鉄筋コンクリートの柱、梁などの部材の力学特性や設計条件を理解し、具体的な使用限界状態および終局状態を定量的に把握して部材の安全性能を評価できる設計方法を理解する。
概要:
柱は梁などの基礎的な鉄筋コンクリート部材の設計方法、部材の圧縮、曲げ、せん断性状、限界設計状態設計法による部材の応力やひび割れ幅、終局耐力等の算定方法を習得する。基礎となる弾性設計法を理解し、プレストレストコンクリートの基礎や特徴についても解説する。
授業の進め方・方法:
講義を中心に行い、並行して行う総合プロジェクトⅡで具体的な設計計算を行い、載荷試験を通じてひび割れ幅、鉄筋の応力、コンクリートのひずみ等の理解を深める。また、定期試験の前に設計に関する課題を提出させる。関連する示方書や図書から写真等の資料を提示して、設計の基本事項を習得する。
この科目は、企業でのコンクリ-ト構造物の設計を担当していた教員が、そ経験を活かし、構造形式、周辺環境、最新の設計手法等について講義形式で授業を行うものである。
2回は企業からの講師による実務設計の講義も行う。
注意点:
課題は厳しく評価し、結果については公表しません。また、講義で教えた内容程度であれば標準的な点とし、自分で調べた内容は加点します。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1.概要 |
複合材料、鉄筋コンクリ-トの特徴を理解できる。
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2週 |
2.設計方法1 |
鉄筋コンクリ-ト構造部材の設計方法の種類と特徴を理解できる。
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3週 |
3.設計方法2 |
構成材料の設計強度、構成則が理解できる。
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4週 |
4.はりの曲げ特性 |
鉄筋コンクリ-トはりの種類、曲げ変形を理解できる。
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5週 |
5.長方形断面のはりの応力1(使用限界状態) |
単鉄筋長方形断面の曲げ応力、ひび割れ幅の算定でき、使用限界の照査ができる。
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6週 |
6.長方形断面のはりの応力2(使用限界状態) |
複鉄筋長方形断面の曲げ応力、ひび割れ幅が算定でき、使用限界の照査ができる。
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7週 |
7.T型断面のはりの応力1(使用限界状態) |
T型断面のはりの応力、ひび割れ幅が算定できる。
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8週 |
8.前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
9.T型断面のはりの応力2(使用限界状態) |
T型断面のはりの応力、ひび割れ幅が算定でき、使用限界の照査ができる。
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10週 |
10.長方形断面の曲げ耐力1(終局限界状態) |
単鉄筋長方形断面の曲げ耐力が算定でき、終局限界の照査ができる。
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11週 |
11.長方形断面の曲げ耐力2(終局限界状態) |
複鉄筋長方形断面の曲げ耐力が算定でき、終局限界の照査ができる。
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12週 |
12.T型断面のはりの曲げ耐力(終局限界状態) |
T型断面の曲げ耐力が算定でき、終局限界の照査ができる。
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13週 |
13.任意断面のはりの曲げ耐力(終局限界状態) |
任意断面の曲げ耐力が算定でき、終局限界の照査ができる。
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14週 |
14.柱の性質1 |
鉄筋コンクリ-ト柱の種類と性質が理解できる。
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15週 |
15.柱の性質2 |
鉄筋コンクリ-ト柱の破壊性状が理解できる。長柱と短柱の違いが理解できる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
1.柱の応力(使用限界状態) |
使用限界状態の帯鉄筋柱のコンクリ-トと軸方向鉄筋の応力が算定できる。
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2週 |
2.柱の耐力(終局限界状態) |
帯鉄筋柱の終局軸耐力が算定できる。らせん鉄筋柱との相違が理解できる。
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3週 |
3.せん断補強1 |
はりの主応力が算定でき、ひび割れと主応力の関係が理解できる。
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4週 |
4.せん断補強2 |
せん断補強鉄筋の役割とその種類を理解できる。
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5週 |
5.せん断耐力1 |
長方形断面の鉄筋コンクリ-トはりのコンクリートが分担するせん断耐力が理解できる。
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6週 |
6.せん断耐力2 |
長方形断面の鉄筋コンクリ-トはりのせん断補強鉄筋が分担するせん断耐力が理解できる。
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7週 |
7.せん断耐力3 |
コンクリートが分担する最新のせん断耐力評価式が理解できる。
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8週 |
8.後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
9.軸力と曲げ変形1(使用限界状態) |
偏心荷重が作用する部材の応力算定ができる。
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10週 |
10.軸力と曲げ変形2(使用限界状態) |
偏心荷重が作用する部材の応力算定ができる。
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11週 |
11.軸力と曲げ変形3(終局限界状態) |
偏心荷重が作用する部材の耐力算定ができる。
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12週 |
12.軸力と曲げ変形4(終局限界状態) |
偏心荷重が作用する部材の耐力算定ができ、相互作用図が理解できる。
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13週 |
13.プレストレストコンクリ-トの概要 |
プレストレストコンクリ-トの種類と特徴を理解できる。
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14週 |
14.プレストレストコンクリ-ト構造の設計施工1 |
外部講師によるプレストレストコンクリ-ト構造の設計施工方法の基礎を習得する。
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15週 |
15.プレストレストコンクリ-ト構造の設計施工2 |
外部講師による県内の構造物の特徴を理解し、プレストレス導入の模擬展示からメカニズムを理解する。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 材料 | 材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。 | 4 | |
鋼材の種類、形状を説明できる。 | 4 | |
鋼材の力学的性質(応力-ひずみ関係、降伏強度、引張強度、弾性係数等)を説明できる。 | 4 | |
コンクリート構造の種類、特徴について、説明できる。 | 4 | |
コンクリート構造の代表的な設計法である限界状態設計法、許容応力度設計法について、説明できる。 | 4 | |
曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明でき、断面破壊に対する安全性を検討できる。 | 4 | |
曲げモーメントを受ける部材の断面応力度の算定、使用性(ひび割れ幅)を検討できる。 | 4 | |
せん断力を受ける部材の破壊形式を説明でき、せん断力に対する安全性を検討できる。 | 4 | |
プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。 | 4 | |
プレストレス力の算定及び断面内の応力度の計算ができ、使用性を検討できる。 | 4 | |
コンクリート構造物の維持管理の基礎を説明できる。 | 4 | |
コンクリート構造物の補修方法の基礎を説明できる。 | 4 | |
構造 | 断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 4 | |
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。 | 4 | |
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。 | 4 | |
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。 | 4 | |
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。 | 4 | |
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。 | 4 | |
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。 | 4 | |