環境工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 環境工学Ⅱ
科目番号 5C010 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:廃棄物工学の基礎知識:田中 信壽:技報堂出版:4-7655-3189-9
※前期では、水環境工学:松尾友矩編、田中修三他著:オーム社(4-274-20168-6) も使用します
担当教員 宮里 直樹

到達目標

下水道の仕組み(基本計画、役割と現状)を理解し説明できる。
下水の処理方法(生物学的排水処理など)について説明できる。
廃棄物処理の現状や処理方法、問題点について説明できる。
最新の環境問題(地球規模を含む)について多面的に現象を理解し説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1下水道の仕組み(基本計画、役割と現状)を理解ており、説明し応用できる。下水道の仕組み(基本計画、役割と現状)を理解し説明できる。下水道の仕組み(基本計画、役割と現状)を理解できず、説明できない。
評価項目2下水の処理方法(生物学的排水処理など)について説明でき、応用できる。 下水の処理方法(生物学的排水処理など)について説明できる。 下水の処理方法(生物学的排水処理など)について説明できない。
評価項目3 廃棄物処理の現状や処理方法、問題点について説明でき、解決案に関する自分の意見を述べられる。 廃棄物処理の現状や処理方法、問題点について説明できる。 廃棄物処理の現状や処理方法、問題点について説明できない。
評価項目4最新の環境問題(地球規模を含む)について多面的に現象を理解しており、応用利用ができる。最新の環境問題(地球規模を含む)について多面的に現象を理解し説明できる。最新の環境問題(地球規模を含む)について多面的に現象を理解しておらず、説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・本科目は、4 年の環境工学I の継続である。
・対象は下水処理と廃棄物・環境問題であり、前半(中間試験まで)は4 年で身につけた水質に関する知識を生かして、汚れた水の浄化と環境の保全について学習し、後半(定期試験まで)は廃棄物問題・地球規模環境問題を学習して、地球的視点から多面的に現象を理解する能力を身につけることができる。
・また、現在進行中の環境問題を取り上げることにより、技術者として社会に対する責任を自覚する能力を身につけることができる。
・前期は下水処理と水環境保全の講義が中心となり、施設見学で現場体験をする。後期は今日的な問題である廃棄物の問題、および地球規模環境問題について具体例を用いて考察する。
・講義15回のうち、1回は施設見学に割り当てる予定である。前橋水質浄化センターを予定している。
授業の進め方・方法:
教科書を中心とし、必要に応じてプリントを活用する。理解を深めるために、下水処理場および循環型廃棄物処理施設を見学(予定)し、実際の状況を把握する
注意点:
水処理・廃棄物処理および地球規模の環境問題は、極めて今日的な問題です。卒業後、進学や就職した際には、すぐに直面する(避けて通れない) 問題であり、関心を持つことをお勧めします。
適宜課題(レポート課題として評価)があります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイイダンス、下水処理技術の概要、下水処理施設 下水道基本計画、除去対象
論物と除去の単位操作について学ぶ
管路施設、終末処理場について学ぶ
2週 下水の組成と原単位
下水処理概論と放流水基準
BOD,COD,SSなどの濃度と一人あたり排出量について学ぶ
各単位操作の滞留時間・メカニズムと放流水水質基準値について学ぶ
3週 活性汚泥法の原理・活性汚泥法の管理指標 微生物による浄化、空気の供給と微生物の高濃度保持について学ぶ
溶存酸素濃度、MLSS,SV,SVI などについて学ぶ
4週 各種の活性汚泥法、曝気方法
その他の生物処理方法
活性汚泥を用いた各種処理方法について学ぶ
散水ろ床法、接触曝気法、回転円盤法などについて学ぶ
5週 汚泥処理・下水の高度処理
し尿処理と膜分離、小型合併浄化槽
汚泥の発生量、濃縮の方法、脱水の方法について学ぶ
一般廃棄物のうち、液状廃棄物である"し尿"の処理には、高度な処理が要求される。膜分離は、衛生的で安定処理とされる。
人口密集地以外では、合併浄化槽が期待されている費用と効果の比較
これからの下水道について学ぶ
6週 世界の水事情・地球規模環境問題 地球規模による水の循環利用の必要性について学ぶ
地球温暖化、熱帯雨林の消滅、種の消滅、砂漠化、廃棄物の広域移動について学ぶ、水問題を考える(映像教材)
7週 前期中間試験 前期中間試験の実施
8週 廃棄物概論1・2 文明の進歩とゴミ問題、循環型社会について学ぶ
廃棄物に関連する法令を学ぶ
2ndQ
9週 一般廃棄物と産業廃棄物
廃棄物に関する群馬県の取り組み
一般廃棄物・産業廃棄物の発生量と内訳
環境白書群馬版、再生可能エネルギー
10週 地下水汚染
廃棄物の焼却処理
土壌汚染と対策
廃棄物の減容化の主要技術は、焼却処理。
11週 ダイオキシンとRDF 焼却に伴い発生するダイオキシン、その対策として期待されるRDFの課題
12週 環境管理概論
化学物質と環境との関連
SO14000、LCAなど環境管理の考え方
広範囲な化学物質の問題、廃棄物処分で発生する物質
13週 粗大ごみの循環、適正処分
各種の最終処分場
建設廃棄物、シュレッダーダストの問題
環境汚染を起こさないための三種類の処分場
14週 環境問題と経済活動 環境問題を克服しながら経済発展をとげた我が国は、途上国に対してどのような提言ができるか考える
15週 施設見学 前橋水質浄化センター(予定)
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力200000020
専門的能力4000001050
分野横断的能力2000001030