有機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 有機化学Ⅱ
科目番号 4K011 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:ブルース 有機化学(上)(下), 第7版:Paula Y. Bruice 著 大船泰史・香月勗・西郷和彦・富岡清 監訳:化学同人
担当教員 友坂 秀之,工藤 まゆみ

到達目標

□芳香族化合物の芳香族性などの性質を理解できる。
□ベンゼンのハロゲン化やニトロ化などの求電子置換反応を理解できる。
□ベンゼン環上の置換基の効果を理解できる。
□ベンゼンの求核置換反応を理解できる。
□アルデヒド、ケトンの求核付加反応について理解することができる。
□アルデヒド、ケトンの求核付加ー脱離反応について理解することができる。
□カルボン酸誘導体の求核アシル置換反応について理解することができる。
□アミンの性質と反応を理解することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1芳香族化合物の性質について、具体例を挙げ説明できる。芳香族化合物の性質を理解できる。左記に達していない。
評価項目2ベンゼンの求電子置換反応と求核置換反応について、それぞれ具体例を挙げ説明できる。ベンゼンの求電子置換反応と求核置換反応をそれぞれ理解できる。左記に達していない。
評価項目3ベンゼン環上の置換基の効果について、具体例を挙げ説明できる。ベンゼン環上の置換基の効果を理解できる。左記に達していない。
評価項目4アルデヒド、ケトンの求核付加反応及び求核付加ー脱離反応について、十分に理解し、反応機構とともに説明することができる。アルデヒド、ケトンの求核付加反応及び求核付加ー脱離反応について理解することができる。アルデヒド、ケトンの求核付加反応及び求核付加ー脱離反応について理解することができない。
評価項目5カルボン酸誘導体の求核アシル置換反応について十分に理解し、反応機構とともに説明することができる。カルボン酸誘導体の求核アシル置換反応について理解することができる。カルボン酸誘導体の求核アシル置換反応について理解することができない。
評価項目6アミンの性質と反応を十分に理解し、説明することができる。アミンの性質と反応を理解することができる。アミンの性質と反応を理解することができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化学Ⅱでは、2年生の基礎有機化学および3年生の有機化学Ⅰで学んだ有機化学の基礎をもとに、様々な有機化合物の物性や反応性など、より専門的な有機化学の知識を得る。
授業の進め方・方法:
授業計画を参照のこと。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 芳香族化合物 ベンゼンの構造と安定性を理解できる。
2週 芳香族化合物 芳香族化合物の性質を理解できる。
3週 芳香族化合物 多環式芳香族化合物を理解できる。
4週 芳香族化合物 複素環式芳香族化合物を理解できる。
5週 芳香族化合物 芳香族化合物の命名法を理解できる。
6週 芳香族化合物 ベンゼンのハロゲン化、ニトロ化、およびスルホン化を理解できる。
7週 芳香族化合物 ベンゼンのFriedel-Craftsアシル化とFriedel-Craftsアルキル化、およびベンゼン環上の置換基の反応を理解できる。
課題問題の解答を作成できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 芳香族化合物 ベンゼンの反応性に対する置換基効果を理解できる。
10週 芳香族化合物 置換ベンゼンの配向性に及ぼす置換基の効果を理解できる。
11週 芳香族化合物 ベンゼン誘導体のpKaに及ぼす置換基の効果、およびその他の置換基効果を理解できる。
12週 芳香族化合物 二置換および三置換のベンゼンの合成を理解できる。
13週 芳香族化合物 アレーンジアゾニウム塩を用いる置換ベンゼンの合成を理解できる。
14週 芳香族化合物 芳香族求核置換反応を理解できる。
15週 前期期末試験
16週 まとめ 課題問題の解答を作成できる。
後期
3rdQ
1週 アルデヒド、ケトンの命名法、性質 アルデヒド、ケトンについて、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。カルボニル化合物の構造および性質が説明できる。
2週 アルデヒド、ケトンの反応(1) アルデヒド、ケトンの求核付加反応と求核付加-脱離反応について理解できる。アルデヒド、ケトンの反応性を比較できる。
3週 アルデヒド、ケトンの反応(2) アルデヒド、ケトンとGrignard反応剤、アセチリドイオン、シアン化物イオンとの反応について説明できる。
4週 アルデヒド、ケトンの反応(3) アルデヒド、ケトンとヒドリドイオンの反応について説明できる。また、その他の還元反応について説明できる。
5週 アルデヒド、ケトンの反応(4) アルデヒド、ケトンとアミンの反応について説明できる。
6週 アルデヒド、ケトンの反応(5) アルデヒド、ケトンと水、アルコール、チオールとの反応について説明できる。
7週 アルデヒド、ケトンの反応(6) アルデヒド、ケトンと過酸、ホスホニウムイリドとの反応について説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 アルデヒド、ケトンの反応(7) α,β-不飽和アルデヒド、ケトンの求核付加反応について説明できる。反応機構の観点から、速度支配・熱力学支配に基づき、生成物が予測できる。
10週 カルボン酸誘導体の命名法 カルボン酸誘導体について、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。
11週 カルボン酸誘導体の反応(1) カルボン酸誘導体の求核アシル置換反応について理解し、反応性を比較できる。
12週 カルボン酸誘導体の反応(2) 塩化アシル、エステルの反応について説明できる。
13週 カルボン酸誘導体の反応(3) カルボン酸、アミド、酸無水物の反応について説明できる。カルボン酸の活性化について説明できる。
14週 カルボン酸誘導体の反応(4) カルボン酸誘導体とGrignard反応剤、ヒドリドイオンとの反応について説明できる。
15週 期末試験
16週 アミンの性質と反応、合成 アミンの構造、性質および反応について説明できる。アミンの合成法を説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4前1
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4前3,前14,後14
σ結合とπ結合について説明できる。4前3,前14
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4前3,前14
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4前6,前7,前8
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4前3,前14
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4前4,前5,前10,前11,前12,前13,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後15
共鳴構造について説明できる。4前2,前3
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4前1
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4前3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4前10,後3
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4前10,後3
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4前10,後3
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4前14,後14
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4前4,前5,前10,前11,前13,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後15
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4前4,前5,前10,前11,前13,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後15
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4前3,前14,後14
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4後7

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000