生物生産工学

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 生物生産工学
科目番号 5K008 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:特に指定なし(プリント等配布) 参考書:微生物学ー地球と健康を守るー(坂本順司,裳華房),応用生命科学の基礎(永井 和夫ほか,東京化学同人),新・微生物学(別府輝彦,IBS出版)
担当教員 大岡 久子

到達目標

□ 物質生産に有用な生物,特に微生物にどのようなものがいるか,理解できる。
□ 微生物や培養細胞等による有用物質の生産について,その基本的技術と実用化のプロセスを理解できる.
□ 遺伝子組換え技術をはじめとするバイオテクノロジーについて,その基礎から応用までを理解できる.
□ 生物多様性の意義を地球環境とのかかわりや産業利用の視点から理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物質生産に有用な生物,特に微生物にどのようなものがいるか,系統分類とのかかわりから理解できる.物質生産に有用な生物,特に微生物にどのようなものがいるか,理解できる.物質生産に有用な生物,特に微生物にどのようなものがいるか,理解できない.
評価項目2微生物や培養細胞等による有機酸,アミノ酸等の有用物質の生産について,そこに用いられた各種技術と実用化のプロセスについて説明できる.微生物や培養細胞等による有機酸,アミノ酸等の有用物質の生産について,その基本的技術と実用化のプロセスを理解できる.微生物や培養細胞等による有機酸,アミノ酸等の有用物質の生産について,その基本的技術と実用化のプロセスを理解できない.
評価項目3遺伝子組換え技術をはじめとするバイオテクノロジーについて,その原理と物質生産への応用までを実例も交えて説明できる.遺伝子組換え技術をはじめとするバイオテクノロジーについて,その原理と物質生産への応用までを理解できる.遺伝子組換え技術をはじめとするバイオテクノロジーについて,その原理と物質生産への応用までを理解できない.
評価項目4生物多様性の意義を地球環境とのかかわりや産業利用の視点から実例も交えて説明できる.生物多様性の意義を地球環境とのかかわりや産業利用の視点から理解できる.生物多様性の意義を地球環境とのかかわりや産業利用の視点から理解できない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生命科学の発展により,生物機能を利用した生産技術も変革を遂げている。食糧をはじめとする人間生活に必要な資源や素材の生産,地球環境との関連,資源生物の多様性の理解も重要性を増している。生物生産の立場からバイオテクノロジーや発酵生産の応用について理解・応用できるとともに,地球環境も視野に入れた能力を身につける。バイオテクノロジーが支える生物生産工学的視点から授業を行う。生命科学の成果を応用した諸技術と産業化のプロセスを,発酵工業をはじめとする生物生産の事例から学習する。産業上の利用からも地球環境的見地からも生物多様性とその維持が重要であることを理解する。
授業の進め方・方法:
板書による授業を基本とし,必要に応じて配布プリントや視聴覚教材を併用する。
注意点:
積極的に出席・質問して,ノートをしっかり取ること。
授業の順番や内容が一部変更になる場合には,その都度説明する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生物生産工学とは 生物の機能をそれを応用した物質生産について,実例を含めて概要を理解できる。
2週 微生物の多様性
発酵工業,工業的に用いられる微生物
微生物の多様性を知るとともに,発酵工業,工業的に用いられる代表的な原核微生物,真核微生物についてそれぞれ理解できる。
3週 微生物の増殖,培養方法,殺菌技術 微生物の増殖,培養,殺菌技術などについて理解できる。一次代謝と二次代謝についてその経路から応用までを理解できる。
4週 食品加工技術と微生物とのかかわり 食品安全にかかわる微生物の殺菌技術などについて理解できる.
5週 発酵工業(1) 伝統的な微生物の利用 エタノール,乳酸,クエン酸などの物質の発酵生産と生産性向上について理解できる。
6週 発酵工業(2) アミノ酸発酵,核酸発酵
酵素の生産,生体触媒と微生物変換
代謝制御発酵などによる,アミノ酸や核酸の生産性向上の原理・技術や育種について理解できる。
微生物による酵素の工業的生産,酵素や微生物などの生体触媒を用いた物質生産について理解できる。
7週 古典的変異育種と遺伝子組換え技術 遺伝子組換え技術の原理と,従来技術と比べてすぐれている点,留意すべき点について理解できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 抗生物質,生理活性物質の探索と生産
プロバイオティクス
医薬品などの探索研究や応用例について理解できる。
10週 医薬品の生産(インスリン,バイオ医薬など) 創薬やデザインについて理解できる。
11週 クローン技術,幹細胞と再生医療 バイオテクノロジーの動物や再生医療への応用例について理解できる。
12週 遺伝子組換え作物,食糧生産,細胞培養技術 作物(食用)や観賞用など,バイオテクノロジーの植物への応用例について説明できる。
13週 廃水処理・バイオレメディエーション 環境問題への取組み,微生物を用いた廃水処理や環境浄化について理解できる。
14週 地球環境の変化,温室効果ガスと生物,バイオ燃料 地球環境問題とこれらに対するバイオ関連技術の可能性について理解できる。
15週 身近な微生物と極限環境微生物 生物の多様性とその工業的利用について理解できる。
16週 定期試験

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力2000001030
専門的能力4000001050
分野横断的能力200000020