環境工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 環境工学Ⅰ
科目番号 4C016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 水環境工学:松尾友矩編、田中修三他著:オーム社(4-274-20168-6)
担当教員 堀尾 明宏

到達目標

環境都市で学習する環境工学は、水環境分野や水処理分野を中心とした授業になっており、環境工学Ⅰでは、水域環境、上水道、下水道(一部)の範囲となっており、5年次の環境工学Ⅱにつながっていきます。
化学、物理、生物学の基礎知識の基礎知識の学習から、さらには水質評価としての水質分析、水質汚濁の機構、水処理技術について学習します。また、座学に加え、現地見学も盛り込んでおり、現場従事者からの
説明と視覚的にも学習してもらいます。
□環境と人の健康、公害の歴史とその内容(環境要因と疾病の関係)について、説明できる。[MCC]
□河川・湖沼・海域などの公共用水域の水質汚濁の現状や背景、水質汚濁の発生源と移動過程を説明できる。[MCC]
□水域生態系と水質変換過程程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)を説明できる。[MCC]
□水質指標を説明できる。[MCC]
□水質検査の意義と測定方法について理解し、説明できる。[群馬高専独自]
□水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規等)を説明できる。[MCC]
□上水道の役割、種類、を説明できる。[MCC]
□上水道の浄水道計画(基本計画、給水量等)を理解でき、これに関する計算ができる。[MCC]
□水の単位操作(凝集、沈澱凝集、濾過、殺菌等)を説明できる。[MCC]
□浄水場の一連の処理工程と各単位装置の操作を説明できる。[群馬高専独自]
□下水道の役割と現状、汚水処理の種類について、説明できる。[MCC]                                   
□下水道の基本計画、下水道の構成を説明でき、これに関する計算ができる。[MCC] 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
水質の浄化と環境保全について理解し、説明できる。水質の浄化と環境保全について理解し、説明できる。水質の浄化と環境保全について理解し、説明できない。
下水処理の基礎的な技術について説明できる。下水処理の基礎的な技術について説明できる。下水処理の基礎的な技術について説明できない。
水質検査項目の意義と測定方法について、理解し説明できる。水質検査項目の意義と測定方法について、理解し説明できる。水質検査項目の意義と測定方法について、理解し説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・公共水域の環境保全では、水質汚濁の現状及び現象、原因を理解する。
・浄水技術では、浄水工程における各単位操作(沈殿分離、凝集、濾過、消毒など)を講義と見学で具体的に理解する。
・水道施設は、都市計画の基盤となる施設であるため、都市計画的な手法で施設の計画を理解する。
・水の評価で必要な水質検査の水質検査項目の意義と目的、検査方法を理解する。 
・群馬県は、首都圏の水がめであり、その重要度は増加の一途であるという地域的な状況を理解する。 
本授業は、環境工学に関する実務経験のある教員がその経験を活かし、水環境保全、浄水処理等について講義形式で授業を行うものである。                 
授業の進め方・方法:
・水処理技術、水環境保全に必要な知識、内容、計算について、技術士試験などの資格試験と照らし合わせ、理解を深める。
・講義の各段階で化学の基礎を復習し、各単位操作の学習時に化学反応の復習を行う。
・前期、後期と課題も与えるため、個人の考え、グループでの考え方を整理して発表してもらう。
・小テストを実施する場合がある。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業紹介、公害の歴史及び環境問題、研究室の紹介
2週 水環境の基礎科学
・水文と水利用         
水文と水利用、地球の水問題、水資源
3週 水環境技術の歴史的展開        上下水道の歴史               
4週 水環境の基礎科学
・水文と水利用         
濃度の計算
降雨の流出特性、水利用と水環境              
5週 水環境の基礎科学
・水質指標(1)        
水質汚濁の現状                  水質検査項目の理解と検査方法の解説(1)
6週 水環境の基礎科学
・水質指標(2)        
水質検査項目の理解と検査方法の解説(2)
7週 水環境の基礎科学
・水質指標(3)          
水質検査項目の理解と検査方法の解説(3)             
8週 中間試験
2ndQ
9週 水環境の基礎科学
・水環境の生態と環境問題(1)
水環境の生態系、自浄作用
10週 水環境の基礎科学
・水質の化学
物質の濃度と化学の復習
11週 水環境の基礎科学
・水環境の生態と環境問題(2)
富栄養化、河川の自浄作用、地下水汚染、土壌汚染
12週 水環境の基礎科学      
・放射性物質
放射性物質
13週 水環境の基礎科学        
・化学反応の速度論
反応次数と速度式
14週 水環境の基礎科学     
・水環境の生態と環境問題
水環境の生態系と汚染源
河川の自浄作用
15週 水環境の基礎科学
・水環境の生態と環境問題
富栄養化、地下水汚染、土壌汚染
16週 定期試験
後期
3rdQ
1週 上水道            
・水道法の役割と意義
水道法、水道水の水質 
2週 上水道                
・浄水施設
浄水方式と原水水質(急速濾過と観測濾過)
3週 上水道                 
・浄水場の見学
県央第一浄水場、若田浄水場
4週 上水道            
・基本計画
上水道計画の考え方
5週 上水道           
・上水道施設の構成
上水道施設  
日本の水資源
6週 上水道施設           
・貯水
貯水施設
7週 上水道施設           
・導水と送水
導水施設と送水施設
8週 中間試験
4thQ
9週 上水道            
・排水と給水
10週 上水道              
・浄水プロセス
浄水施設、沈殿と凝集
11週 上水道               
・浄水プロセス
ろ過(急速濾過、緩速濾過)
12週 上水道               
・浄水プロセス
消毒
13週 下水道                  
・下水道の基本計画
下水道の種類、下水道計画
14週 下水道                  
・下水道の基本計画
分流式と合流式
15週 定期試験 流達時間、合理式
16週 定期試験答案返却 下水道               
・下水道の基本計画

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000