概要:
1.実践体験型PBL学習
・正解のない課題を通して問題解決へのアプローチ方法を身につけるため、実際の企業をファシリテーターとして協業しながら、PBLを進める。全体セッションでは、課題テーマの説明や学習内容の発表をおこない、グループセッションでは、グループ間の学習結果をまとめ解決策を見つけるためのグループ・個人学習をおこなう。
2.RC構造物の曲げ破壊試験
・曲げ破壊条件に従って、曲げひび割れ発生荷重、許容応力度設計による設計荷重、および終局曲げ耐力を算定後、RCはりの作製・載荷試験をおこない観察・考察する。RCはり作製前に模型の作製をおこなう。更に設計図面をCADで作図する。グループ単位のプレゼンにより、設計と実際の違いの関係を考察する。
3.逆T形擁壁の設計計算
土木構造物として、土圧を受ける構造物の代表例として逆T形擁壁を選び、限界状態法に基づく
①設計条件 ②形状寸法 ③安定計算 ④鉛直壁の設計 ⑤底版の設計 これら①~⑤の一連の作業を行う。
本授業科目は、行政機関において設計業務に関する実務経験を有している教員が、その実務経験を活かし、擁壁設計等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
教室での講義・計算
CAD室での作図
実習室での計算、外での組み立て、および実験室でも載荷試験
校外学習
注意点:
・PBL学習では、ファシリテーターとして企業からのサポート受けるので、礼儀正しく接するように心がけてください。
・はりの作製は電動工具等を使用するため、ガイダンスのときに安全教育を実施します
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス・設計図面から見積り作業 ・逆T擁壁設計:ガイダンス |
設計図面から使用材料の数量見積もりをおこなう
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2週 |
模型作製 ・逆T擁壁設計:設計条件(1)1.1-1.3(土圧に抵抗する構造物) ・2.1 逆T形擁壁の断面仮定の説明 |
設計図面と見積り材料から床版模型を作製する ・コンクリート構造物の設計方法を理解している
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3週 |
製図1 ・ 逆T擁壁設計:設計条件(2)2.3.1-2.3.4 設計条件の説明 |
AutoCADを用いて床版配筋図を作図する ・ランキン土圧やクーロン土圧を理解している ・構造物に作用する土圧や地震時の土圧について説明できる。
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4週 |
製図2 ・逆T擁壁設計:設計条件(3) 2.4-2.7 荷重条件、擁壁の重要度と要求性能、地震による慣性力、使用材料の品質 ・2.8-2.11 限界状態、安全係数および修正係数、荷重の組み合わせ、一般構造細目の説明 |
AutoCADを用いて床版配筋図を作図する ・与えられた条件を基に設計計算ができる
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5週 |
全体セッション:PBL課題テーマ提示によるPBL学習スタート ・逆T擁壁設計:設計(1) 4.1 荷重の算定の解説・計算 |
ファシリテーター参加の全体セッション、ファシリテーターによる課題テーマの提示とその説明から学習計画工程を作成 ・与えられた条件を基に設計計算ができる。 ・ランキン土圧やクーロン土圧を説明でき、土圧算定に適用できる。 ・地盤内応力を説明できる。
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6週 |
自己学習セッション1 ・逆T擁壁設計:設計(2) 4.2 剛体安定の終局限界状態の解説・計算 |
学習計画に従ってPBLのための基礎学習をおこなう ・与えられた条件を基に設計計算ができる
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7週 |
自己学習セッション2 ・ 逆T擁壁設計:設計(3) 4.2 剛体安定の終局限界状態の解説・計算 |
学習計画に従ってPBLのための基礎学習をおこなう ・与えられた条件を基に設計計算ができる
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8週 |
自己学習セッション3 ・逆T擁壁設計:設計(4) 4.3 剛体安定の使用限界状態の解説・計算 |
学習計画に従ってPBLのための基礎学習をおこなう ・与えられた条件を基に設計計算ができる
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2ndQ |
9週 |
グループセッション:発表 ・ 逆T擁壁設計:設計(5) 4.3 剛体安定の使用限界状態の解説・計算 |
グループ内で、課題テーマの本質が何かを発表し、解決策工程を作成する ・与えられた条件を基に設計計算ができる
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10週 |
解決案作成セッション1 ・逆T擁壁設計:設計(6) 5.1 荷重および断面力の算定の解説・計算 |
学習計画に従って解決策の作成および実践をおこなう ・与えられた条件を基に設計計算ができる。
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11週 |
解決案作成セッション2 ・ 逆T擁壁設計:設計(7) 5.2 断面破壊の終局限界状態の解説・計算 |
学習計画に従って解決策の作成および実践をおこなう ・与えられた条件を基に設計計算ができる
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12週 |
解決案作成セッション3 ・逆T擁壁設計:設計(8) 5.3 ひびわれの使用限界状態の解説・計算 |
学習計画に従って解決策の作成および実践をおこなう ・与えられた条件を基に設計計算ができる
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13週 |
全体セッション発表内容準備 ・逆T擁壁設計:設計(9) 5.4 鉄筋の定着長の解説・計算 |
発表用資料作成・発表準備 ・与えられた条件を基に設計計算ができる
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14週 |
全体セッション:PBL学習内容発表 ・逆T擁壁設計:設計(10) 6.1 荷重および地盤反力の解説・計算 |
ファシリテーター参加による全体発表セッション ・与えられた条件を基に設計計算ができる
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15週 |
レポート作成 ・逆T擁壁設計:設計(11) 6.2 断面破壊の終局限界状態の解説・計算 |
・与えられた条件を基に設計計算ができる
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
・CAD(床版)
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・設計した物をCADソフトで描くことができる
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2週 |
・CAD(床版) |
・設計した物をCADソフトで描くことができる
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3週 |
・プレゼンテーション |
・解析内容・実験結果を説明できる
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4週 |
・設計計算(曲げ耐力、ひび割れ荷重、たわみ) |
・曲げ破壊耐力・たわみ量を算定できる
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5週 |
・詳細設計(コンクリートの配合設計) |
・配合設計の手順を理解し、計算できる
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6週 |
・RCはりの鉄筋加工と組み立ておよび コンクリート打設 ・鉄筋コンクリ-トはりの作製 |
・設計諸元に従って部材の加工・組立およびゲージをセットすることができる ・配合設計通りのコンクリ-トが製造できる。
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7週 |
・CAD(逆T擁壁) ・鉄筋コンクリ-トはりの作製 |
・設計した物をCADソフトで描くことができる ・配合設計通りのコンクリートはりを作製できる。
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8週 |
・CAD(逆T擁壁) ・鉄筋コンクリ-トはりの製造 |
・設計した物をCADソフトで描くことができる ・配合通りのコンクリ-トが製造できる。
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4thQ |
9週 |
・CAD(逆T擁壁) ・鉄筋コンクリ-トはりの製造 ・鉄筋コンクリ-トはりの載荷試験 |
・設計した物をCADソフトで描くことができる ・配合通りのコンクリートが製造できる。 ・載荷試験結果と設計計算との比較検討ができる。
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10週 |
・載荷実験 ・鉄筋コンクリートはりの載荷試験 |
・種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる
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11週 |
・CAD(逆T擁壁) ・鉄筋コンクリ-トはりの載荷試験 |
・設計した物をCADソフトで描くことができる ・載荷試験結果と設計計算との対比ができる。
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12週 |
・CAD(逆T擁壁) ・鉄筋コンクリ-トはりの載荷試験 |
・設計した物をCADソフトで描くことができる ・載荷試験結果と設計計算との対比ができる。
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13週 |
・CAD(逆T擁壁) |
・設計した物をCADソフトで描くことができる
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14週 |
・プレゼンテーション |
・解析内容・実験結果を説明できる
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15週 |
・レポート作成 |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | |
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 材料 | コンクリートの長所、短所について、説明できる。 | 4 | 前9 |
フレッシュコンクリートに求められる性質(ワーカビリティー、スランプ、空気量等)を説明できる。 | 4 | |
硬化コンクリートの力学的性質(圧縮強度、応力-ひずみ曲線、弾性係数、乾燥収縮等)を説明できる。 | 4 | |
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。 | 4 | |
配合設計の手順を理解し、計算できる。 | 4 | 前9 |
コンクリート構造の種類、特徴について、説明できる。 | 4 | |
コンクリート構造の代表的な設計法である限界状態設計法、許容応力度設計法について、説明できる。 | 4 | |
曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明でき、断面破壊に対する安全性を検討できる。 | 4 | |
曲げモーメントを受ける部材の断面応力度の算定、使用性(ひび割れ幅)を検討できる。 | 4 | |
構造 | 断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 4 | 前7 |
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。 | 4 | 前7 |
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。 | 4 | 前7 |
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。 | 4 | |
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。 | 4 | |
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。 | 4 | |
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。 | 4 | |
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。 | 4 | 前7 |
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。 | 4 | 前8 |
橋の構成、分類について、説明できる。 | 4 | |
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。 | 4 | 前8 |
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。 | 4 | 前8 |
地盤 | 地盤内応力を説明できる。 | 4 | 後5 |
ランキン土圧やクーロン土圧を説明でき、土圧算定に適用できる。 | 4 | 後3,後5 |
製図 | CADソフトウェアの機能を説明できる。 | 4 | 前2 |
図形要素の作成と修正について、説明できる。 | 4 | 前4 |
画層の管理を説明できる。 | 4 | 前5 |
図の配置、尺度、表題欄、寸法と寸法線の規約について、説明できる。 | 4 | 前1 |
与えられた条件を基に設計計算ができる。 | 4 | 後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
設計した物をCADソフトで描くことができる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前6 |
分野別の工学実験・実習能力 | 建設系分野【実験・実習能力】 | 建設系【実験実習】 | 骨材のふるい分け試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | |
骨材の密度、吸水率試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | |
コンクリートのスランプ試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 前12 |
コンクリートの空気量試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 前12 |
コンクリートの強度試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 前12 |
各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。 | 4 | 前10,前11,前13,前14,前15 |