総合プロジェクトⅡ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 総合プロジェクトⅡ
科目番号 4C018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:6 後期:4
教科書/教材 擁壁の設計法と計算例 右城猛 理工図書 4-8446-0812-7,コンクリート構造の基礎 二羽淳一郎 数理工学社4-901683-33-0,建設材料実験 日本材料学会 日本材料学会 4-901381-40-6
担当教員 先村 律雄,木村 清和,田中 英紀,井上 和真

到達目標

1.実践体験型PBL実習
□ファシリテータ(教員・企業)より与えられた課題(テーマ)をシステム(機能)と捉えることができる
□各セッションごとに学習計画工程書を作成することができる
□テーマの解決に必要な基礎学習項目を考え、それらを学習することができる
□学習結果を発表することができる
2.RC構造物の曲げ破壊試験
□RC構造物の見積り、内部構造と施工(墨だし・鉄筋加工・組立)を、模型製作を通しておこなうことができる
□構造物の曲げ破壊条件からRCはりの構造設計をおこなうことができる
□RCはりの作製をおこなうことができる
□作製したRCはりの載荷試験から、ひび割れ・曲率などの力学的変形正常を観察することができる
□AutoCADによるRC構造物の製図ができる
3.限界状態設計法を理解し、土木構造物の例として逆T形擁壁の設計計算を行うことができる。
□土圧を受ける構造物の設計ができる。
□限界状態設計法と許容応力度法との違いを理解することができる。
□限界状態設計法で使用する各種安全係数・修正係数の選定が合理的にできる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1土圧を受ける構造物の設計が充分にできる。土圧を受ける構造物の設計ができる。土圧を受ける構造物の設計ができない。
評価項目2限界状態設計法と許容応力度法との違いを充分に理解することができる。限界状態設計法と許容応力度法との違いを理解することができる。限界状態設計法と許容応力度法との違いを理解することができない。
評価項目3限界状態設計法で使用する各種安全係数・修正係数の選定が、充分、合理的にできる。限界状態設計法で使用する各種安全係数・修正係数の選定が合理的にできる。限界状態設計法で使用する各種安全係数・修正係数の選定が合理的にできない。
評価項目4RC床版および逆T擁壁をCADで充分に作図できるRC床版および逆T擁壁をCADで作図できるRC床版および逆T擁壁をCADで作図できない
評価項目5トラス橋の設計と構造解析を充分に算定でき、載荷試験から力学的性状を充分に観察・考察することができる トラス橋の設計と構造解析を算定でき、載荷試験から力学的性状を観察・考察することができるトラス橋の設計と構造解析を算定できず、載荷試験から力学的性状を観察・考察することができない
評価項目6RCはりの曲げ破壊耐力を充分に算定でき、載荷試験から力学的性状を充分に観察・考察することができるRCはりの曲げ破壊耐力を算定でき、載荷試験から力学的性状を観察・考察することができるRCはりの曲げ破壊耐力を算定できず、載荷試験から力学的性状を観察・考察することができない
評価項目7設計から実験および結果を充分にプレゼンテーションできる設計から実験および結果をプレゼンテーションできる設計から実験および結果をプレゼンテーションできない
評価項目8ファシリテーターからの課題テーマの本質を充分に理解することができる ファシリテーターからの課題テーマの本質を理解することができる ファシリテーターからの課題テーマの本質を理解できない
評価項目9問題解決のために必要な学習項目に関する工程表を作成、それに従い充分に学習することができる 問題解決のために必要な学習項目に関する工程表を作成、それに従い学習することができる 問題解決のために必要な学習項目に関する工程表を作成、それに従い学習できない
評価項目10問題解決のための学習内容から解決案を充分に挙げることができる 問題解決のための学習内容から解決案を挙げることができる 問題解決のための学習内容から解決案を挙げることができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1.実践体験型PBL学習
・正解のない課題を通して問題解決へのアプローチ方法を身につけるため、実際の企業をファシリテーターとして協業しながら、PBLを進める。全体セッションでは、課題テーマの説明や学習内容の発表をおこない、グループセッションでは、グループ間の学習結果をまとめ解決策を見つけるためのグループ・個人学習をおこなう。
2.RC構造物の曲げ破壊試験
・曲げ破壊条件に従って、曲げひび割れ発生荷重、許容応力度設計による設計荷重、および終局曲げ耐力を算定後、RCはりの作製・載荷試験をおこない観察・考察する。RCはり作製前に模型の作製をおこなう。更に設計図面をCADで作図する。グループ単位のプレゼンにより、設計と実際の違いの関係を考察する。
3.逆T形擁壁の設計計算
土木構造物として、土圧を受ける構造物の代表例として逆T形擁壁を選び、限界状態法に基づく
①設計条件 ②形状寸法 ③安定計算 ④鉛直壁の設計 ⑤底版の設計 これら①~⑤の一連の作業を行う。
本授業科目は、行政機関において設計業務に関する実務経験を有している教員が、その実務経験を活かし、擁壁設計等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
教室での講義・計算
CAD室での作図
実習室での計算、外での組み立て、および実験室でも載荷試験
校外学習
注意点:
・PBL学習では、ファシリテーターとして企業からのサポート受けるので、礼儀正しく接するように心がけてください。
・はりの作製は電動工具等を使用するため、ガイダンスのときに安全教育を実施します

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・設計図面から見積り作業
・逆T擁壁設計:ガイダンス
設計図面から使用材料の数量見積もりをおこなう
2週 模型作製
・逆T擁壁設計:設計条件(1)1.1-1.3(土圧に抵抗する構造物)
・2.1 逆T形擁壁の断面仮定の説明
設計図面と見積り材料から床版模型を作製する
・コンクリート構造物の設計方法を理解している
3週 製図1
・ 逆T擁壁設計:設計条件(2)2.3.1-2.3.4 設計条件の説明
AutoCADを用いて床版配筋図を作図する
・ランキン土圧やクーロン土圧を理解している
・構造物に作用する土圧や地震時の土圧について説明できる。
4週 製図2
・逆T擁壁設計:設計条件(3) 2.4-2.7 荷重条件、擁壁の重要度と要求性能、地震による慣性力、使用材料の品質
・2.8-2.11 限界状態、安全係数および修正係数、荷重の組み合わせ、一般構造細目の説明
AutoCADを用いて床版配筋図を作図する
・与えられた条件を基に設計計算ができる
5週 全体セッション:PBL課題テーマ提示によるPBL学習スタート
・逆T擁壁設計:設計(1) 4.1 荷重の算定の解説・計算
ファシリテーター参加の全体セッション、ファシリテーターによる課題テーマの提示とその説明から学習計画工程を作成
・与えられた条件を基に設計計算ができる。
・ランキン土圧やクーロン土圧を説明でき、土圧算定に適用できる。
・地盤内応力を説明できる。
6週 自己学習セッション1
・逆T擁壁設計:設計(2) 4.2 剛体安定の終局限界状態の解説・計算
学習計画に従ってPBLのための基礎学習をおこなう
・与えられた条件を基に設計計算ができる
7週 自己学習セッション2
・ 逆T擁壁設計:設計(3) 4.2 剛体安定の終局限界状態の解説・計算
学習計画に従ってPBLのための基礎学習をおこなう
・与えられた条件を基に設計計算ができる
8週 自己学習セッション3
・逆T擁壁設計:設計(4) 4.3 剛体安定の使用限界状態の解説・計算
学習計画に従ってPBLのための基礎学習をおこなう
・与えられた条件を基に設計計算ができる
2ndQ
9週 グループセッション:発表
・ 逆T擁壁設計:設計(5) 4.3 剛体安定の使用限界状態の解説・計算
グループ内で、課題テーマの本質が何かを発表し、解決策工程を作成する
・与えられた条件を基に設計計算ができる
10週 解決案作成セッション1
・逆T擁壁設計:設計(6) 5.1 荷重および断面力の算定の解説・計算
学習計画に従って解決策の作成および実践をおこなう
・与えられた条件を基に設計計算ができる。
11週 解決案作成セッション2
・ 逆T擁壁設計:設計(7) 5.2 断面破壊の終局限界状態の解説・計算
学習計画に従って解決策の作成および実践をおこなう
・与えられた条件を基に設計計算ができる
12週 解決案作成セッション3
・逆T擁壁設計:設計(8) 5.3 ひびわれの使用限界状態の解説・計算
学習計画に従って解決策の作成および実践をおこなう
・与えられた条件を基に設計計算ができる
13週 全体セッション発表内容準備
・逆T擁壁設計:設計(9) 5.4 鉄筋の定着長の解説・計算
発表用資料作成・発表準備
・与えられた条件を基に設計計算ができる
14週 全体セッション:PBL学習内容発表
・逆T擁壁設計:設計(10) 6.1 荷重および地盤反力の解説・計算
ファシリテーター参加による全体発表セッション
・与えられた条件を基に設計計算ができる
15週 レポート作成
・逆T擁壁設計:設計(11) 6.2 断面破壊の終局限界状態の解説・計算
・与えられた条件を基に設計計算ができる
16週
後期
3rdQ
1週 ・CAD(床版)
・設計した物をCADソフトで描くことができる
2週 ・CAD(床版) ・設計した物をCADソフトで描くことができる
3週 ・プレゼンテーション ・解析内容・実験結果を説明できる
4週 ・設計計算(曲げ耐力、ひび割れ荷重、たわみ) ・曲げ破壊耐力・たわみ量を算定できる
5週 ・詳細設計(コンクリートの配合設計) ・配合設計の手順を理解し、計算できる
6週 ・RCはりの鉄筋加工と組み立ておよび コンクリート打設
・鉄筋コンクリ-トはりの作製
・設計諸元に従って部材の加工・組立およびゲージをセットすることができる
・配合設計通りのコンクリ-トが製造できる。
7週 ・CAD(逆T擁壁)
・鉄筋コンクリ-トはりの作製
・設計した物をCADソフトで描くことができる
・配合設計通りのコンクリートはりを作製できる。
8週 ・CAD(逆T擁壁)
・鉄筋コンクリ-トはりの製造
・設計した物をCADソフトで描くことができる
・配合通りのコンクリ-トが製造できる。
4thQ
9週 ・CAD(逆T擁壁)
・鉄筋コンクリ-トはりの製造
・鉄筋コンクリ-トはりの載荷試験
・設計した物をCADソフトで描くことができる
・配合通りのコンクリートが製造できる。
・載荷試験結果と設計計算との比較検討ができる。
10週 ・載荷実験
・鉄筋コンクリートはりの載荷試験
・種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる
11週 ・CAD(逆T擁壁)
・鉄筋コンクリ-トはりの載荷試験
・設計した物をCADソフトで描くことができる
・載荷試験結果と設計計算との対比ができる。
12週 ・CAD(逆T擁壁)
・鉄筋コンクリ-トはりの載荷試験
・設計した物をCADソフトで描くことができる
・載荷試験結果と設計計算との対比ができる。
13週 ・CAD(逆T擁壁) ・設計した物をCADソフトで描くことができる
14週 ・プレゼンテーション ・解析内容・実験結果を説明できる
15週 ・レポート作成
16週

評価割合

試験発表相互評価態度レポートその他合計
総合評価割合020020600100
基礎的能力0000000
専門的能力020020600100
分野横断的能力0000000