到達目標
異なる分野の幅広い工学基礎の知識と最も得意とする工学の知識を融合することにより、専門分野を広い視野でとらえることができ、将来、より高度な技術的課題にとりくむことのできる基礎となる能力を養う。具体的には、以下を授業目標としている。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、総合した形で企業等でどのように活用・応用されているかの理解度【総合的視点の涵養】。 | 例を交えて説明できる | 理解できる | 理解できない |
企業人として活躍するためにはどのような能力が必要であるかを考えることができ、それを高めようと努力する姿勢をとることができるか【コミュニケーション等多用な能力の涵養】 | しっかりとできる | できる | できない |
技術者は、社会に対し有益な価値を提供するために存在し、社会の期待に十分応えられてこそ、存在の価値のあることを理解できるか【社会への貢献に向けた課題設定能力】 | しっかりとできる | できる | できない |
現役の企業技術者・研究者による授業を通じて、自らの今後のキャリア形成について自分なりに考えることができるか | しっかりとできる | できる | できない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
工学と社会との関わりにおいては、安全や環境に与える影響は重要な事項であり、工学的活動においてはこれらを常に考慮する必要がある。この授業では、環境を含む広義の「安全」をテーマとした事項を、14回にわたり各専門分野の立場から講ずる。各講師それぞれ2回分の講義(工場見学等も含む)が
終了した段階で学生にレポートを課し、評価する。初回にガイダンスを行う。最後に期末試験では、講義を通じて学習した事項を参考に、テーマ「安全」に沿って関心を持つ課題を各自が設定し、それについて複数の分野の視点で(例えば機械工学の分野とその他の分野)、A4サイズ2枚程度の分量で論述する。論述内容については、課題設定の妥当性、論旨の明確さ、論述における複合・総合的視点等について評価する。
授業の進め方・方法:
注意点:
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
「総合工学」の科目のねらいと授業の進め方、学び方、総合報告書の書き方および成績評価の方法について説明する。(専任教員:平 靖之)
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2週 |
充電式電池による環境・安全へ の取り組み(その1) |
乾電池のように気軽に使え、充電して繰り返し使える「充電式電池」の環境・安全・経済性メリットを紹介する。第1 回では、電池のしくみ・分類・主な用途を紹介し、近年開発に成功した低自己放電タイプのニッケル水素電池の開発背景・技術内容・使用メリットを環境・安全側面から紹介する。(大畠 昇太)
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3週 |
充電式電池による環境・安全への取り組み(その2) |
乾電池のように気軽に使え、充電して繰り返して使える「充電式電池」の環境・安全・経済性メリットを紹介する。第2回目では、「製品のライフサイクルと安全」の観点から、ニッケル水素電池の優れた環境適合性(省資源・省エネ・リサイクル)と、製造工程における労働安全衛生管理、環境負荷低減およびクリーンな社会意識形成への当社の取り組み事例について紹介する。(田口 幸治)
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4週 |
知的財産権から見た法的安全性 |
他社の権利を侵害しない安全(弁理士 下茂 力)
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5週 |
知的財産権から見た法的安全性 |
知的財産権における発明者の安全(弁理士 下茂 力)
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6週 |
車載電装品の信頼性(安全)保証(その1) |
車は全世界で使われる事を想定しており電装品に対し厳しい環境下での動作保証が求められる。開発に於ける信頼性保証の考え方をPSD(Power Slide Door)を実例に交えて説明する。(大河内 進)
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7週 |
車載電装品の信頼性(安全)保証(その2) |
(株)ミツバ 新里工場の生産現場の見学を通して、電装品が実際に市場に出るまでの過程を1回目の説明と重ねながら体感して貰う。(大河内 進)
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8週 |
「モノづくり」と「安全」 (その1) |
新商品開発の各ステップの概要を説明し、特にその中の「モノづくり」と「安全」について、実際に開発時に使用したQFD(Quality Function Deployment)の資料等を交えてより実践的な講義を行い、学生にモノづくりの楽しさと厳しさを実感して貰いたい。1回目は、商品開発の実際とQFDの使い方及び事例紹介等の講義中心の授業を行う。(北爪三智男)
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4thQ |
9週 |
「モノづくり」と「安全」 (その2) |
2回目は、サンデン(株)赤城事業所の工場見学を主体に研究開発~生産までの一連のステップを現場で体験する。(北爪三智男)
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10週 |
高速道路ネットワークの安全( 1) |
―地震国日本における耐震技術「生命・財産・経済・社会を守る」― 日本における高速道路建設などの社会資本整備では,過去に経験した大規模地震による被災事例などを教訓とした改良や数多くの実験的・解析的検討により技術的知見等を積み重ね,今や世界をリードする耐震(免震,制震)技術立国となっている.本講義では,この世界が注目する日本の耐震技術に焦点をあて,具体的な事例中心に解説する.(姫野 岳彦)
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11週 |
高速道路ネットワークの安全( 2) |
―将来に向けての社会資本の維持管理「高度な道路交通網の安全利用」― アメリカでの道路橋崩落事故などを受けてクローズアップされている道路ネットワークの安全利用に関しては,日本でも首都圏の高速道路などをはじめとして,老朽化等による損傷事例が多く認められるなど,維持管理・長寿命化技術の開発・確立は急務である.本講義では,これらの技術動向や最新のトピックスを中心に解説する.(姫野 岳彦)
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12週 |
化学物質の安全性確保について(その1) |
化学物質は、私たちの生活と密接な関係があり、素材 や製品として生活に多いに役立っているが、反面、生態系の被害や地球環境の破壊などの原因にもなっている。化学物質の安全性確保のための法規制及び総合安全管理の現状について講義する。(小林 聖)
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13週 |
化学物質の安全性確保について(その2) |
化学物質の安全性確保について(その1)内容に続き、講義する。(小林 聖)
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14週 |
医薬品及び診断薬の研究開発に係る安全性について |
医薬品の研究開発は、ヒトへ投与される前に安全性を確認する必要があります。 研究開発に係る安全性について概説します。また、診断薬開発も紹介します。(中野 賢一)
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15週 |
医薬品の信頼性について |
医薬品が承認されるまでの臨床開発に係る安全性と上市されてからの信頼性保証に ついて概説します。(中野 賢一)
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16週 |
試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 70 | 100 |
基礎的能力 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 30 |
専門的能力 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 40 |
分野横断的能力 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 30 |