水理学Ⅰ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 水理学Ⅰ
科目番号 3C013 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 水理学:日下部重幸他,コロナ社,ISBN978-4-339-05507-8
担当教員 永野 博之

到達目標

□ 水の物理的性質とその定量的表現方法が理解できる.
□ 静止流体の力学的性質に関する定量化に基づく基礎式の導出とともに,その解析ができる.
□ 完全流体における流れの現象の定量化に基づく基礎式の導出とともに,その解析ができる.
□ 堰の流量算出の基礎式が理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1水の物理的性質とその定量的表現方法が説明できる.水の物理的性質とその定量的表現方法が理解できる.水の物理的性質とその定量的表現方法が理解できない.
評価項目2静止流体の力学的性質に関する定量化に基づく基礎式の導出とともに,その解析と説明ができる静止流体の力学的性質に関する定量化に基づく基礎式の導出とともに,その解析ができる静止流体の力学的性質に関する定量化に基づく基礎式の導出とともに,その解析ができない
評価項目3完全流体における流れの現象の定量化に基づく基礎式の導出とともに,その解析と説明ができる.完全流体における流れの現象の定量化に基づく基礎式の導出とともに,その解析ができる.完全流体における流れの現象の定量化に基づく基礎式の導出とともに,その解析ができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
土木事業の中には,河川・海岸・港湾・水力発電・上下水道・灌漑などの水に関する事業がきわめて多い.これら事業の計画・設計・施工にあたっては,水の基本性質,流れの状態,流れが土木構造物(堰・ダム・橋など)に及ぼす影響などに関する知識・技術などが重要となる.このような水の運動を力学的に取り扱う学問である水理学に関する基礎と応用力を養成する.
授業の進め方・方法:
水理学における静水力学分野である静水が土木構造物に作用する力などに関する基礎式の導出法やその適用法と解析法について講義と演習を通して勉学する.
注意点:
レポートを全て提出することは成績評価を行う条件であり,未提出のレポートがある場合は,総合成績を0点とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス:水理学を学ぶ意義と内容 水理学で用いる単位系について説明できる。
2週 次元と単位:次元および単位系とSI単位,次元と単位との関係 水理学で用いる単位系について説明できる。
3週 水の物理的性質および定量的表現法・解析法 水の基本的な性質について説明できる。
4週 静水圧とその計算法,水圧機の原理 静水圧の表現、強さ、作用する方向について理解している。
5週 静水圧の測定装置および測定法・計算法 静水圧の測定の方法(マノメーター) について説明できる。
6週 鉛直構造物に作用する全水圧とその作用点(1) 平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。
7週 鉛直構造物に作用する全水圧とその作用点(2) 平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 斜面構造物に作用する全水圧とその作用点(1) 平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。
10週 斜面構造物に作用する全水圧とその作用点(2) 平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。
11週 曲面構造物に作用する全水圧とその作用点(1) 平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。
12週 曲面構造物に作用する全水圧とその作用点(2) 平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。
13週 浮力とその算定法 浮力とアルキメデスの原理について理解し、浮体の安定を計算できる。
14週 浮体の安定性条件式の導出とその適用法・解析法 浮力とアルキメデスの原理について理解し、浮体の安定を計算できる。
15週 静止流体のつり合い方程式の導出とその適用法・解析法 浮力とアルキメデスの原理について理解し、浮体の安定を計算できる。
16週
後期
3rdQ
1週 流れの基礎理論(1) 層流と乱流について説明できる。
2週 流れの基礎理論(2) 層流と乱流について説明できる。
水の基本的な性質について説明できる。
3週 連続式の導出とその適用法・解析法 連続の式について理解している。
4週 運動方程式(ベルヌーイの定理)の導出とその適用法・解析法(1) ベルヌーイの定理を理解している。
5週 運動方程式(ベルヌーイの定理)の導出とその適用法・解析法(2) ベルヌーイの定理の応用(ベンチュリーメータなど) の計算ができる。
6週 流速測定装置(ピトー管)・流量測定装置(ベンチュリー管)の原理と計測法・計算法 ベルヌーイの定理の応用(ベンチュリーメータなど) の計算ができる。
7週 運動量方程式の導出とその適用法・解析法(1) 完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)について理解している。
運動量保存則を理解している。
8週 中間試験
4thQ
9週 運動量方程式の導出とその適用法・解析法(2) 運動量保存則の誘導について説明できる。
運動量保存則の応用した各種計算ができる。
10週 小型・大型オリフィスからの流出速度・流量算定式とその適用法・解析法 ベルヌーイの定理の応用(自然現象、河川工学など) について説明できる。
11週 もぐりオリフィスからの流出速度・流量算定式とその適用法・解析法 ベルヌーイの定理の応用(自然現象、河川工学など) について説明できる。
12週 オリフィスからの排水時間算定式とその適用法・解析法 ベルヌーイの定理の応用(自然現象、河川工学など) について説明できる。
13週 水門からの流出速度・流出量算定式とその適用法 ベルヌーイの定理の応用(自然現象、河川工学など) について説明できる。
14週 刃形ぜきによる流量算定法とその適用法・解析法 ベルヌーイの定理の応用(自然現象、河川工学など) について説明できる。
各種の堰について理解している。
15週 広頂ぜきによる流量算定法とその適用法・解析法 ベルヌーイの定理の応用(自然現象、河川工学など) について説明できる。
各種の堰について理解している。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理水理学で用いる単位系を説明できる。4前1,前2
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。4前4
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。4前6,前7,前9,前10,前11,前12
浮力と浮体の安定を計算できる。4前13,前14
連続の式を説明できる。4
完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を説明できる。4後7
ベルヌーイの定理を説明でき、これを応用(ベンチュリーメータなど)した 計算ができる。4
運動量保存則を説明でき、これを応用した計算ができる。4
層流と乱流について、説明できる。4後1,後2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力450000550
専門的能力450000550
分野横断的能力0000000