分子軌道法(ヒュッケル近似)
ヒュッケル近似によりアリルラジカルの波動関数と軌道エネルギーを求め、ラジカルの反応性を説明できる。
13週 分子構造(5)
  等核2原子分子、結合次数
結合次数を求めることができる。
14週 分子構造(6)
  異核2原子分子、電気双極子モーメント
電気双極子モーメントを求めることができる。
15週 期末試験
16週 分子構造(7)
  多原子分子、VSEPR理論、混成軌道
VSEPR理論により分子の形を説明できる。混成軌道を説明できる。
後期
3rdQ
1週 熱力学(1)
  熱力学第一法則、等温膨張
可逆等温膨張にともなう仕事と熱を求めることができる。
2週 熱力学(2)
  可逆変化と不可逆変化、断熱膨張
不可逆等温膨張にともなう仕事を求めることができる。
可逆断熱膨張にともなう圧力変化を求めることができる。
3週 熱力学(3)
  エンタルピー
反応にともなうエンタルピー変化を求めることができる。
4週 熱力学(4)
  熱力学第二法則、エントロピー
状態変化にともなうエントロピー変化を求めることができる。
5週 熱力学(5)
  自由エネルギー、化学ポテンシャル
反応や状態変化にともなうギブス自由エネルギー変化を求めることができる。
6週 相平衡(1)
  相律
自由度を求めることができる。
7週 相平衡(2)
  クラペイロン-クラウジウスの式とその応用
平衡圧の温度変化を説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 相平衡(3)
  理想溶液、ラウールの法則とその応用
ラウールの法則を説明できる。
10週 相平衡(4)
  分留、水蒸気蒸留、ヘンリーの法則
分留の原理を説明できる。
11週 相平衡(5)
  理想希薄溶液、蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下、束一的性質
蒸気圧降下について説明できる。
12週 相平衡(6)
  浸透圧に関するファントホッフの法則
浸透圧を説明できる。
13週 化学平衡(1)
  自由エネルギーと平衡定数、平衡定数の温度変化
標準ギブス自由エネルギー変化と平衡定数の式を示すことができる。
平衡定数の温度変化を説明できる。
14週 化学平衡(2)
  不均一系の化学平衡、活量
不均一系の平衡定数について説明できる。
活量を説明できる。
15週 期末試験
16週 電解質溶液
  電解質溶液の電気伝導、弱電解質の電離平衡
強電解質と弱電解質の電導度の違いを説明できる。

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000