物性化学

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物性化学
科目番号 4K035 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「物性化学」古川行夫著(講談社)
担当教員 ルカノフ アレクサンダー

到達目標

物性化学の基礎を学び、材料の特性や応用について理解を深める。
・固体中を伝搬する弾性波の波数依存性を説明できる。
・固体の熱容量の温度特性について説明できる。
・一次元結晶のエネルギー~波数関係図(バンド図)を描くことができる。
・バンド図を使って導体と絶縁体の違いを説明できる。
・半導体のドーピング、pn接合について説明できる。
・分極の種類を3つ以上例示できる。
・固体の基礎吸収、直接遷移、間接遷移を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1固体の格子振動について理解し弾性波の伝搬特性を説明できる。固体中の弾性波の伝搬特性を説明できる。弾性波の伝搬特性を説明できない。
評価項目2規則的ポテンシャル場におけるバンド図を描くことができ、それを使って導体と絶縁体の違いを説明できる。バンド図を使って導体と絶縁体の違いを説明できる。バンド図を使って導体と絶縁体の違いを説明できない。
評価項目3バンド図を使って固体の基礎吸収、直接遷移、間接遷移を説明できる。固体の直接遷移と間接遷移を説明できる。固体の光吸収について説明できない。
評価項目4分極について充分に理解し3つ以上の例を上げることができる。分極の種類を3つ以上例示できる。分極の種類を例示できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
固体をつくる化学結合について学び、格子振動と熱的性質を学ぶ。一次元結晶を例にしてバンド図を学び、それを基礎とする電気的性質や光学的性質を学ぶ。さらに、誘電的性質を学ぶ。
この科目は企業等で研究開発に携わっていた教員が、その経験を活かし、物性化学の基礎(格子振動・熱的性質・電子構造・電気的性質・光学的性質等)について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
座学
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
固体をつくる化学結合
固体をつくる化学結合について説明できる。
2週 格子振動 格子振動を説明できる。
3週 熱的性質 熱的性質について説明できる。
4週 金属の自由電子(1)
  一次元の自由電子
一次元の自由電子について説明できる。
5週 金属の自由電子(2)
  三次元の自由電子
  状態密度
三次元の自由電子と状態密度について説明できる。
6週 金属の自由電子(3)
  フェルミ・ディラック分布
  電子数密度
フェルミ・ディラック分布と電子数密度について説明できる。
7週 金属の自由電子(4)
  フェルミ面
フェルミ面を説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 エネルギーバンド(1)
  自由電子
自由電子のエネルギーバンドを説明できる。
10週 エネルギーバンド(2)
  周期的ポテンシャル場
周期的ポテンシャル場で形成されるエネルギーバンドを説明できる。
  
11週 金属の導電性
  バンド図による理解
バンド図を用いて金属の導電性を説明できる。
12週 結晶中の電子の運動
  波束、群速度、有効質量
波束、群速度、有効質量を説明できる。
13週 光学的性質(1)
  直接遷移
  間接遷移
光学的な直接遷移と間接遷移について説明できる。
14週 光学的性質(2)
  光物理過程
  励起子吸収
光物理過程と励起子吸収について説明できる。
15週 期末試験
16週 誘電的性質 誘電的性質について説明できる。

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000