物質工学実験Ⅳ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物質工学実験Ⅳ
科目番号 0021 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 教科書 物質工学実験Ⅳ 自作プリント ,アトキンス物理化学要論 千原ら訳 東京化学同人 ;化学工学実験 東畑ら 産業図書
担当教員 田部井 康一,藤野 正家

到達目標

物理化学、有機材料化学、無機材料化学、高分子化学、生物工学、および化学工学で学習した内容を自ら実験する。
□各実験テーマに対し、実験計画、遂行および観察ができる。
□各テーマの現象や理論を理解し、考察できる。
□実測データの評価と解釈ができる。
□各テーマのデータをパソコン等を使用して、データ整理ができる。
□実験レポートを的確にまとめ、著述できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1基本的物性測定(気液平衡値、蒸気圧、熱伝導度、界面張力、密度、粘度等)を行うことにより、理論式をを理解し、それぞれの物性値を測定でき、理論値と比較考察できる。基本的物性測定(気液平衡値、蒸気圧、熱伝導度、界面張力、密度、粘度等)を行うことにより、理論式をを理解し、それぞれの物性値を測定でき、理論値と基本的比較考察できる。基本的物性測定(気液平衡値、蒸気圧、熱伝導度、界面張力、密度、粘度等)を行うことにより、理論式をを理解し、それぞれの物性値を測定でき、理論値と比較考察できない。
評価項目2物理化学分野の基本的項目(拡散、吸収、吸着、反応速度、吸光度等)を実験し、理論、測定装置をを理解し、理論、測定方法を説明できる。また、測定データを計算、まとめ、グラフに表現できる。物理化学分野の基本的項目(拡散、吸収、吸着、反応速度、吸光度等)を実験し、基本的理論、測定装置をを理解し、理論、測定方法を説明できる。また、測定データを計算、まとめ、グラフに表現できる。物理化学分野の基本的項目(拡散、吸収、吸着、反応速度、吸光度等)を実験し、理論、測定装置をを理解し、理論、測定方法を説明できる。また、測定データを計算、まとめ、グラフに表現できない。
評価項目3化学工学分野の基本的事項(流量測定、ろ過、熱交換器、粉砕と粒度、ガス吸収、単蒸留、乾燥)を実験し、理論、測定装置をを理解し、理論、測定方法を説明できる。また、測定データを計算、まとめ、グラフに表現できる。化学工学分野の基本的事項(流量測定、ろ過、熱交換器、粉砕と粒度、ガス吸収、単蒸留、乾燥)を実験し、理論、測定装置をを理解し、基本的、基礎的理論、測定方法を説明できる。また、測定データを計算、まとめ、グラフに表現できる。化学工学分野の基本的事項(流量測定、ろ過、熱交換器、粉砕と粒度、ガス吸収、単蒸留、乾燥)を実験し、理論、測定装置をを理解し、理論、測定方法を説明できる。また、測定データを計算、まとめ、グラフに表現できない。
評価項目4高分子化学、電気化学分野(ラジカル重合、電解重合)を実験し、理論、測定装置をを理解し、理論、測定方法を説明できる。また、測定データを計算、まとめ、グラフに表現できる。高分子化学、電気化学分野(ラジカル重合、電解重合)を実験し、理論、測定装置をを理解し、基礎的理論、測定方法を説明できる。また、測定データを計算、まとめ、グラフに表現できる。高分子化学、電気化学分野(ラジカル重合、電解重合)を実験し、理論、測定装置をを理解し、理論、測定方法を説明できる。また、測定データを計算、まとめ、グラフに表現できない。
評価項目5生物工学分野(バイオリアクター、培養槽)を実験し、理論、測定装置をを理解し、理論、測定方法を説明できる。また、測定データを計算、まとめ、グラフに表現できる。生物工学分野(バイオリアクター、培養槽)を実験し、基礎的理論、測定装置を理解し、理論、測定方法を説明できる。また、測定データを計算、まとめ、グラフに最低限の表現ができる。生物工学分野(バイオリアクター、培養槽)を実験し、理論、測定装置をを理解し、理論、測定方法を説明できる。また、測定データを計算、まとめ、グラフに表現できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 D-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
「物理化学」、「有機材料工学」、「無機材料工学」、「生物工学」、「高分子化学」、および「化学工学」の基礎
となる基本的事項について実験を行う。特に物質変換の素となる化学反応物の性質、反応理論、反応方法、生成物の
生成速度、物性、および分離等に関連するテーマについて実験するとともに種々の測定装置の取り扱い方について学
習する。また、報告書は実験データの電算処理、形式、表やグラフの正しい描き方等を学習する。
授業の進め方・方法:
実験テーマの内、6テーマについて実験を行い、
報告書を提出する。
注意点:
実験ノート、実験着(白衣等)、保護メガネ、実験用靴、関数機能付き電卓

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 「物質工学実験の意義」、「安全上の注意」、「報告
書の書き方」、「各実験テーマの内容」について説明
実験の意義と安全について、説明できる。
2週 「実験装置の組立」、「実験道具、薬品の確認」、「
実験方法の理解」 、「実験計画」を行う。
「実験廃液の取り扱い方法」を学習する。
3週 ○反応速度
擬1次反応速度を追跡し、反応速度定数を求める。反
応温度を変化させ、アレニウスパラメータの決定
擬1次反応速度を追跡し、反応速度定数を求め、反
応温度を変化させ、アレニウスパラメータを計算できる。
4週 ○色素吸着
ナイロンに対する色素の吸着等温線を求め、フロイン
トリッヒの式およびラングミュアの式のグラフと比較
考察する。
ナイロンに対する色素の吸着等温線を求め、フロイン
トリッヒの式およびラングミュアの式のグラフと比較できる
5週 ○電解重合
チオフェン等を電解重合して導電性ポリマーフィルム
を作製する。その電気抵抗の測定などを通して導電性
ポリマーの合成法や電導機構等につ
いて理解を深める
チオフェン等を電解重合して導電性ポリマーフィルム
を作製する。その電気抵抗の測定などを通して導電性
ポリマーの合成法や電導機構等に説明できる。
6週 ○通気攪拌槽の物質移動容量係数(KLa)の測定
バイオリアクターの代表である通気攪拌式反応器を用
いて、好気性微生物培養槽を想定した酸素移動容量係
数を測定する。隔膜型電極、DO測定法、およびガス
吸収理論について学ぶ。
好気性微生物培養槽を想定した酸素移動容量係
数を測定する。隔膜型電極、DO測定法、およびガス
吸収理論について説明できる。
7週 ○流動層型バイオリアクターの流動特性
酵素の固定化は有効な方法であり、球状粒子に固定化
する場合も多用されている。バイオリアクターの基本
形式である粒子が動かない充填層、粒子が浮遊してい
る流動層について、圧損、空隙率変化、最小流動化速
度を測定し、理論と比較する。
流動層について、圧損、空隙率変化、最小流動化速
度を計算し、理論と比較できる。
8週 ○恒圧濾過  
生物系および材料系固液分離操作に濾過操作は重要で
ある。圧濾器により恒圧濾過の実験を行い、Ruth の
恒圧濾過式を用いて整理し、濾過機構について理解す
る。
Ruth の恒圧濾過式を用いてデータ整理し、濾過機構について説明できる。
2ndQ
9週 ○二重管式熱交換器
熱交換器の総括伝熱係数を測定し、文献値および推算
値と比較するとともに、設計方法を学ぶ。
熱交換器の総括伝熱係数を測定し、文献値および推算
値と比較するとともに、設計方法を説明できる。
10週 ○粉砕と粒度
粉砕は固体材料に外的力学エネルギーを加え、より小
さい固体にする操作である。その目的は希望の大きさ
に整粒、表面積の増大、および混合効果促進である。
そして得られた固体材料破砕物の粒径分布を測定する
ことは材料ハンドリングにおいて重要である。本テー
マでは、ボールミルで種々の材料を粉砕し、電動篩い
による篩い分け法、さらい細かい粒子はアンドレアゼ
ンピペット、および光透過式液相沈降法により、粒度
分布を測定し、ストークス式、分布式を理解する。
固体材料破砕物の粒径分布を測定できる。
11週 ○単蒸留
合成反応などにおいて反応物の純度を上げることは重
要であり、蒸留操作が一般的に用いられている。本テ
ーマでは2成分系を試料として単蒸留を行い、理論値
と比較する。また物質収支、図積分について学び、蒸
留の原理を修得する。
物質収支、図積分について学び、蒸留を説明できる。
12週 ○蒸気圧の測定
種々の液体の蒸気圧を測定し、文献値と比較するとと
もに、Clapeyron-Clausius の式を理解する。
Clapeyron-Clausius の式を説明できる。
13週 ○ラジカル重合と粘度測定
スチレンの溶液重合を行い、開始剤濃度と重合速度の
関係を調べる。得られたポリマーの粘度を測定し、分
子量を求める。
ポリマーの粘度を測定し、分子量を計算できる。
14週 ○輸率の測定
銀イオン、硝酸イオン、プロトンの輸率を測定する。
文献値と比較するとともに、銀イオンとプロトンの輸
率の違いについて考察する。
銀イオンとプロトンの輸率の違いについて説明できる。
15週 ○吸光度測定
種々の電子供与体濃度で電荷移動錯体の紫外可視吸収
スペクトルを測定する。錯体の分子吸光係数と錯体生
成の平衡定数を求める。
○屈折率測定
種々の液状化合物の屈折率を測定して分子屈折を求め
、その値から分子の分極率を求める。また、原子屈折
から計算される分子屈折の近似値と比較考察する。
錯体生成平衡定数を計算できる。
屈折率について説明できる。
16週 総括、実験装置および器具等の整理。

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00040600100
基礎的能力0001060070
専門的能力000200020
分野横断的能力000100010